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8.勇者、語る

「お前……」


「アキラ」


 名前を訂正するアキラにカイはこほん、と小さく咳払いをした。


「アキラ、お前は生まれるとき、預言者に『魔王になる』と託宣を受けた、そうだな」


「生まれる前って方が正しいけどな。『この子は魔王となって世を滅ぼす』とそう言われたらしいぜ。なんの冗談なんだかな」


「私の母も同じように託宣を受けた」


「……は?」


 カイの言葉にアキラは思わず振り向いた。


 こちらが気まずくなるような真っ直ぐな目でカイはアキラを見つめていた。


「……なんだって?」


「『この子は魔王を倒す救国の勇者になる』と旅の預言者は私を見るなりそう言ったそうだ」


「……ゆうしゃ」


「勇者、だ」


 真の抜けた声で言うアキラを静かな声で訂正し、カイは傍らの剣を手に取った。


「私の生まれたのは小さな山間の村だったがみな信心深く、特に私の母は敬虔な神の司徒だ。村の皆は私が立派な勇者として旅立てるように、全力で私を鍛えてくれた」


「村全員が全力で……」


 想像するだに恐ろしく、アキラはげっとした顔になった。


「生まれてすぐ私は親元から離され、山に住む隠者に預けられた。隠者はその昔冒険者として名を馳せた戦士で、まだ幼い私に剣術や体術を叩き込んでくださった」


「叩き込んで……」


 何やら遠い目で剣を水平に持って見つめているカイ。


「そして晴れて十五になった私は、村人の期待を一身に背負って村を出たのだ」

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