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パーティーナイト その四

 『神生(じんせい)ゲーム』。今話題のすごろくゲーム。今宵、美神(みかみ)家の四人兄弟である千草(ちぐさ)桃華(とうか)紬希(つむぎ)兎作(うさく)、そして母の冬柚(ふゆ)が挑戦し、幼神期(ようしんき)フェーズ、青年期(せいねんき)フェーズが終わり現在このゲーム難所と言われる成神期(せいじんき)フェーズへと舞台は移った。


 このフェーズでは前のフェーズで身につけた(スキル)を駆使し、神の仕事をこなしていく。基本的にはマスに止まると神に合わせた選択問題が出題される。選択肢は二択から四択まであり、ランダムで与えられる。ただの選択問題であれば最悪運で正解することができる。では何が多くのプレイヤーを悩ませるのか。それは選択問題の他に自分で答えを書くタイプの問題が出るというところだ。問題に合わせて次の自分の言動を答えなければいけない場合がある。そのような場合、選択肢は無限に広がる。基本今までに身につけた術から次の言動を決めるのだが、成神期フェーズでも新たな術が身につくため、後半になればなるほど、難易度はどんどんと上がっていく。さて、これがこのゲーム最難関と言われるフェーズの説明だ。


フェーズ説明をされた五人からはワクワクする顔や唖然とする者など様々な表情が伺える。フェーズ説明も終わり千草のターンとなった。サイコロを振り、出たマスへと進むと問題が出された。


———

縁結びの神(あなた)のもとへある男女が訪れた。女性の方は絵馬を書き始め、気になりその絵馬を覗き込んだ。『この人繋がれますように。』そう書いてあった。この時点で女性は男性に好意があるとわかる。一方男性は神社に興味がないのか女性の近くをただうろうろとしているだけだった。さてあなたの次の行動は?


一、男女の距離を近づけるきっかけをつくる

二、男女を見守る

———


千草がこの問題について考えていると隣から、かわいいー、と言う桃華の声が聞こえた。


「かわいい?何が?」

「え、だって絵馬を書くってことは神頼みなんでしょ?最近の子はなかなかやらないよ。なんか初々しいなって」


漫画では最近見る機会が減った、そう桃華は言う。基本桃華の情報源は漫画からなので現実では違うのかもしれないが、それでもこの家で一番と言って良いほど流行に敏感な桃華が言うならと千草は関心した。


「それはそうとして、ちぐ(にい)ならどっちを選ぶの?」

「ああ、そうだった。うーん、二かな」


感心している千草に声をかけると千草は、男女を見守る、という選択肢を選んだ。なぜ、と聞くと、男性の願いを聞いていないから、と答え二を選択した。画面には『成功』という文字が現れた。


———

願いが他の人にも影響があるのなら、願いが重なったときに影響を与えるべし。

———


つまり、恋愛などの一方的な願いは相手も同じことを願わなければ我々は干渉してはならないというわけだ。この場合、千草も言っていたが男性の願いは聞いていないため、女性の一方的な思いという判定で干渉は許されなかった。


「こんな感じなのか、これくらいなら解けたけど不安だな」


問題の雰囲気を掴み始めた五人。次は桃華のターンへと移った。

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