3話目 お節介なおっさん3
次の日。
昨日は色々とあったが、夜も遅く朝も早かったので少し話を聞いてから就寝した。
おっさんが言うには自分は悪い霊ではない、私を助けようとしてくれているらしい、これだけ聞くとあまりにも胡散臭い…。しかし詳しく話を聞くと、私達生きてる人と違い、この家は霊から見ると暗いモヤモヤした煙みたいなものが見えるというのだ。
これを見て何かしら人では無い者が寄ってくる、そう、昨日現れたおっさんのような存在だ。それを聞いた私は流石に不安になった。
しかしその原因をおっさんは調べてくれるらしい、怪しい話だが私はその話を信じることにした、そして私はこれからの事を思い巡らす。
とりあえず出勤の準備をしよう、壁にかけられたスーツを手に取り袖に腕を通す。着替えを済ませ下に降りる。
そこにはキッチンで朝食を作る妻、リビングにはニュースの流れるテレビ、それをソファーに横になりながら観るおっさんがいた。
「こんなところでなにしてるんですか!?」
思わず口に出してしまった、それを自分が言われたと勘違いした妻が不機嫌そうに文句を言ってくる。
「見たらわかるでしょ!食事の準備してるの!!」
妻にすぐに謝る、それを見ておっさんは笑っていた。
「何してんねん。」
楽しそうにしているおっさんを見て、それはこっちのセリフだと思った。
妻を落ち着かせておっさんの隣に座る。少し疑問を感じていたことを聞いてみた。
「あの、昨日も言ってましたが原因を調べるってどうやって調べるんですか?」
「ワシは探偵じゃないんやからわからん。」
予想外の答えがかえってきた、不安そうな私を見て更に話を続ける。
「そない不安そうな顔すんな、調べてもわからんが見たらわかんねん。」
駄目だ、このおっさんがなにを言っているのかわからない…。
「まぁわからへんか、説明した思うけどワシらには良くない空気、負の感情的なもんが見えんねん、それで原因を調べるんや。」
なるほど、何となくは理解出来た。そのまま少し話をして、朝食をとったらあっという間に時間だ。
「あとはワシに任せてさっさと行け、気をつけるんやで。」
何とも言えない気持ちがわいてくるがここは仕方がない。
「あとはよろしくお願いします。」
そう言うと私は鞄を手に取り家をあとにした。