第2話 続・昔々
世界には平和が訪れた。しかし、5大大陸と7大大陸の対立は、深刻化していく一方であった。
なぜなら、仲介を行った勇者が戦争の1年後に他界したからである。
条件の破棄にはならなかったものの、仲介者がいないままでは口論で仲良くという訳にはいかず、5大大陸が何時アクシデントを起こしてくるか危険な状態にある。
そんな状況の中、7大大陸の1つである日本大陸では、ある政策が進んでいた。
それは、ギア使いの職業化である。
ギア使いは生活の分野でも著しい活躍をみせ、戦闘の分野でも悪いギア使いからの襲撃をいつでも防げるように、毎日準備をしている。
日本のギア使い職業化の目的は、「自らギア使いになりたい」という信念と覚悟と志をもった人材を育成して、5大大陸との争いに終止符を打つこと。
こうして、日本の高等学校は新しく64校のギア・戦闘系養成施設を建造した。
すると、ギア・戦闘分野は9年間にして2万人の優秀ギア使いを輩出し、職業化は大成功。
特に今年の新入生には、例年と比較してもっともレベルの高いギアをもつ生徒が多数集結した。
ギアには質があり、Sが最高、Iが最低と生まれ持った時点でギアのランクが決定されるのだが、今年はSの1つ下の階級であるAAランクが全国で10人も養成校に入学するという前代未聞の『奇跡』が起こったのである。
後にこの世代は「2015世代」と呼ばれ、世界に大きな旋風を巻き起こすことになるが、現時点ではそんなことは誰も予想できなかった。
次回から主人公主体のストーリーを投稿します。