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吸血

何だか悪役じみてます。

京介さん。

「瑠香さんの吸血鬼としての血はきっともうすごく薄いものだから・・・

 ソレを補うためにきっと八雲先輩の血に惹かれたんだろうねぇ

 どうする?瑠香ちゃん。

 このまま半端吸血鬼でいたい?それとも普通の人間に戻る?」

瑠香はまだ片足だけ足枷につながれたままの敏哉に視線を向け一回ゆっくりと瞬きすると

まっすぐに京介をみつめ

「戻ることが出来るなら・・・人間に戻りたいです・・・

 もう血なんて吸いたくない・・・お兄ちゃんを傷つけたくない・・・」

泣くのをこらえるような震えた声で京介に懇願した。

「良かった。俺もそれがいいと思うよ。

 このまま中途半端に吸血鬼として先祖がえりしたら

 そのうち傷害罪で捕まるか精神に異常を

 きたしちゃう可能性が高いからねぇ。

 んっとね、治すからちょっと失礼なことしてもいい?」

「失礼なことってなんですか?」

「えっと、とりあえず敏哉先輩の前でしたら俺殴られちゃうかも?」

あ、でも記憶どうせ消すからいいのかなぁ?

なんてぼやきながら悩んでいる風であった。

「ま、いっか。んじゃすみません、先輩、目瞑っていて下さい。

 瑠香さん、取り敢えず力抜いてくださいね?」

京介は瑠香の肩に手をかけその細い首筋に唇を近づけた。

瑠香は一瞬身を固くしたがすぐに力を抜きそのままされるがままになった。

こくん・・・・どれくらい血を抜いたかは判らない。

でも京介が嚥下運動をしたのは2回程度だったので

量としてはそんな多くはないだろうが

唇を離した途端、瑠香はがくんと崩れ京介の腕に預けられた。

「ごちそうさまです。

 えっと吸血鬼としての血は全部いただきました。

 八雲先輩はまだ先祖返りしてないから・・・・そうっすねぇ

 先輩も吸血鬼として目覚めちゃったらそん時もらいますね」

どうせ吸うなら可愛い女の子の血のがいいですからねぇ

って照れ笑いを浮かべながら頭をかく仕草をした。

「あの・・・瑠香は・・・」

「ああ、もちろん無事ですよ。

 ちょっと血もらっただけですから。

 ついでにここ数日の記憶抜いておきました。

 学校の記憶もないから数日間の授業内容真っ白っすねぇ。

 申し訳ないっすねぇ」

意識のない瑠香を優しく抱きかかえ敏哉の繋がれているベッドに寝かせた。

「先輩、お疲れ様です。

 あ、コレもう少しで外れそうだったんですねぇ」

京介は敏哉の足枷を、さして力をかけてなさそうなのに

さっきまでびくともしなかったボルトを事もなげにはずした。

「よかったよかった。取敢えず生きてるし怪我もなさそうですねぇ。

 あとは先輩の記憶消しておけばいっかなぁ」

「記憶って・・・・そんなに簡単に消せるものなのか?」

「まぁ簡単ってワケじゃないですがねぇ。

 んとねぇ慣れれば結構イケますよぉ?

 あ、でも記憶操作系は俺とか吸血鬼よりも夢魔族とかのが得意っすよぉ」

夢魔?

何だか小説でしか聞いたことないような単語に目を丸くする。

しかしもう何があってもきっと驚かない。

瑠香に・・・そして俺にも吸血鬼の血が入っているのだから。

「ってことで先輩。色々これからのためにも忘れて下さいね」

京介の手が敏哉の額に添えられた途端、敏哉の意識は暗闇へ落ちていった。


次で最後です。

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