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5話 適性検査

「あ、そうだ。」


「なんだオッサン。」


「ミズホの部屋だがな、宿舎に空きがないから、俺と相部屋だ。」


 うわ。むさっ。オッサンと共同生活かよ。まぁ慣れてるっちゃ、慣れてるから別に良いが。


「それで、明日の訓練に関係するんだが、ミズホの適性を見ておこうと思ってな。」


 待ってました。


「で、どうやって見るんだ?」


「ミズホの唾液とか、血とか、皮膚とか、髪の毛とか、爪とか、とにかく体の一部を測定器に入れるだけだ。簡単だろ?」


 あやしい儀式?


「おい、露骨に嫌そうな顔をするな。」


 血とか髪の毛とか、どう考えても眉唾物だろうが。…まぁ魔法も十分眉唾物だが。


「良いから行くぞ。引っ張ってでも連れていくからな。」


「えー。」




━━━━━━━━━━━━


 オッサンに引き摺られ、宿舎裏にある訓練施設棟に連れてこられた。

 宿舎もなかなかの大きさだったが、訓練施設棟はさらに大きい。多目的に作られている、とオッサンは言ってたが。


「大き過ぎないか?」


「宿舎もそうだが、魔法兵士隊だけが使ってる訳じゃないんだぞ。騎士隊、魔法士隊、近衛隊、王城警備隊全部が使うんだ。ここの宿舎と訓練施設棟はまだ小さい部類だ。」


「他にも同じようなのがあるのか?」


「言ってなかったか?ここより規模が大きい施設があと3つあるぞ。」


「オッサン、もしかして肩身狭いのか?」


「なんでそうなる!」


 だって、なぁ。


「隊長なのに一番小さい施設って。いじめられてんのか?」


 泣けてくるなぁ。


「違う!総隊長と副隊長、あと分隊長とそれらが認めた小隊長が一ヶ所に集められてるんだよ。」


「普通そういうやからは分散させないか?訓練の時都合悪いだろ?。」


「逆だ。強さが段違いすぎて別棟のやつらと一緒にやると死人が出かねん。」


「死人?大袈裟だな。じゃあ別棟に教官をする上司はいないのか?」


「この棟にいない小隊長とその下に就く班長がやっている。」


 わからん。隊長なり副隊長なり、実力のある奴が指導した方が絶対にいい筈だ。


「俺はどこで訓練するんだ?やっぱり…」


「ここに決まってるだろ。陛下ご自身が直接俺に降された勅命だ。俺が手ずから育てる他無いだろ?」


 だと思った。なんだよマフィア神が言えばちゃんと格下でも訓練するんじゃないか。


「オッサン、殺さないでくれよ。」


「はっはっはっ」



 白々しい。



『あの。』


 誰だ?後ろから美人っぽい声がしたぞ。



『物凄い邪魔。さっさとどいてくれる?』


 訂正声だけ美人。


「すまない。見習いに説明してたら夢中になってた。これから訓練か?」


「ええ。でも相手がいないからどうしようかと思っていたの。どこかに魔法が上手くてガタイのいい総隊長でもいればいいんだけど。」


 オッサンが冷や汗をかきならが振り向き話しかけた。オッサンが振り向いたから俺も振り向くべきだよなぁ。


 声だけ美人。改め、声と顔美人


「オッサン。」


「なんだ?」


「この声と顔だけ美人は誰だ?」


「…俺の部下だ。」


 部下に冷や汗かくなよ。


「サラ=シエルリングよ。見習いの分際でここに来るなんて頭大丈夫?わいてない?」


「オッサン。」


「なんだ。」


「中入ろうか。」


「待てミズホ。関わりたくないのは分かる。だがな、名前聞いておいて、名乗らないのは余計に面倒になるぞ。」


 仕方ないか


「ミズホ=ワカウチ。今日から魔法兵士見習いとして配属されたっぽい。」


「だっさい名前。」


 そう言ってサラは訓練施設に入っていった。


「何者?」


「魔法兵士隊第2分隊長。」


「きっついなぁ。もしかして、あんな奴ばっかりか?」


「適性みるぞー。早く入れー。」



 答えろや



━━━━━━━━━━━━


 オッサンに『訓練準備室』なるところに連れてこられた。準備室って言う割りには埃っぽくない。まめに掃除しているんだろうな。


「これが適性検査瓶。これに唾液、血液、皮膚、髪、爪を入れるだけでどの魔法に適性が有るか分かる優れ物だ。」


 デデンと並べられた4つの小瓶。形はまるっきりタバスコの瓶だ。



「まずは、そうだな。火からやってみるか。髪の毛貰うぞ。」


 プチンと俺の髪の毛を抜くオッサン。ハゲるだろうが。


「入れたらどうなるんだ?」


「適性があったら瓶の口に火が灯る。」


 そう言ってオッサンは瓶の口から髪の毛を入れる。




「火、つかないじゃないか。」


「火には適性が無かったようだな。」


 いきなりかよ。火が良かったなぁ。


「まぁ、まだ風がある。髪の毛貰うぞ。」


 またもやプチンと抜かれる。ハゲ散らかるだろうが。


「今度はどうなるんだ?」


「瓶の口から風が吹く。」






「おい、オッサン。」


「な、なんだ?」


「壊れてる?」


「そんなことない…とは思うんだが。」


 オッサンは自分の髪の毛を風と火、両方の瓶に入れる。

 ポッと火が灯り、ヒュッと風が吹く。


「壊れてないな…」


 というよりオッサン。両方に適性有るのかよ。


「念のため、水と地。やっておこうか。」


 そう言ってまたもやプチンプチンと俺の髪の毛を抜くオッサン。将来がちょっと心配だ。


「水と地はどうなるんだ?」


「水は瓶の底に水が溜まる。地は瓶の底に砂が出来る。」




「水、貯まったな。」


「砂、出来てるな。」



「確か魔法兵士って火と風のどっちかに適性が無いとなれないんだよな?」


「ちょっと陛下に会ってくる。ミズホは部屋に戻ってろ。」



 そう言い残してオッサンは走り去った。






もしや、いきなり解雇の危機?

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