2話
「よっしゃーーー!!!」
思わず、声が出た。
今月もランキング一位。最高の気分だ。
ピンポーン。
インターホンが鳴る。
……はぁ。
ガラス越しに外を見る。やっぱり、妹か。
せっかくの気分が一瞬で冷めた。
俺は無視して机に戻り、ヘッドホンをつける。
「よっしゃーーー!」
再び叫ぶ。
冤罪のあと、家を出て自分の部屋を借りた。
あの時、もし普通に学生を続けていたら、今の俺はいなかっただろう。
「小さい頃の夢が、こんな形で叶うなんてな……」
にやりと笑う。
夢が叶い、さらに新しい目標も見えてきた。
この“止まらないループ”が、今の俺には心地いい。
画面が光り、通知音が鳴った。
「これからも頑張ってください!」
「応援してます!」
コメント欄には“ありがとう”が溢れている。
その中に――“宮”の名前が混ざっていた。
「……また会うの、楽しみだな」
気づけば、高校時代よりも友達は増えていた。
もう、過去を思い出す暇もない。
ーーー
春(幼馴染)視点
「……返事、来ない……」
スマホを握りしめ、春はうつむく。
昨日も泣いた。今日も泣いた。
あの時、冤罪の優を信じなかった自分。
それでも、落ち着いたら謝るつもりだった。
“私だけは味方でいてあげる”――そう思っていた。
けど、気づけば彼は遠くへ行っていた。
SNSでは、知らない人たちと楽しそうに笑っている。
もう、私の知らない優だ。
「……もう嫌だ……こんな毎日、終わってよ……」
ーーー
妹視点
――今、“よっしゃー”って声が聞こえた。
絶対、お兄ちゃんいる。
「……やっぱり、私と会いたくないんだね」
それでも、諦めたくなかった。
ちゃんと謝りたい。
それに――今のお兄ちゃんと、もう一度一緒にいたい。
「お兄ちゃんとなら……私、理想の生活ができるのに……」
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