第一章40 投剣
俺は第四階層に進出した!
とりあえずレベル上昇条件のスノードロップを25個集めろ
を早くクリアしないとな。
まあ、焦ってもすぐできることじゃないからな。
とりあえず、支配者の家に帰ろう。
だが、かなりやりやすいレベル上昇条件である。
先程も言ったが縛り付きで強いモンスターと戦わなければならないわけでもないので、今までのレベル上昇条件にしてはいい方である。
となると、今は階層主戦を急ぐよりかは、そちらを優先させた方がいいだろう。
そして、いつも通りに俺は支配者の家に帰った。
俺はまず、この手に持っているスノードロップは、支配者にとって必要なものなのかどうかを確認したい。
まあ、そこまでデカくないしあんまり防具に使えなさそうだけどなあ。
まあ、何が使えるかなんてまだまだわからないから一応聞いておこう。
だけど、支配者には申し訳ないが、手に入れたではなく、あると聞いたと言うことにしておこう。
もしかしたら、手元にないとレベル上昇条件のスノードロップの数にカウントされない可能性があるからな。
だから、25個揃うまでは渡さないようにしておこう。
透『ただいま帰りましたー!』
支配者『おかえりー!ちょっと待っててね。そろそろご飯できるから!』
透『わかりました!』
数分後
今、俺と支配者はご飯食べている。
そして、俺はそれを聞く。
透『支配者、第四階層でスノードロップって言うドロップアイテムがあるらしいんですが、それって防具に使えるんですか?』
支配者『使えるって言えば、使えるね。だけど今の私には使えない代物かな。』
いつもの支配者とは違う歯切れの悪い回答。
流石に気になった俺は
透『どうしたんですか?支配者?』
と尋ねていた。
だって、いつもの支配者は防具関連のことになるとどこから湧いてくるのかわからないほど明るく、元気になっているのである。
それはもう凄すぎるくらいには。
その支配者がなぜこのような反応なのかが気になる。
すると、支配者は
支配者『私もできればそのマジックドロップアイテムを防具に使いたいさ。だけど、私にはそれを防具にするだけの技量も、道具もないんだ、、』
透『マジックドロップアイテムを防具にできないってどういうことですか?ていうかそもそもマジックドロップアイテムってなんなんですか?』
支配者『まず、ドロップアイテムなどの通常の素材と、マジックドロップアイテムを使用した防具の違いについて説明しようか。ドロップアイテムを使った防具は君が今着ている防具みたいな、簡単に言えばその素材そのものでできた防具。に対してマジックドロップアイテムを使用した防具はそれに特殊効果がもたらされるんだ。』
特殊効果。
俺のスキルである付与と同じようなものなのだろうか?
支配者『そして、それを防具に使用できるような技量、何より道具を持っていないんだ。』
技量、か。
つまり今までの素材に比べてこれはおそらく使い勝手が違いすぎるのか。
だがら、今の支配者では手に余ってしまうということか。
透『そうなんですか。』
支配者『ちなみに道具っていうのは……。いや、君に話してもわかりにくいね。簡単に言えば、とてつもないもの、冒険者で例えるなら初期のノーマルソードが私、超上級の武器がそれ。ってところかな。』
やばい。
それがとても直球的にわかった。
確かにレベルが違う。
だが、それならなぜ
透『それなら、なんでそんなすごい素材が第四階層なんてところにあるんですか?』
支配者『それはね……。少し話が長くなると思うけど聞いてくれるかな?』
答えはもちろん
透『はい!』
YESである。
支配者『まず、君が聞いたスノードロップという素材は最初は防具に使用するなんて使い方じゃなかったんだ。』
そうなのか。
おそらく、その頃の防具などを作る人は俺と同じく。
素材自体が小さいから防具には使えないだろう。
と思ったのかもしれない。
支配者『元はスノードロップはその見た目の綺麗さからアクセサリー、つまりオシャレをするための道具だったんだ。だけど、とある1人の変人がそれを防具に使える!と言ったのさ。そして、その人は様々な方法を考え、実行した。』
変人、変人か。
まあ、多分そいつが使えるようにしたのだろうからすごい人なのだろうが、やばい人というイメージの方が今の所強い。
支配者『そして、その追求の果てに彼女はついにスノードロップを防具に使用、いや特殊効果をつけることに成功したんだよ。そして、その方法は拡散され真似をする人がたくさん出てきたんだが。それは成功しなかったんだ。』
どういうことだ?
やり方を真似しているのにできないというのはおかしい。
いや、まさか――
支配者『そう、みんなその方法だけを真似たんだ。だけど、彼女と決定的に違うことがあったんだ。
それは、鍛治をする道具。彼女は他の素材もたくさん防具に使用できるようにしていった。それだからなのかもしれない。それとも、なんらかの魔法みたいなものなのか?それらが変質してしまった。』
変質?まじかよ。
どんだけ防具作ってたんだよ。
支配者『それらの道具は、今で言うマジックドロップアイテムをも防具にできる性質を持つようになるんだ。』
つまり、その道具は素材や、方法を真似するだけではダメで、そこにいたるまで、莫大な時間が必要になる。
それもおそらく、時間の短縮とかはほぼ不可能なのだろう。
だから――
支配者『だから、そのような道具がない私は、スノードロップのような、マジックドロップアイテムを使用できないんだ。それに、変質するほどたくさん使われた道具なんて、市場にはほぼ売られていない。だから、買うことすら、事実上ほぼ不可能なんだ。』
透『だから、今の支配者ではこれを使えない。って言うことなんですね。』
支配者『今は、ね。いつか私もできるようになるさ!必ずね♪』
そう言って支配者は、笑った。
その姿はいつも見ている支配者と同じかそれ以上に明るく、希望を見ているようだった。
透『はい!頑張ってください!』
そして、俺は自分の部屋に戻った。
にしても、スノードロップを25個集めろ、か。
いくら1日目、初見だとは言え1日1個ペースでは遅すぎる。
だけど、これ以上どうすれば効率よく集められるのだろう?
今日、どうやって倒すか考えながら戦っていたから2匹目まではかなり倒すまで時間がかかった。
それをその後の戦闘と同じくらいのスピードで倒せたとしても、よくて、1日2個までだろう。
せめて、遠距離攻撃ができれば全然倒す効率が良くなると思うのだが。
だけどなあ。
遠距離攻撃は俺、持ってないんだよな。
仕方ない。
とにかく頑張るしかないな!
そう結論づけて俺は寝るのだった。
そして、そう決めたときから4日後。
俺はスノードロップを25個集めることに成功した。
あの日から1日後
俺は自分で予想した通りとにかく頑張って雪玉を倒しまくって、スノードロップを2個集めた。
そして、その日思ったのである。
弓とか、魔法とかじゃなくても何かを投げればいいのではないか?
と。
一番最初に思い浮かんだのは地面の雪だった。
前世のように雪玉を作り、投げればいい。
だが、この混沌の核ではそれは通用しない。
この雪は触れた瞬間から氷となってしまう。
それは地面も同じである。
地面に触れた瞬間雪は氷と化す。
だから第四階層の地面はかなり氷がはっている。
だが、なぜかその氷は硬くないから歩いたり走るたびにパキパキと割れていく。
だが、すぐに氷になるから雪玉は作れない。
氷は投げれない。
純粋に投げれる大きさではないからである。
そのとき思った。
武器は投げれないのか?
そして、俺はその結論に至った。
剣を投げれたらいいんじゃね?
と。
流石に黒金剛石重長両手剣は投げれない。
重すぎるから。
なら、シルバーメタルソードなら?
あれなら、ギリ遠距離攻撃レベルに投げることができる。
雪玉は防御力がほぼ皆無。
だからどれだけ弱々しくてもシルバーメタルソードの切れ味なら倒せるはずである。
そして、そこからは早かった。
あの日から2日後
俺は両手剣を使うのではなく。
シルバーメタルソードを使った。
そして、その剣を投げて投げて投げまくった。
最初は精度が悪かったが、少しずつ精度が上がっていった。
そうして、接近、停止。
そう言う工程をスキップして即討伐できるようになった。
効率は段違いに上昇した。
その日俺はスノードロップを5個手に入れた。
その日俺のステータスは久しぶりにスキルを発現させた。
幾星 透
ステータス
レベル5
レベル上昇条件スノードロップを25個集めろ8/25
HP210→213
MP175→178
STR222→225
DEF175→179
AGI215→216
???105→106
武器スキル
《コネクトスラッシュ》
《会心刺突》
NEW《投剣》
能力上昇スキル
《筋力増加》
《ディフェンスレートアップ》
常時発動スキル
《アラガウモノ》
追加効果
一度討伐したモンスターに対し、《アラガウモノ》を除いた全てのスキルの効果が失われる。
魔法
《火素作成》
《付与》
《投剣》
剣を投げるとき精度と速度が上昇する。
嬉しい、嬉しいんだけど。
《アラガウモノ》のせいで使えない。
だが、階層主戦で使えるかもしれない。
速度も上昇するのはかなり嬉しいな。
そして、その日は終わる。
3日目
スキルは使えないものの普通に剣を投げられるようになり効率は爆増した。
その日、スノードロップは8個手に入った
そして、4日後俺は9個のスノードロップを手に入れ、レベル上昇条件を満たした。
その俺のステータスは
幾星 透
ステータス
レベル6
レベル上昇条件第四階層階層主を討伐せよ。
HP213→243
MP178→208
STR225→255
DEF179→209
AGI216→246
???106→136
武器スキル
《コネクトスラッシュ》
《会心刺突》
《投剣》
能力上昇スキル
《筋力増加》
《ディフェンスレートアップ》
常時発動スキル
《アラガウモノ》
追加効果
一度討伐したモンスターに対し、《アラガウモノ》を除いた全てのスキルの効果が失われる。
魔法
《火素作成》
《付与》
徐々にステータスもかなり上がってきた。
実際、最近運動能力が上がってきたのが実感できる。
にしても、また新スキルはなかったようだ。
残念。
とても残念。
だが、レベル6になる過程で《投剣》が発現したから今回はよしとしよう。
それより、今回のステータスで今までレベル上昇直後に埋まっていなかった欄が埋まっていた。
レベル上昇条件である。
そこには第四階層階層主を討伐せよ。
と記されていた。
今まで、レベル上昇直後はこのレベル上昇条件の欄は???だけであった。
なのに、そこに記載があるだけで驚きなのだが。
透『第四階層階層主、ねえ。』
俺は今まで、〇〇階層階層主とか、前世で見たやつとか、そう言う名前で階層主を呼んでいた。
だが、この第四階層階層主からなのかは知らないが、どうやら階層主にも固有名があるようだ。
これからは正式名称で呼ぶようにしよう。
アイスダガーアンドライフル。
ダガーはわかる。
今回の階層主はもしかしたら短剣を使うのかもしれない。
そして、そのように武器を使うと言うことは。
透『今回の階層主は人のような見た目をしている可能性が高いかもしれないな。』
今までのモンスターの中で武器を使っていたモンスターはゴブリンだけである。
ゴブリンも異形だが、ギリ人のような見た目をしている。
だから、今回の階層主は人のような見た目をしている可能性が高い。
だが、なにより。
透『ライフルって……』
まじですか。
銃。
それを使われたら普通に考えて即死級なのだが。
だが、本当に前世のライフルのようなものがあるとは考えにくい。
だとしたら、この世にはライフル銃が出回っているだろうし。
まあ、この世界の文明がまだ中世というのもあるのかもしれないが。
それに、前世のようなライフル銃なら第四階層を突破するのはほぼ不可能だがらである。
だから大丈夫だろう。
予想できるのは
かなり強力な遠距離攻撃があると考えていいだろう。
接近戦に持っていくのも雪玉に比べて難易度は跳ね上がっているだろうからな。
それに、ダガー。
手数が多いはずである。
難しいな。
武器を使ってくるモンスターは正直使わないモンスターとは攻撃力がちがう。
はっきり言って今までとは討伐するレベルが違うだろう。
だが、倒す。
倒して見せる。
もっと深い階層に潜り、支配者にもっといい素材を手に入れなければならない。
もっと強くなって数をたくさん取りたい。
そのためにもここで止まるわけにはいかない。
もう、雪玉は楽に倒せるようになった。
正直、雪玉と戦う意味はもうない。
やろう、階層主を倒そう!




