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オモイノトリセツ  作者: 風紙文
第一章
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相談聞く昼休み

「ワタシの発明が失敗するなんてあり得ないわ」

「この前も、その前も失敗だと思ったけど?」

教室を出た私と蛍奈は、ある部屋へと向かっていた。藍沙がついて来ようとしたけど、マズイ事になる可能性を考えて行かせなかった。

「アレは使い手が使い方を間違えたからよ、ちゃんと使えば必ず成功したわ」

「……私のせいだっての?」

「取説の名前を言った覚えはないわ」

とか言って、私以外が蛍奈の発明品を使っている所を見た事が無い。

「まぁ、信じてみなさいな」

一階のある扉の前で止まった。蛍奈がスカートのポケットから合い鍵を出して扉を開け、中に入った。

部屋の中は特に説明するような物は無い、棚が壁を覆って、中に色々収まっている。中央に机と椅子がある。それぐらいだ。

「まぁ座りなさい」

「言われなくても座るわ」

その椅子に私たちは座った。椅子は机の対面に置かれていて、私と蛍奈は互いに向き合うような形になる。

「それで? 悩みというのはなんなのかしら?」

机に肘をついて手に顎を乗せる。まるで占い師の館で悩みを聞いてもらっているみたいだ。行ったこと無いけど。

「……てか、昼休み終わるんだけど」

すでに五分を切っている。四階の教室から一階のここへ来るのだけで時間を使ってしまったからだ。

「とりあえず聞くだけよ、そしたら取説は戻ればいいわ」

「アンタは?」

「授業に一回出ないくらい対したことないわ」

全くコイツは……しかし、蛍奈はその性格の反面、頭がかなり良い、具体的に言えば、学年トップだ。

そんな蛍奈のことだ、本当に一回授業に出なくても対したことないんだろう。

……さて、どうしよう、私は教室に戻りたい。なら、あっさり言ってしまえば解放されるんだから、言ってしまえばいい。

「……駅前の商店街に…」

「なるほどね」

まだ言ってない。

「もう分かったわ、戻っていいわよ」

「……」

私は無言で席を立った。ああ言った蛍奈は、本当にもう分かったのだ。

そして次に現れた時、『できたわ』と言って、この世には存在していなかった発明品を持っている。

それが、マッドサイエンティスト水野葉蛍奈という人物だから。



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