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異世界転生したのに無双できない  作者: 星野 夜月
第一章ただの始まり
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第一章36 多勢に独り

俺は第三階層階層主にリベンジをしている!


俺の一撃は確かに蜥蜴人(リザードマン)にぶつけたはずだ。

だが、そこにはまだ蜥蜴人(リザードマン)はいた。

それどころか2匹に増えていた。

まあ、ここまで、というか3、4匹程度までは分裂することはわかっている。

だからこれも通過点。

倒すためにはどうしなければならないのか。

いや、今それを考えてもしかたない。

それはそこまで分裂させてから考えるべきだ。

とりあえずできれば同時に攻撃しないでほしい。

そうされてしまったら流石に防御はできないからね。

だが、それは杞憂に終わったようだ。

どうやら一体ずつこちらに向かってきた。

だから、さっきの平手打ちを受け流したときと同じ要領で、攻撃をいなす!

蜥蜴人(リザードマン)『ッ!グギャアア!』

さっきと同じように火花を散らして威力を流し切る。

さっきの時点で転んで、超無防備な状態になることはだいたい予想がついている。

だが、先ほどと違って腕があるからすぐに立ち上がってくるだろう。

だけど、2匹目に対して先ほどのように《コネクトスラッシュ》の一撃目から二撃目に繋げるという攻撃の仕方だったらおそらく倒しきれない。

なら、どうするか。

最初に戦ったときは防具を盾のように使って攻撃を凌ぎながら相手に攻撃をしていたはず。

それで行こう。

前回とは違い、今の俺の防具は白ライトアーマーシリーズver.2で、防御力が上がっているから、あの時よりも受けるダメージもリスクも減っている。

だから!

透はあの時の動きをなぞる。

片手で白ライトアームアーマーを片手で持つ。

流石にこの両手剣を片手で持つのは重いが、気合いで耐える。

まず、相手の平手打ちを白ライトアームアーマーを使って防ぎ、そして、一度白ライトアームアーマーを投げ捨てて、両手剣を両手で持って相手の胴体を真っ二つに断ち切った。

そして、その背後からもう一度先ほど受け流して倒れていたはずの蜥蜴人(リザードマン)がこちらに向かってきた。

だが、俺はそれを受け止めようとはしない。

なぜなら、前回と同じならば今切り捨てた蜥蜴人(リザードマン)は分裂し、2体で倒しにくるはずである。

だからもしここで鍔迫り合いをしてしまうと、その隙に背後から平手打ちでBAD ENDである。

なら、今はまず避けるのが最適解だろう。

そして、俺は横にジャンプして、目の前に迫り来るその手から逃れる。

そして、すかさず俺の方に分裂した2体の蜥蜴人(リザードマン)が迫ってくる。

さあ、ここからだ。

ここまでは前回もたどり着けている。

だが、ここから先のことはまだ俺にはわからない。

まずは、合計4体にまで分裂させてみなければならない。

まず、一番最初に検証するべきなのは分裂できる数に限りがあるのか、ないのか。

これがわからなければ何をしても徒労に終わるだけになる可能性が高いからな。

だからさっきのように、防具を盾のように使って、相手に隙を作らなければならない。

だが、今の敵の総数は3体だからもしかしたら互いが互いに隙をカバーできるかもしれない。

まあ、そのときはそのときである。

今は試しにやってみるのがいいだろう。

そして、蜥蜴人(リザードマン)達はこちらに突撃してくる。

そして、さっきと同じように隙を作ろうとしたのだが。

透『まじかー、そういうことされるとこの戦い方は通用しないんだよなー。』

彼らは俺を囲うように三方向から同時に攻撃をしてきたのである。

挟み撃ちならばまだ対応できたかもしれないが、流石に今の俺に同時に三方向をカバーすることはできない。

仕方ない。

すぐに俺は防具を元の位置にもどし、両手剣を両手で持ち、足に力を込める。

そして

透『ハッ!』

そして、真上に跳んだ。

流石に攻撃する直前で跳んだんだ。

いくら階層主とはいえどもこれには反応できないだろう。

そう思っていたのだが。

透『――ッ!まじかよ。』

3匹の内1匹だけ、俺の足にその手を掠らせた奴がいた。

空中ではまともに身動きが取れないので普通に死ぬかと思った。

だが、掠っただけなので、透に直接的なダメージは入っていない。

そして、彼の行動はただ攻撃を避けるためだけではない。

そして、彼は

跳重力剣烈(グラビティバスター)ァァァァ!』

と大声で叫んだ。


今、俺は空中に跳んでいる。

防具を元の位置に戻す直前。

俺はこの同時攻撃をされた後、どのようにしたら、こいつらに攻撃をかますことができるのかを考えた。

そして、思いついたのが跳重力剣烈(グラビティバスター)である。

奇しくもこの状況は何日か前の15匹くらいのツノシシに同時に襲われたときと似ていた。

確かに数では明らかにあの時より少ないが、驚異度でいえば断然こちらの方が上である。

そして、この攻撃は、俺という獲物を仕留めるために俺を中心に動いている。

そこに一斉に攻撃をするということは、最終的には3匹とも中心に集まっていくということ。

もしかしたら攻撃のタイミングを少しずらされる可能性があったが、そのときはこの戦いはほぼ俺の負けで確定である。

なら、そうならない可能性を信じて、俺は3匹が中心に集まる可能性に賭けた。

そして、その場合威力がもっとも高くなると考えられるのが跳重力剣烈(グラビティバスター)である。

今まで、跳重力剣烈(グラビティバスター)は、跳躍した後、《アラガウモノ》の追加効果により筋力増加(ストレンジブースト)が切れることを前提とした技である。

今までの筋力増加(ストレンジブースト)の役割は上空に跳ぶことだったが、現状スキルの効果は失われない。

だったらあまり意味はないと思うかもしれないが、特段そんなことはない。

ただ滞空時間が延びて、その分攻撃するための準備をする時間、そして、威力も多少上がるだけである。

だが、今は他の《コネクトスラッシュ》などの威力上昇スキルがある。

だが、いくら長く太いこの両手剣とはいえどもそれだけでは流石に3匹を一掃できるわけではない。

まあ、さっきまでは一体でも倒して、分裂させるのが目的だったのだが、この状況では一体を跳重力剣烈(グラビティバスター)で倒してもその後の硬直時間のうちに他の蜥蜴人(リザードマン)に倒されてしまうだろう。

だから《会心刺突》が必要になる。

この攻撃は攻撃対象にぶつかった瞬間衝撃波を放つという効果がある。

だが、これもいずれかの1匹に絞ってしまうと、使っていないときとほぼ同じである。

なので、今から放つ跳重力剣烈(グラビティバスター)は、地面に向かって放つ。

それなら、地面を中心に衝撃波が放たれるから3体とも少しは吹っ飛ぶはずである。

その後は、どれか1匹に向かってもう一度跳重力剣烈(グラビティバスター)でも、普通に切るでもいいから、1匹倒す、というのがこの行動の真意である。

そして俺は

透『跳重力剣烈(グラビティバスター)ァァァァ!』

と、叫びながら地面に向かって刺突をするのだった。


直後、透が剣をついた場所を中心に衝撃波が発生した。

そして、その衝撃波によって3匹の蜥蜴人(リザードマン)は吹き飛ばされた。

俺は吹き飛ばされた3匹の内自分ともっとも距離が近い真後ろの個体に《コネクトスラッシュ》をするのだった。

跳重力剣烈(グラビティバスター)は攻撃をするまでの時間がかかりすぎてしまう。

だからその後の動きにも繋げやすく、攻撃するまでが早い《コネクトスラッシュ》を選んだのである。

そして、この蜥蜴人(リザードマン)を倒したことによりこいつらの総数が4匹となった。

さて、ここからが本番である。

ここからは反撃も難しくなる。

そして奴らは俺に対して攻撃を仕掛けてきた。

だが、俺はもう反撃の隙を窺うどころか防御だけでいっぱいである。

かなり厳しい。

そして何よりも4匹まで分裂してもまったく攻撃力、防御力、機動力が1匹のときとなんら変わらない。

せめて、少しでも弱体化してくれると倒すこちら側としては嬉しいんだけどね。

だが、もうこれで確信していいだろう。

こいつらの分裂には限りがないと。

スライムのように分裂すればするほど弱体化していくのなら総数がある可能性があったのだが、その気配を見せない。

ましてや本体、それかいずれかの1匹がこの前線から離れてみてるとかならそいつが本体でそれを倒せば終わる、とかの希望があったのだけど。

けれどダメなものは仕方ない。

ならば次の作戦である。

本体とか、総数とかじゃない。

弱点がある可能性を探ろう。

狙うとしたら頭、首、心臓、あとはお腹とかかな。

だけど、ただでさえ不利なのにさらに攻撃する場所を絞るのはかなり厳しくなるな。

どうしようかな?

さっきの戦法はもう通じないだろう。

あ!

待てよ。

急所に攻撃を決められたらそれで全員灰となって消えるんじゃね?

そしたら後のことも考えなくていいじゃん。

まずは頭を狙ってみよう。

おそらく、今から狙うべき部位の中で一番狙いやすい部位だろう。

そして、俺は跳躍をしようとし―――たのだが。

透『あ!黒金剛炎剣じゃなくなってる。』

そう、付与(エンチャント)していた火が消えてしまったようだ。

後、筋力増加(ストレンジブースト)も切れていたようだ。

まあ、それならもう一回つけ直すだけなのだけど。

透『筋力増加(ストレンジブースト)火素作成(ファイアワークス)(エン)―――』

俺の筋力を上げた後。

すぐに手のひらに火を生成した。

そして、その火が周りを明るく照らした。

そのときだったのである。

4匹の蜥蜴人(リザードマン)の内、1匹が明らかな動揺を見せたのである。

なぜだろう?

俺がさっき黒金剛炎剣にするときに火素作成(ファイアワークス)を使ったときはなんともなかったのに。

変だなあー。

まあ、今はそれどころではないからな。

すぐに俺は手のひらで燃え輝いている火を俺の黒金剛石(ブラックダイヤモンド)重長両手剣(ヘヴィロングバスター)

透『付与(エンチャント)

したのだった。


そして、準備を終わらせた俺は再度跳躍をする。

さっきの動きをなぞるだけの簡単なお仕事である。

まあ、一つ違うところがあるがな。

地面ではなく頭を狙うというところ。

だが、言ってもそれだけである。

スキルによって攻撃の精度がかなり上がっているから、多分心配するほどではないだろうけどね。

そして、落下する段階に入る。

俺はそいつに攻撃するために剣を構える。

そして

透『会心(クリティカル)跳重力剣烈(グラビティバスター)!』

会心刺突を使用した跳重力剣烈(グラビティバスター)だからこの名前である。

そして、俺の持つ両手剣は的確に蜥蜴人(リザードマン)の頭に突き刺さり、そいつを撃破した。

だが、その攻撃が成功したことによる喜びにひたる暇もなく、背後から平手打ちが襲ってきたのである。

なんなんだよ。

調子に乗るなっていうのかよ。

だが、これで一つ分かったことがある。

頭は弱点ではない。

それは今ので確定かなあー。

次はどこを狙うべきだろう?

お腹はもう今まで倒す時に散々攻撃してるから実質確かめる必要はない。

となると、次は首を狙うのが妥当だろう。


先程の俺の攻撃により蜥蜴人(リザードマン)は、総数が5匹まで増えている。

流石に今の俺では捌き切るのは困難である。

だから、次第にこいつらの攻撃が防げなくなってきた。

いくら《ディフェンスレートアップ》を発動しているとはいえ、確率が0パーセントなら、2倍をしても0パーセントである。

相手の攻撃が直接ぶつけられてしまう。

だが、少しの衝撃しか感じない。

それはもちろん、支配者(マスター)の作ってくれた白ライトアーマーシリーズver.2のおかげてある。

まだ、この防具の防御性能を試したことはなかった。

まさか、ここでこの防具の防御性能がわかることになるとは。

ほんとに素晴らしい防御力である。

それのおかげで最低限のダメージで済んでいる。

そしてまだ、動きは鈍っていない。

もし、今俺が元の白ライトアーマーシリーズだったら今頃死にかけ………いや、もうすでに死んでいるのかもしれない。

俺はここにはいない、支配者(マスター)に感謝をしたあと、活路を見出す。


この防具の防御力なら、もしかしたら防御せずとも突っ込めるのではないか?

そう思った。

そして、迷いもなく俺はすぐにそれを実行に移した。

実際、今の俺はかなり限界に近いのでここで戸惑う意味もないのだけど。

俺は狙いを1匹に絞り、すぐにそいつに向かって走り出す。

途端にその1匹はこちらに向かって走り出した。

だが、それより早く他の4匹が俺に平手打ちを仕掛ける。

だが、

透『それも予想済みなんだよ!』

そう叫ぶなり透は、最初の1匹の平手打ちをギリギリで避ける。

本来もっと余裕を持って回避することができるのだが、それをしてしまうと、今来ている2匹目の平手打ちを回避不能になってしまう。

だからギリギリで回避したのである。

そして、今来ている2匹目の平手打ちを俺はアームアーマーを使って受け止める。

少し重い衝撃が来たが、気にするほどではない。

そして、無理矢理俺は蜥蜴人(リザードマン)を押し除ける。

筋力増加(ストレンジブースト)のおかげだろう。

普段の俺ではどうにもならなかっただろう。

そして、3匹目もアームアーマーを使用して、迫り来る平手打ちを無理矢理押し返す。

来た!

3匹までどうにか掻い潜れた!

危ねえ。

そして、最後の1匹。

これは回避しない、攻撃を受け流すだけでいい。

何よりそうしないと狙った1匹を攻撃できないからね!

そして、俺は両手剣を使い、蜥蜴人(リザードマン)の攻撃を受け流した。

そして。

最後の1匹!

俺は両手剣を振りかぶり、

迫り来る平手打ちもろとも、首を斬れるような勢いで剣を振った。

そしてその剣は火の軌跡を描きながら首にたどり着いた。



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