第一章38 第四階層へ
第三階層階層主を倒した俺はレベル上昇条件を達成した!
そして、第三階層階層主と戦った後、素材を集めるために第三階層を歩き回っていた。
そして、ドロップアイテムを時間が許す限り最大限集めた後、俺はギルドに帰った。
いや〜!
やっとレベルアップしたよ!
ほんとに今までに比べてレベルが上昇するまでのインターバルが長かった。
早くステータスを確認しよう!
幾星 透
ステータス
レベル5
レベル上昇条件???
HP182→207
MP146→171
STR193→218
DEF142→167
AGI188→213
???80→105
武器スキル
《コネクトスラッシュ》
《会心刺突》
能力上昇スキル
《筋力増加》
《ディフェンスレートアップ》
常時発動スキル
《アラガウモノ》
追加効果
一度討伐したモンスターに対し、《アラガウモノ》を除いた全てのスキルの効果が失われる。
魔法
《火素作成》
《付与》
おお!
全ステータスが25上昇した!
そしてついに俺のステータスも200オーバーになるものが出てきたか!
だが、
透『新しいスキルに関する記載も選択も今回のステータスにはなかったのか。』
今までレベルが上昇すると、選択などの記載がステータスの欄にあった。
だが、今回のステータス欄にはそれに関する記載が一切ないのである。
それが意味するのはつまり、
透『今回のレベルアップでは新スキル入手も、スキル強化もスキル統合もない。ということかあー。』
正直に言わなくてもがっかりである。
確かに新しいスキルが発現したところで、《アラガウモノ》の追加効果のせいでまともに使える機会は少ないだろう。
だとしてもなんというか、謎の喪失感がある。
レベルアップをして、嬉しいと思った直後その感情を失意に染めた俺は支配者の家の方へ歩いて行くのだった。
俺は今、街を支配者の家へ帰る道を辿っていた。
ま、まあ!?レベルアップしたおかげでステータスがかなり強化されたわけだし俺にはこの両手剣もあるわけだし。
全然大丈夫だよね!
と、切り替え始めていた。
そして、その道の途中で白いローブを着た人を見つけた。
その人は杖を持っていた。
魔法使いかあ。
じゃなくて!
なんか見覚えある気がするんだよな〜。
まあ、すぐに思い出せないなら仕方がない。
俺はその謎の既視感を追求するのをやめ、今度こそ支配者の家に帰るのだった。
そして、家に帰った。
透『ただいま〜!』
支配者『おかえり!相変わらず元気だなあ。』
確かにスキルが発現しないのはショックではあるが、そんなことに悩んでいるよりも次の未来に目を向けたほうがいい!
と、無理にでも元気になろうとしているだけなのだが。
そして、冒険の進度を支配者に伝えている。
透『―――そして、明日には第四階層に行こうと思います。』
支配者『そうなのかい………。なら、これを渡しておこう。』
そう言って、支配者は、ツノシシの毛皮できていると思われるコート?のようなものを渡してきた。
透『どうしてこれを渡してくれたんですか?』
その言葉に支配者は、少しイタズラっぽい笑みを浮かべて。
支配者『それは第四階層に行ってからのお楽しみだよ?』
透『あの、すみません支配者………。もしかして階層の情報について調べてくれているんですか?』
それに対し少し 予想外 とでもいいたそうな反応をした後、支配者は少し言いずらそうに
支配者『そ、そうだね。君に死なれてもらっては困るからね。それがどうしようもないものなら諦めがつくけれど、情報不足で死なれてしまうと浮かばれないからね。』
そう言っていた。
もしかして、最近ボロボロになって帰ってくることが多くなっていたから、心配してくれたのかな?
もし、そうだったら嬉しいな。
透『そうなんですか!?ありがとうございます!』
支配者『ふふ。そう言ってくれると嬉しいな。』
透『そこまで調べてくれているなら階層の情報を教えてくれませんか?』
支配者『それはできないかな………』
?どうしてだ?
情報不足で死なれては困るというのに、なぜそのことを教えてはくれないのだろうか?
ていうか、俺自身で調べればいいのか。
だけど、もうさあ。
その素材で作られたコートっていう時点でさ、もうなんとなくわかっちゃうんだよね。
透『これを渡してくれるっていうことは次の階層は、結構寒い階層なんですか?』
支配者『え?どうしてわかったんだい?あっ!いや、なんでもないんだ!気にしないでくれ。』
はい、確定。
俺の考えている通りだったようだ。
透『支配者、この毛皮を渡した時に、防寒具とかに使える、と言っていましたよね?だからこれを渡された時点で、次の階層は寒い。と教えているようなものですよ。だから、もう隠さなくていいので、次の階層の情報を教えてくれませんか?』
まあ、そういうふうに俺の身を案じてくれたのはすごく嬉しいのだけれど。
だけど、俺自身そのような情報不足により死んでしまうのはごめんである。
だからできる限り教えて欲しいと思うのは当然なのである。
そういうと、支配者は少し戸惑った後
支配者『わかったよ、透君。第四階層は氷雪地帯だよ。』
氷雪地帯、か。
今までとはどうやら勝手が違いそうだな。
支配者『その階層に生息しているモンスターは、どうやら雪玉のような見た目のようでね。何か、凍える空気を出してくるみたいだよ。階層主に関しての情報は少し高くて買えなかったよ……。』
充分である。
そこまでしれたらその階層ではある程度安定した冒険ができるはずなので本当にありがたい。
透『いえいえ!充分すぎるくらいですよ!ありがとうございます!』
支配者『そう言ってくれると嬉しいな♪』
だが、一つ気になる発言があった。
透『支配者、高すぎるってどういうことですか?』
支配者『あれ?君は攻略情報本を知らないのかい?』
キョトンとした表情で支配者は俺に言ってきた。
だが、もちろん俺が知るわけもなく、
透『すいませんわかりません……。』
支配者『透君って、頭いいと思う時もあるけど、なんでこれ知らないの?みたいなことよくあるよね。まあ、いいよ♪教えてあげる。攻略情報本っていうのはね。ギルドと、政府によって作成された、混沌の核の階層についての情報が載っている本だよ。
その種類は多すぎるくらいあって、冒険者のことを支えているよ。だけど、情報の内容、情報の量によってかなり値段が左右してしまうんだ。だから、階層主の情報はかなり値段が高くついてしまってね。少し、手を出しづらい値段だったから、買えなかったんだよ。』
うわー、高いのか。
まあ、確かに冒険者達が命をかけて拾ってきた情報だからな。
そりゃ、値段も高くつくだろうな。
透『ほんとに謝らないでください!階層主なんて、階層に入った当日ではいきませんし、今まで情報がないのが当たり前だったので、情報をもらえただけで本当に嬉しいんです!』
支配者『ありがとう、透君。』
透『情報を教えてくれるどころか、その階層に適した防具まで作ってもらっているんです!本当に嬉しいです!ありがとうございます!』
そんなことを言っていると、
支配者『そこまで言ってくれるなんて、透君嬉しいよ♪』
そう言って破顔したのだった。
そして、そんなことを話した後、俺は自分の部屋に戻るのだった。
透の部屋にて。
にしても、次の第四階層は、【氷雪地帯】か。
そして、雪玉のようなモンスターが凍えるような空気を出してくるのか。
確かに、支配者がツノシシの毛皮でできたコートを渡してくれた理由もわかるというものである。
なんとなくだが、この階層では火素作成が重要になりそうだな。
凍える空気なら、火素作成を防具に付与して、炎の壁状態にすれば対策できそうである。
まあ、問題はそのモンスターの数なのだが。
一匹なら対応可能なのだが、1匹でも倒せてしまえば《アラガウモノ》の追加効果により、スキルが使えなくなってしまう。
その時に、モンスターをどうやって倒せばいいだろうか?
まあ、俺には威力がかなり高い、黒金剛石重長両手剣があるわけだし。
心配しなくても大丈夫だろう。
にしても、氷雪地帯と聞くと、前世の北海道とか、ロシア北部とかを思い出す。
まあ、ロシア北部とかよりはマシだといいんだけど。
とりあえず、明日はやれることはやろう。
そう決めた俺は、明日への期待を胸に眠るのだった。
そして、朝。
俺は起きた後、もう一度支配者と、第四階層の情報を確認した。
そして、最終確認を終えた俺はギルドに行き、混沌の核に行くのだった。
そして、階段を下っている。
段々と、この階層を降りるための階段も長くなってきたな。
最初はすぐについたのに、最近はそこそこ時間がかかるようになってきた。
まあ、その分進めているから悪いことではないんだけどね。
そうして、階段を下っていくと、少しずつ空気が冷たくなってきたように感じる。
情報を教えてもらったからだろうか?
先入観とかで、そう感じてしまっているだけかもしれない。
だが、確かに空気がひんやりとしてきたような感じがする。
そして、そして、そして。
階段を降りきり、そこを俺は出た。
透『おおー!』
眼前に広がっているのは、雪景色。
吹雪とまでは言わないが。
かなり雪が降っていた。
それだけではなく、地面も、生えている木も全て雪に埋もれているか、凍っていた。
ツノシシの毛皮でできたコートを着ていても感じるこの寒さ。
これがなければまともに探索など出来っこなかっただろう。
だが、この雪。
違和感を感じる。
なんだろう?
前世、何度かみたことのある雪とは何かが違う気がする。
まあ、あくまで雪は雪だろう。
そこまで気にする必要はないと割り切った俺はその白一色に染まっている世界に足を踏み入れ、進んでいくのだった。
そして、数分後。
ああ、これか。
これが違和感の正体ってわけか。
ただ歩いていただけ。
それだけなのに、俺の衣服や、防具は凍っていた。
そして、その現象は
透『やっぱり、どう考えてもこの雪のせいだよな〜。』
そう、凍っている箇所は、何もいっせいに全部凍ったわけではない。
降ってくる雪がふれた場所から凍り始めているのである。
俺の知っている―――つまり前世の雪は手などに触れると触れたそばから溶け出すようなものだったはずである。
だが、この世界。
いや、それは違うかもな。
この第四階層、ひいては混沌の核で降る雪はそのように溶けるではなく、凍るというわけか。
だが、そうなるとやっかいだな。
この雪自体が、前の階層――第三階層の泥の足場以上に、今、俺の動きを阻害している。
まあ、それもこれも。
俺がこの魔法を持っていなければの話なのだが。
透『火素作成』
そう言って、手に火を灯す。
そして、その火を体の凍っている箇所に近づける。
すると、凍っていた部分の氷は溶け出して行った。
いくら変な性質の氷でも、一応溶けるようでよかった。
そうでなければこの階層での探索はかなり厳しいものになっていただろうから。
俺の予想通り、この階層の攻略の鍵はこの魔法だろう。
おそらく、今後出てくるであろう、雪玉のようなモンスターというのにも、この魔法はかなりいい効果を発揮するだろう。
そう考えると、今の俺にとってこの第四階層はかなり相性のいい階層なのかもしれない。
まあ、だからといって、過信はしないけどね。
それは自分の足がすくわれるかもしれない最大の要因になりうるだろうから。
いつ、黒い部屋や、変異種が出てきてもおかしくない。
それぐらいの気持ちでいないといけないのかもしれない。
ま、張り詰めすぎるのはどうかと思うけどね。
そして、階層を順調に進んでいた。
いや、順調すぎる。
あまりにも、モンスターと遭遇しなさすぎる。
まるで嵐の前の静けさのように。
直後今まで聞いたことのないような音が耳に聞こえてきた。
それは雪のようだが、何か雪のような無機質な気配ではなく、野生動物、それどころかモンスターのような雰囲気さえ感じさせてきた。
俺の中の警戒信号が警鐘を鳴らしている。
――今すぐ移動しろ
と。
俺は、考えたというよりはほぼほぼ反射で横に走っていた。
直後、先程までいた場所に、かなり勢いよく、冷気が吹き荒れていた。
なん、なんだ。
いや、知っている。
支配者が教えてくれた情報の中にあった。
確かあのとき支配者は、
その階層に生息しているモンスターは、どうやら雪玉のような見た目のようでね。何か、凍える空気を出してくるみたいだよ。
と言っていたはずである。
確かに、攻撃の仕方もその情報とほぼ合致していた。
つまり、そいつは
透『第四階層初めてのモンスターさんってわけか。』
そいつは、俺の半身ほどの大きさの
雪玉だった。




