昼休み1
俺のクラスは、女子全員が中学校の時のように席をくっつけて食べる。
俺も強制参加。
皆でわいわい騒がず、まるでお通夜のように静かに食べる。
他のクラスから
「葬式でもやってるのか。」
と、言われる始末だ。
昼食も終わり、楽しい昼休みだ。
…と言ってもやることないし、図書室に行くか。
「朝日さん、ひとりでどこかに行こうとしてるよ。友達いないのかな?」
「なに当たり前のこと言ってんのWW」
教室を出る際、そんな女子の会話が聞こえた。
さて、図書室といったら、皆さんはどんなイメージを持っているだろう。
本がいっぱいある、静かだ。
大体がこんなかんじだろう。
俺もそんなふうに思っていた。
思ってましたとも。
ただ…
「ひゃっほー。俺いっちばーん。」
「あーくそ。」
「お前ら、俺を神と讃え敬え。」
…うん
実際は、イメージとは違い、かなり騒がしい場所でした。
おっと、鈴木先輩、高橋先輩、晴香以外に何人かいるぞ。
「みんなで何やっているんですか?」
漸くこちらに気付いたようだ。
「ああ、みんなでコレやってたんだ。」
そういって高橋先輩は、軽く握りしめている右手の親指を上げ下げした。
あれか、両こぶしを合わせ、「いっせいのーで」という掛け声とともに、両手か片手の親指を上げる、あのゲームか。
このゲームの名前を知っているやついるかな。
知っているやつがいるなら、ぜひとも教えてほしい。
「ただいま、俺様全勝中。」
得意げな顔で言う鈴木先輩。
…何でだろう?まだ二回しか会ってないのに、この人のことすごくいじりたいと思ってしまう。
―何かがもの凄い速さで、鈴木先輩の頭にヒットした。
あまりの痛さに、床にうずくまる先輩。
「先輩、大丈夫ですか?」
「返事がない。ただの屍のようだ。」
平気そうだ。
何かが来た方向を見ると、高橋先輩が左こぶしを突き出していた。
先輩がこぶしをヒットさせたのか。
よく見ると、先輩の左手の中指だけ異様に長い。マユリの逆バージョンだ。
「うっさいわ、ハゲ。」
鈴木先輩の扱い、ちょっとひどくないか?
「気にすんな。いつもこんな感じだ。」
!?心を読んだだと
「はじめて会う子だね。新入生?」
メガネをかけた、色黒の男子が話しかけてきた。
「はい、一年の朝日ハルヒです。」
「俺は、二年の枝松。よろしくね。」
優しそうな笑みをしながら自己紹介をしてくれた。いい人そうだ。そして、苦労人っぽい雰囲気だな。
枝松先輩の隣にいた人と目があった。こちらもメガネをかけている。無精ひげがあり、結構ガタイがいい。
「松田だ。よろしく。」
ちょっとかっこつけながら言った。外人さんがやりそうな、指を二本立てて、頭の斜め上にやるあれだ。
あわねえな。高橋先輩ならともかく、この人には合わん。初対面なのにこんなこと思ってすみません。
メガネ率高いな…