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転生

あたしは目をパチリと覚ます。

「奇跡だ!やったぞ!ついに成功した!やっぱりボクは天才だ!はーはっはっはっはっ!」

ムシバは歓喜の雄叫びを上げている。うるさいな。あたしはムクリと起き上がる。

「あれ?これって・・・」

あたしは見覚えのないドレスを着せられていた。いつのまにお着替えを?ムシバがやったんだろうか。乙女の服を勝手に脱がすなんて許せない。あたしは寝ていた台座から降りる。体が軽い。羽が生えたようだ。台座にはあたしのほかもう1人の女の子が寝かせられていた。見覚えがある。間違いなくあたしだ。

「どうして?あたしが寝てるの?」

ムシバは丸い手鏡を持ってきた。

「きみは転生したんだよ。ミア」

鏡には金髪青い目の美少女が映し出されている。白い手袋をした手で触れる。これがあたし?なぜ他の女の子に入れ替わっているの?

「きみはボクが殺した。魂をおかしドールに入れ替えたんだ」

「おかしドール?」

「おかしで作った人形さ。全身おかしだ。ボクは子供の頃からおかしが大好きでねぇ。美少女も大好きだった。だからその2つが合体すればいいのにってずっと夢に見てた。食べちゃいたいくらい好きって言葉があるだろ?いままさに食べられる美少女が完成したのさ!」

「人形で満足しなさいよ!なんで魂を入れたわけ?」

「人形作って魂入れずじゃもったいないじゃないか。美少女には美少女の魂がふさわしい。いままで何人も殺してきたけど、美少女の魂の色はよどみがなくて美しいんだ」

「美少女たちをさらったのはやっぱりあなただったのね。その子たちはどうしたの?」

「ん?ああみんな殺して燃やしたよ。魂の入れ替え実験に失敗したんでね。もとの肉体に戻せる時間が過ぎてたから天に召されてしまった。美少女も腐ると醜いから火葬が1番さ」

「ひとでなし!」

「尊い犠牲だよ。彼女たちは天使になった」

ムシバは天を仰ぐ。自己チューここに極まれりだ。うんざりしているあたしにおかしオタクは早口でまくしたてる。

「なぜ今回成功したのか気づいたんだけど、魔力が弱いとおかしドールに魂が入っても動かせないみたいだ。魔力が動力なんだよ。きみは魔力が強かったみたいだね。わかっていれば最初から魔女っ子をさらってきたのにな。魔法使いは防御魔法が使えるから、さらうのに手間がかかってめんどうだから避けてたんだ。一般人を狙ったせいで成功まで時間がかかってしまったけれど、成功したからなんでもいいや」

「自分の欲望のために他人の命をもてあそぶなんて、あなた地獄に落ちるわよ」

「ボクは現世が楽しければそれでいい。快楽主義者なんでね」

ムシバはきびすをかえす。

「ちょっと待っていておくれ。逃げたらきみの村の連中を皆殺しにする」

「ひきょうもの!」

あたしは歯を食いしばる。10分後、ムシバが戻ってきた。

「王族を皆殺しにして軍も掌握しょうあくした。これからはボクがこの国の王だ。きみはお姫様だよミア」

「なんて残虐なひと。最低だわ」

「なんとでも呼ぶがいい。どんな手を使ってでも夢を叶えたものが勝ちなんだ!きみは今日からボクのものさ!」

ムシバの哄笑が王宮に鳴り響く。最悪の新婚生活が始まった。

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