あれ?
あー、早く来ちゃったな。キノ返して、何か面白いもの借りるか。
「やっふうぅぅぅぅう。」
…
見なかったことにしよ。おっ、バッカーノあるじゃん。これにしよ。
「無視すんじゃねえ。」
「!!」
なんなんだ、この人は。せっかく見なかったことにしたのに。
「おはようございます、鈴木先輩。」
「おう。」
「んじゃ、いこうか。」
「は?」
どこに?つか、え?なんで?
隣にある、司書室につれていかれた。本人の了承をとっていないから拉致か。
「今からお前に任務を与える。」
「だが断る。」
「まてまて。話聞いてお願い。」
出ようとしたら腕を捕まれた。このまま無視してもいいが、この人は一応、俺の先輩。ここは大人の対応をしないと。
「セクハラで訴えます。」
「なんでさ!?」
―某正義の味方が頭をよぎった。
「杉山ボイスでもう一度。」
「お前もFateファンか。そうか~。俺もな~、って違う。」
さっきから、騒がしい人だ。ああ、そうか。
「すみません、鈴木先輩。お腹すいているんですね。」
小っちゃい子とか、お腹すくとキレるよね。
「小っちゃい子扱いしないで。俺先輩だから。」
「はー。」
「憐みの目をしながら、こっちを見るな!?」
なんなんだよ。っとに、最近の若い子は、ほんと、ようわからん。
「ごほん。えーとな、朝来たやつがこの、新聞作業をするんだ。」
…え?それって、違う班の仕事じゃね?
「おー、おはよう。今日も早いね~。」
「おはようございます、小川先生。」
ぼーとしていたら、小川先生が入ってきた。この人は、英語の先生だったはず。
「おはようございます。先生も本を借りに?」
「ううん。私、図書室担当だから、仕事しにね。」
そういって、バックから書類を取り出した。この人は、司書教諭の資格をもっていたのか。
「よーし。先生も来たことだし、やっぞ~。」
あれ?なんか、俺もやるみたいな流れになったぞ。
新聞作業とは、図書館や待合室でよく見かける、金属製の新聞挟みに今日の新聞を挟む、というものだ。
新聞の上には、うちの高校の判子が押されている。なんでも、学校の備品には、盗難防止の高校名のはいった判子やシールを貼るのだそうだ。新聞も学校の備品なので、判子を押すのだ。
一部、二部程度なら楽だが、うちの学校は、地方新聞数社分にスポーツ新聞、アメリカのタイムズ、英語版の日本新聞まである。重労働だ。
「小川先生。なんで英語の新聞もあるんですか?。」
読む奴いんのか?
「英会話部の子とかが読むのよ。あと、趣味で読む子とか。」
趣味で…
「早く終わらさないと、授業はじまっぞ。」
やべ。早く終わらさないと、って。
「先輩、さっきから全然減ってませんよ。」
……
「…てへぺろ☆」
ウザ。