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異世界転生したのに無双できない  作者: 星野 夜月
第一章ただの始まり
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第一章37 第三階層攻略

俺、幾星 透は第三階層階層主にリベンジ中!




その剣は確かに蜥蜴人(リザードマン)の首を断ち切っていた。

だが、結果としてはその攻撃すらも無意味であった。

証拠として5匹だったあいつらが6匹まで増えているからである。

もう、捌き切るのとは困難だろう。

だが、さっきと同じような動きをすれば、最後の望みにも届くかもしれない。

そう、俺はもうそこが弱点だと信じるしかないのである。

あいつらの

心臓。


そして、俺は先刻の首を断ち切るための動きをとる。

両手剣で攻撃をいなし、防具で無理矢理攻撃を押し返す。

不幸中の幸いだろうか?

かなり無理をさせてしまっているであろう、白ライトアーマーは、まだ壊れる気配を見せていない。

本当に前のものとは格が違うのだろう。

そして、俺は狙いを定めた1匹に向かって奔走する。

そして、今、その1匹のところまでたどり着いた。

俺は剣の狙いを定め、心臓を突き刺そうとする。

この蜥蜴人(リザードマン)は、俺のことを平手打ちで跳ね除けようとしている。

だが、俺はそれすらも気にせずに心臓を狙う。

そして、お互いがお互いの攻撃射程圏内になったとき。

両者が攻撃を仕掛ける。

透『うおおおおおおおお!』

蜥蜴人(リザードマン)『ァァァァァァァァ!』

両者、咆哮。

だが、少し。

ほんの少し、その攻撃の方が早かった。

蜥蜴人(リザードマン)『グエッ!』

決まった!

その攻撃は心臓を的確に突き刺しており、他の蜥蜴人(リザードマン)も、その光景に衝撃の表情を浮かべていた。

俺はそのとき思った。

勝った。

と。

だが、甘かった。

直後、倒した蜥蜴人(リザードマン)から、分裂した存在がいた。

そいつは

7匹目の蜥蜴人(リザードマン)だった。


意味がわからない。

もう、弱点だと思われるところも全部潰した。

一応本体がいる可能性も視野に入れて、倒す個体も全部変えてきた。

総数も、ついには7を超えてしまった。

もうどうすればいいのかわからない。

何か、何かヒントとなるものはないだろうか?

今までの戦いを思い出せ!

そして、透はひとつの可能性を見出した。

あれは、確か俺の持つ両手剣が黒金剛炎剣状態ではなくなったときだった。

さらに言えば

火素作成(ファイアワークス)を使用したときだったはずである。


あのとき、蜥蜴人(リザードマン)は、さっき心臓を突き刺そうとしたときよりも、明らかに驚いた反応を示していた。

それも、過剰なほどに。

だから、この戦いの鍵はその、火素作成(ファイアワークス)を使用した時の彼らの反応、その真意を知ることだろう。

そして、俺はあの時、蜥蜴人(リザードマン)の反応以上に、何かすごい違和感を感じていた。

あれはなんだったのだろう?

違和感が募る。

やっぱりこれが倒し方につながっているのだろう。

そして、俺は念の為にmpポーションを飲んだあと、火素作成(ファイアワークス)を使用したのだった。


この魔法を使用した時、彼らはまた同じような反応をした。

そして、感じる違和感。

だが、まだその正体がつかめない。

なんなんだ?

だが、彼らは()に怯えている。

これは確実だろう。

よし、危ないかもしれないけど、火を蜥蜴人(リザードマン)の方に近づけてみよう。

そして、俺は少しずつ、彼らがいる方に向かっていったのだが、

透『うわあ!』

急に怯えていたはずのあいつらが一斉に俺に向かって攻撃を仕掛けたのである。

なんなんだ、近づいたら攻撃してくるのかよ。

普通、怯えているものが近づいてきたら下がるだろ。

なのに、攻撃。

いや、待てよ。

もし怯えているもの、つまり弱点が()ならまず、シルバーメタルソードの時の鉄火剣、今使っている黒金剛石(ブラックダイヤモンド)重長両手剣(ヘヴィロングバスター)の黒金剛炎剣状態が弱点になるはずである。

つまり、そこから導き出される可能性は

怯えているものは()()()()()ではないということである。

つまり、火、燃えるなどではない、火が発生することにより生じる何かがコイツらの弱点なのだろう。

なんだ、なんなんだ。

落ち着け。

焦って探しても結果は出ない。

冷静になって状況を俯瞰しなくちゃ。

そして、俺はもう一度アイツらと距離を置いた。

俺は一度この火を防具に付与(エンチャント)した。

途端にアイツらは起き上がり俺を倒そうとしてくる。

だが、アイツらが襲ってくる前にこの光景を目に焼き付ける。

だが、少し時間が経つとアイツらはこちらに走り出した。

そうなることなどすでにわかりきっているので、間髪入れずに、

透『火素作成(ファイアワークス)

再度、手に火を宿した。

そして、先程目に焼き付けた光景と、今目に入ってくる光景を比較する。

そこで、気づく。

今とさっきの最も大きな違い。

透『この階層主部屋が明るくなっている………』

そう、この魔法を使ったとき、一時的に周囲が()()()()()()のである。

これがこの魔法を使ったときと使う前の大きな違い。

つまり、おそらく彼らが恐れているものは

透『光?』

自分達を照らすもの、つまり明かりの存在である。

おそらくこれが、彼らが怯えているものの正体だろう。

だが、なぜアイツらはこんなに明かりに怯えているんだ?

ていうか、この階層主部屋って影があるせいで地面が見えにくくて気づかなかったけど、案外、泥だけじゃなくて普通の地面もあるんだな。

影がなくなったおかげである。

そうして、たまたま発見した地面に集中していると、

透『あれ?』

さっきよりもはっきりとした、大きな違和感。

それは蜥蜴人(リザードマン)のいる方の地面を見た時に感じた。

今、俺の明かりの位置的に光を遮るはずの7匹の蜥蜴人(リザードマン)がいる。

本来なら、そいつらの後ろには影ができているはずである。

だが、不思議なことにアイツらの内、とある1匹を除いて、影のある個体はいなかった。

そして、確信する。

やっとわかった。

これが、影がコイツらの弱点なのだと。


明らかに影がないのはおかしい。

そりゃ、全ての個体が影を持たないのであればそういうものだと割り切れたが、1匹だけ影があるという時点でそれが弱点ということは検証の必要もないのである。

そこで俺はその影というヒントを用いて、ある一つの可能性を考えた。

あれは、本体を示すものなのではないか、と。

だから、あの影が伸びている個体を倒せばこの無限増殖地獄から抜け出すことができるのでは?

そして、俺はそいつを倒そうと動いたのだが。

他の蜥蜴人(リザードマン)()()()()()攻撃してきたのである。

やばい!

と思った俺はすぐに後ろに退避した。

幸いまだ俺の背後には蜥蜴人(リザードマン)はいなかったので、どうにかこの攻撃を避けれたのだが……。

あまりに無理ゲーすぎる。

影を持つ個体を守るようにこちらに攻撃してこられると、ほぼ打つ手がないのである。

まあ、全て切り落とそうと思えばできないことはないのだが。

それをしてしまえば、今の壁となっている個体、つまり6匹の蜥蜴人(リザードマン)が分裂してしまい12匹に増えてきてしまう。

そうなると、無理ゲーが加速してしまうのである。

そうなると、また俺はこの階層主から《逃走》しなければならなくなる。

いやだ!

もう逃げたくはない。

ここまできたんだ。

いや、待て!

まだそうなってないし、負けてもない。

負けてもいないのに負けそうな場合とか、《逃走》する未来とか、考えちゃダメだ!

考えるのをやめるな。

どれだけ醜くても格好が悪くても、勝利への道を諦めるな!

アイツらは本体と思われる個体を守るように攻撃してくる。

それが鍵だ。

弱点を見抜かれたと考えたアイツらは俺を倒すではなく、本体を守るという考えにシフトしたはずである。

それは今、こうやって俺が考えている間もアイツらが攻撃する素振りをまったく見せていないことが証明している。

だが、それならなおさら倒すのは困難になりそうだ。

跳重力剣烈(グラビティバスター)………は、ダメそうだな。

これをしたところで、真下にしか攻撃ができな………。

いや、できる。

今まではこの攻撃を回避をメインとして使ってきた。

そして、威力不足をカバーするために高く、真上に跳んでいた。

だけど、今は威力を強化できるスキルがある。

なら、跳ぶ方向は真上にする必要はない。

つまり、横方向でもなんでもいいのである。

そして、本体への攻撃方法がある程度想像できた俺はそれを行動に移す。


俺は走っていた。

ただひたすらに、ある一つのものを目指して走っていた。

蜥蜴人(リザードマン)の本体ではなく木に向かってである。

まあ、木と言っても、アイツらの近くにある木である。

そして、自分達に攻撃してくると思ったアイツらはこちらに向かってきたが。

それすらも予想通りである。

向かってくる、蜥蜴人(リザードマン)の攻撃を無視して木に向かって走る。

そして、跳躍。

木に向かって俺は跳んだ。

そして木を蹴って走った方向とは真逆の方向に進む。

そして、意表を突かれたアイツらは、攻撃対象を失ってしまい、木に突っ込んでいった。

そして、ガラ空きとなった本体に向かって俺は剣を振りかぶる。

本体は反撃ではなく、すぐに退避をしようとしたのだが。

筋力増加(ストレンジブースト)により強化された足で勢いよく木を蹴った勢いが

透『まだ、残ってる!逃すかー!』

その勢いを使って俺は蜥蜴人(リザードマン)の方へ、地面を蹴って肉迫する。

そして、剣を振り下ろした。

そして、その剣は蜥蜴人(リザードマン)を切り落とし、そして、この第三階層階層主戦は終わりを告げた。


本体と思われる個体を倒した瞬間、他の個体も消滅していったのである。

どっと、疲れが襲ってきた。

まじで、疲れた。

今までの戦いとは比べ物にならないレベルで疲れた。

前に大量のツノシシに襲われて、ギリギリ生き残れたときがあったが、あのときよりも疲れた。

多対一。

かなり、いや、とても不利な状況である。

途中から、一撃一撃をするために命をかけなければならないほどである。

だが、生き残った。

今回は、この両手剣、そして、俺を第三階層階層主(かれら)の攻撃から何度も助けてくれた、白ライトアーマーシリーズver.2があったから、この第三階層階層主戦でかちきることができたと思う。

だが、一つ、腑に落ちない点がある。

レベル上昇条件である。

あれは第三階層階層主を一撃で倒すというものである。

最初、1匹しかいなかったとき、あれは確実に本体だったはずである。

なのに、分裂した。

そのときと、今の違いってなんなんだ?

とりあえず、今日はもう混沌の核(ここ)にいるつもりはないので、一度帰ることにした。


俺は一度支配者(マスター)の家に帰り、ご飯を食べたり、少し話したりした後、ずっとそれについて考えていた。

そして、結論を導いた。


朝、俺はすぐに準備をした後昨日、アイツと戦ったあの場所に戻ってきた。

あのとき、1匹だけだったときと、決着が決まったとき。

その違いは火素作成(ファイアワークス)によって、この場を、そして蜥蜴人(リザードマン)を照らして、影を出現させたか否である。

多分、この第三階層階層主の討伐条件は蜥蜴人(リザードマン)の影を発生、または自分がそれを認識した上で影を持つ個体を倒す。

これがこの階層主を倒すために必要なステップだったのだろう。

そう考えると、初見で攻略するのはほぼほぼ不可能な無理ゲーだった。

俺はたまたま影を作れるような、あかりという名のファイアワークス(魔法)があったからたまたま倒せた。

それだけだ。

運が良かっただけである。

そして、俺は火素作成(ファイアワークス)を使って、あかりを作り出そうとしたのだが、一つ見落としていたことがあることを思い出した。

あれ?俺もう第三階層階層主(こいつ)倒してたよな?

と。

つまり、ファイアワークス(スキル)が使用不可になってしまっているかもしれない。

やばい、やばいやばいやばい。

今、俺には火素作成(ファイアワークス)を除いたあかりを持ち合わせていないのだが。

いや、待て待て。

跳重力剣烈(グラビティバスター)の時も、そうだったじゃないか。

そのスキルを使って攻撃をしようとしなければいいだけじゃないか。

火素作成(ファイアワークス)黒金剛石(ブラックダイヤモンド)重長両手剣(ヘヴィロングバスター)付与(エンチャント)せずにずっとその火を手に灯し続ければいいだけである。

ダメだったら、街に行ってあかり系の何かを買えばいいだけである。

そうして俺は《アラガウモノ》の追加効果が発動しないことを信じて

透『火素作成(ファイアワークス)

と唱え手に火を灯したのだった。


そして、今は1匹しかいない相手にその火を向けて、影を出す。

そして、その状態で無理やり両手剣を持って走って蜥蜴人(リザードマン)に対して、重い攻撃をぶつけた。

手に灯っていた火は消えることもなく、彼の手のひらの上で静かに燃え続けていた。


良かった〜。

本当に良かった。

もし、この魔法を使えなかったらいくら買えばいいとはいえ、結構精神的に辛かったからね。

だが、ついにやっと―――

謎の黒い部屋、ニース、ラギの裏切り、変異種(ミューリア)、第三階層階層主―――蜥蜴人(リザードマン)の敗北から始まった《アラガウモノ》の追加効果によるスキルの制限。

本当に疲れるほどいろいろありすぎて大変だった。

だが、先ほどの一撃でついに、この長い長い第三階層階層主討伐を含めた、

第三階層の攻略。

完了である。

そうして、俺は少し素材を集めるために戦った後、ギルドに戻ってステータスを測ってもらうのであった。







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