転生で超無敵スキルを手に入れた俺は転生先で超無双しまくる事にした結果
「おい、さっさとよこせ! それでいい!」
神のテンプレじみた御託なんて聞いてられるか。俺が欲しいのは最強の力だけだ。
「さっさと向こうへ送れ! 超絶無双・崇拝・ハーレム・ざまぁ・スローライフが俺を待ってるんだーーーー!!!!」
光に包まれ、俺は新たな大地に降り立つ。
……だが、足元から聞こえてくるのは、爽やかな風の音ではなかった。
カサカサ、カサカサ、カサカサ、カサカサ……!
「ん……? なんだ、この音……ひっ!?」
目の前を横切ったのは、馬ほどもある巨大なゴキブリ。
視線を落とせば、足元には蛆のような小さな塊が、数えきれないほど群がってうごめいている。
「おいおい、冗談だろ!? 向こうからは蜘蛛が無数に行進してきやがる……!」
メチャ、グチョ、ネッチョ……。
歩くたびに、何か「柔らかくて硬いもの」を踏み潰す感触が足裏に伝わる。
見れば、半分に千切れた何かがひっくり返ってピクピクと足を動かし、そこから糸を引くような不気味な液体が溢れ出していた。
「うわぁぁぁぁ! 汚ねぇ! 寄るな!!」
逃げようとした先では、巨大なムカデが別の虫に噛みつき、ドロドロの体液を撒き散らしながら貪り食っている。
「ヌチョ、ヌチョ……。共食い、だと……!?」
最強のスキルはある。だが、ここは人間も、エルフも、ましてや可愛い女の子も一人もいない。
ただひたすらに、蠢き、喰らい合い、増殖するだけの――「虫の世界」だった。
「神様ぁぁぁ!! 説明不足だろぉぉぉーーーー!!!!」
(完)




