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OVER TAKE ❦ 大隅綾音と魚住隆也 ❦ ともに行こう!  作者: 詩野忍


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第68節 雀始巣 弐 ― 司法における女性被害者の尊厳《手稿資料集:(Manuscript Appendix)》

1. 【左頁:綾音記録詩篇 ― “静寂の羽音”】

2. 【右頁:魚住隆也・倫理注釈篇 ― “視線の構造”】

  【1】司法観察の倫理構図(Ethical Topography of Observation)

  【2】女性被害者の尊厳を支える三原則(Lex Dignitatis Trinitas)

  【3】隆也注記

3. 【中央印章部】

4. 【尊厳の循環機構図(Lex Dignitatis Cycle)】

5. 【末尾銘文】

 《司法医学図説・実務編Ⅰ 手稿資料》


 雀始巣 ― 司法における女性被害者の尊厳


 Manuscript Appendix / Lex Dignitas Codex Page


【左頁:綾音記録詩篇 ― “静寂の羽音”】


 ── 春、雀は巣をつくり、

 私は記録をつくる。

 枝は柔らかく、

 しかし折れやすい。


 解剖室の光は、

 生と死を区別せず、

 ただ公平に照らす。


 彼女の髪がわずかに揺れたとき、

 風が語った。

 “私を記録して。私を忘れないで。”


 きずは痛みの記憶、

 皮膚の下に残る声。

 司法がそれを読むとき、

 尊厳は文字になる。


 私は書く――

 沈黙の中に響くものを。

 それが、彼女を再び「人」として還す儀式。


(署名)

 大隅綾音 A. Ōsumi

 令和×年 四月 蟄虫啓戸の候


【右頁:魚住隆也・倫理注釈篇 ― “視線の構造”】


【1】司法観察の倫理構図(Ethical Topography of Observation)


 ┌───────────────┐

  │ Lex Observatio(観察) │

  └────┬────────────┘

  ↓

  ┌──────────────────────┐

  │ Factum(事実) ───── Empathia(共感) │

  └────┬────────────────┘

  ↓

  ┌──────────────────────┐

  │ Dignitas(尊厳) ─── Testimonium(証言) │

  └──────────────────────┘


  ※注:

 司法における「観察」は、単なる目視ではない。

 それは、他者の痛みを受け取る構造的行為である。

 観察者が共感を失うとき、証言は倫理を失い、

 司法は機械化された沈黙に陥る。


【2】女性被害者の尊厳を支える三原則(Lex Dignitatis Trinitas)


 1. Corpore dignitas(身体の尊厳)

 ― 検視・検証のあらゆる段階で、身体を「証拠物」ではなく「存在の遺稿」として扱う。


 2. Verbi dignitas(言葉の尊厳)

 ― 鑑定書における表現は、冷徹さの中に慈悲を含むべきである。

 例:「裂創あり」ではなく、「痛みの記録としての裂創」。


 3. Memoria dignitas(記憶の尊厳)

 ― 記録は終わりではない。被害者の生を未来に“翻訳”するための行為。


【3】隆也注記


 綾音の言葉は、司法の理論を超えて「祈り」に近い。

 科学が生命を分析するのではなく、

 生命が科学を透過して語る瞬間こそ、

 私たちが目指す「司法倫理の花暦」である。


(署名)

 魚住隆也 R. Uozumi

 法医学実務演習記録より抜粋


【中央印章部】


 ─────────────

 桜印:Lex Vitae Dignitatis

 花弁封印仕様(金箔押し)

 印影:花弁五弁・中心に天秤と羽根の意匠

 ─────────────


「命を秤にかけるのではなく、羽根のように守るために。」

 ― 綾音注記



【尊厳の循環機構図(Lex Dignitatis Cycle)】


 ┌─────────────┐

  │ Observation(観察)│

  └────┬───────┘

  ↓

  ┌─────────────┐

  │ Record(記録) │

  └────┬───────┘

  ↓

  ┌─────────────┐

  │ Testimony(証言)│

  └────┬───────┘

  ↓

  ┌─────────────┐

  │ Dignity Restored(尊厳回復)│

  └─────────────┘


 この循環が止まるとき、司法は“命を聴く耳”を失う。

 すなわち、法とは循環であり、

 尊厳とはその“呼吸”である。


【末尾銘文】


 > Lex Vitae Manuscript – Volume I / Section LXVIII


 “To write is to restore life.”

(記すこと、それは命を還すこと)


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