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妖精族作成の会話記録

『ドラゴンとは、魔王軍も中々面白いところを突きましたね。戦線がにっちもさっちもいかなくなったから、別方面で活路を見出そうとするのは、典型的な負け戦なのですが、自覚はあるのでしょうかね?』


馬鹿

『ドラゴン族にこちらが出した使者は?』


『追い返されたようですよ。偉大なるドラゴンの領域は、自らの手で守れる。だそうです』


馬鹿

『随分と排他的だな』


『昔からこんなものですよ。頂点だからこそ他を必要としない。そういう生き方をずっと続けているんですから。まあ、邪なるドラゴンは例外ですけど』


馬鹿

『そのせいで外部に鈍感すぎる』


『仰る通り。意志ある破滅、魔王が現れても他人事なのは感心しますね。何があっても自分達が生き残れると思うのは勝手ですが、四天王を考えると……まあ無理でしょう』


馬鹿

『やはりそうなるか』


『ええ。ドラゴン達が強いのは正しい。ですが貴方が邪龍を落とせるように、決して無敵の存在ではありませんからね。言ってしまえば種としての平均値が頂点というだけで、凌駕している存在は普通にいます。おっと、貴方は自称人間ですので、人種の平均値には関与していませんから』


馬鹿

『なにも聞いてない』


『それは失礼しましたが、何事も例外というものを設けないと、よく分からないことになることを教えていただいた代わりに、色々説明しようと思いまして』


超々大馬鹿野郎

『暫く現実を否定するよりは建設的だ』


『ああそうだな! 概念に片足突っ込んでる化け物を撲殺する勇者を否定するより、よっぽど建設的だよ! いいことを教えてくれてどうも!』


馬鹿

『少しは頭が柔らかくなってなによりだ』


『こ、こいつー……! 妖精族に伝わる秘伝技を喰らわせてやりたい……!』


馬鹿

『聞いたことがあるな。相手を立っていられない程、笑わせる悪戯のことか?』


『ごほん。ええ、その通り。私くらいになれば、直撃すれば四天王でも動けなくなるでしょう』


馬鹿

『なぜ使わない?』


『力の集中に半日は必要です』


馬鹿

『……それは難しいな』


『でしょうね。貴方は……』


馬鹿

『半日あれば次の戦場に行ける』


『半日あれば次の戦場に行ける。思った通り、言いやがった』


いえええええい! やってやったぜ!

『……四天王。あの連中、次から次へと出てくるのは感心する』


『私も流しましょう。流石に四天王の質は落ちていますがね』


馬鹿

『初代を纏めて排除できたのは運がよかった』


『貴方に関する情報がない最初期、いきなり奇襲された初代四天王には心底同情しますが、それでも普通に勝負を繰り広げたのは心底ゾッとします。初見の勇者を相手取って、かなり手古摺らせたんだぞと、後輩達に自慢しているでしょうか?』


馬鹿

『死後のことなど知らんが、間違いなく強かった』


『ええ、そうでしょうとも。恐らく数十年後にあの戦場は湖になる。そして貴方が魔王に勝つまで、初代四天王の撃破は最も偉大な戦果と言えるでしょう。全員が神話の怪物。神々すら取り逃がしてしまった化け物達なのですから』


天然

『なに? 神話から生きてたのか?』


『なんで襲い掛かったてめえが知らねえんだよ! まさかお前の方も事前知識なしだったのか⁉ 初見対初見⁉』


馬鹿

『文字の読み書きができるだけでも上等な場所に、古代の文献などない』


『そ、そうだった……それでよく挑みましたね』


大馬鹿

『為せば成る』


『頭痛くなってきた……明日は休暇を貰おう……』


馬鹿

『そんな暇はない』


『ええ、そうでしょうよ。貴方が年がら年中戦い続けてるから、魔王軍だって泣きが入ってるんですから』


馬鹿

『泣くは言い過ぎだろう』


『いいえ。いいえ。断じていいえ。一日たりとも休まず、どんな嵐がやって来ても奇襲のチャンスと捉え、綻びを決して見逃さず、大将首を確実に仕留め、戦って戦って戦い続けて、絶対に、絶対に、絶対に勝利する。断言しましょう。暗黒の軍勢から見た貴方は理解不能な怪物に等しい。戦神達がなんとしてでも貴方を神の座に座らそうとする筈です。今、まさに永遠の神話が完成しかけている』


馬鹿

『興味がない。不変でないからこそ、生きているから戦えるのだ』


『それでこそですね……偵察妖精隊の情報網が更新され、確認が取れました。魔軍六万がドラゴン領に向け進軍を開始。新たな魔軍四天王も確認されたようです』


馬鹿

『そうか。それにしても遠くの情報がすぐ伝わるのは便利なものだ。なんと言ったか……』


『妖精族が悪戯するときに使う伝言板みたいなものですよ。他の種族は掲示板と言って改造しましたが、神の手伝いがあるからこその技術です。戦後はコスト面の問題から維持は不可能でしょう』


馬鹿

『なるほどな。しかしそれでも、その技術を齎した妖精族の功績は第一だろう』


『貴方がそれを言いますか……まあいいでしょう。軍の準備も完了したようです』


馬鹿

『分かった。行くとしよう』


兵士達

『勇者様!』

『英雄殿!』

『光の守護者!』

『命の盾!』

『偉大なる者!』

『勝利を!』

『勝利を勝利を勝利を!』


勇者

『難しいことはいい。次の命のために、出撃』


兵士達

『オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!』

割と筆が乗ってるので、ご評価していただけると泣くほどうれしいです(小声)

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― 新着の感想 ―
どんな世界でも名もなき英雄と第一の存在と可哀ソウは永遠の腐れ縁 ……そういやどっかの婆さんも「長子≒第一子」だけどあの婆さんはなんか概念的にオンリーワンですよね、 他作品に同位体が居ない気がするw
別スレ 人類怖い 何が怖いってあいつ等追い詰めたら化け物出て来るんだもん ???「わかる」 ???「わかる」 ???「わかる」 タコ「わかる」 軍曹「わかる」
休暇0なのか・・・・・やはりココはお約束の軍僧可哀僧( ; ; )
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