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パーティーナイト その八

  『神生(じんせい)ゲーム』。今話題のすごろくゲーム。今宵、美神(みかみ)家の四人兄弟である千草(ちぐさ)桃華(とうか)紬希(つむぎ)兎作(うさく)、そして母の冬柚(ふゆ)が挑戦し、幼神期(ようしんき)フェーズ、青年期(せいねんき)フェーズが終わり現在このゲーム難所と言われる成神期(せいじんき)フェーズへと舞台は移った。桃華と兎作が脱落した一ターン目、何事もなく終えた二ターン目、そして現在千草が脱落した三ターン目と舞台は移り、紬希のターンとなった。


———

海を司る神(あなた)の神域内にて幼き神によって津波が発生した。沖が近いため、このままでは確実に被害者が出ることだろう。沖周辺の人たちは海を司る神(あなた)への信仰が深く、良くしてもらっている。しかし、あなたの神力は不安定である。さて、あなたならどうする?


一、神力を使い波を操る

二、見守る

———


今回の問題は先程のような入力するものとは違い、いつもの選択問題であった。それに加え、この問題はあまりにも露骨に答えを主張している。信仰が深いや、良くしてもらっているなど答えに誘導しているようにしか思えない。そのため、この問題が出題されたプレイヤーは人間の(さが)なのだろうか、逆張りをしてしまう。結果、多くの死傷者を出しエンディングへ行ってしまう。しかしこの問題、二を選択すると確実にエンディング行きだが、一を選んだとしても神力が不安定なため運ゲーへと変わる。運を味方につけ成功するのか、はたまた二を選択し運ゲーにすらしないのか。紬希の判断は如何に。


「今回は入力しないんだね」

「ラッキー…?なのかな?」


でも明らかに一は引っ掛けじゃない?と桃華が言い、それに対し千草や兎作は頷く。やはり多くの人は疑うのだろう。しかし一人、否。二人だけは一が答えだと主張した。


「いや、文の後半ばっか見てるせいで見逃してるけど、この津波の原因は幼き神によるものって書いてあるよ。神のせいで生者が死ぬことは許されないよね?」


そう。後半の誘導によって多くのプレイヤーは見逃しているが、この問題の始めには津波の原因が幼き神によるものと明記されているのだ。


「どれだけ不安定な神力だとしても幼き神の失態は成神の僕が拭わないと」

「なんか本物の神様みたいだね、紬希」


そうかな、なんて照れる紬希は一を選択した。しかし先程も言った通り、一を選択したとしても結局は運ゲーとなってしまう。紬希は運を手に入れるのか…。


———

失敗


波を完全に鎮めることができず死傷者が出てしまった。しかし『あの大きな波で死傷者がこれだけなのは奇跡だ』と信仰が止まることはなかった。あなたは神を降りることになったがあなたの代わりとなる神への信仰は続くことだろう。

———


「やっぱり運ゲーになったか」

「でも選択は間違ってなかったっぽいね」

「すごいじゃん」


ありがとう、と照れつつ悔しそうな顔をする紬希に冬柚が声をかける。


「運ゲーまで持っていったから十分よ。もしこれがゲームじゃなくて本当に神様だったら運じゃなく実力勝負だったろうから成功していたかもね。あなたに継ぐ神も安心して仕事ができるだろうね」


この問題は運ゲーになるのかならないのか。運を手にするのかしないのか。しかし本当にこのゲームは運ゲーなのだろうか。成神フェーズに入ってほんの三ターンで四人の脱落者を出している。選択ミスからこのような運で試されるような形で残りプレイヤーを一人まで追い詰めている。あまりに信仰速度が早すぎるのである。


「ネットで神生ゲームのこと調べてるんだけど…」


唐突に兎作がそう言い、全員が何?、どうしたの?と兎作に注目する。


「脱落者出るスピードが早いなって思って調べてたら、こんなコメント見つけたの」


SNSで気になるコメントがあったとスマホをみんなに見せる。


———

『何周もしてるんだけど一生五ターン目に行けない』

『四ターン目で脱落してる人多くない?』

『同じ選択問題でずっと(つまず)いている、助けて』

———


そのコメントには兎作と似た疑問を持ったプレイヤーたちが問いかけていた。五ターン目、それは今五人がプレイしている三ターン目の二ターン先。つまりこの問題を解ければ四ターン目に行くことができるがそこでほぼ、否、全てのプレイヤーが脱落しているというのだ。


「みんな入力問題でミスってるのかな?」

「それにしたってじゃない?」

「なにか裏がありそう…」


全員が口々に言う。取り敢えずゲームを進めればわかること、と三ターン目最後のプレイヤー冬柚のターンを攻略することにする。


———

死者を司る神(あなた)の元に一つの魂が迷い込んだ。体は保っておらず、もやもやとした形をしている。その魂は何かがぶつぶつと呟いていることに気づいたあなたは耳を傾ける。『—す…。——してやる。絶対許さない。痛い…痛いよ…。もうやだ…』始めは殺気めいていたが徐々に鼻を啜る音が聞こえ涙を流していることに気づく。さて、あなたの次の行動は?


『 回答を入力しろ 』

———


やはり今回の問題も入力タイプになっており、選択肢が無限となった。さて、冬柚はどう解釈しどう答えるのだろうか。

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