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4話 魔法と魔法兵士

「いろいれ聞きたい事もあるだろうが、まずは『俺の』世界にようこそ。と言っておこうか。」


 マフィアっぽくない神が言った。スーツを着ていないと、ただのイケメンじゃないか。イケメン反対!



「あなた、神ですよね?」


「おう。神ぞ。」


「そして、国王でもあると。」


「おう。国王ぞ。」


「一から説明をお願い申し上げます。私の頭では処理しかねます。」


「神としてこの国を作った。そして、国王として君臨している。簡単だろ。」


 代替わりとかどうするんだろうか。もしや国民は、王が神様って知っているのか?


「国民は、あなたが神であると言うことを知っているのですか?」


「知っているわけ無いだろ?知られるとまずいって訳ではないんだが、建国以来隠してきたんだ。今更言えねぇよ。恥ずかしい。」


 恥ずかしいから言えないのかよ。バカじゃないの?


「代替わりはどうなさるのですか?ずっと同じ方が在位なさっているのは、不都合があるのでは?」


「まず嫁さん作るだろ、子供生まれるだろ、んで、その子供は俺の片割れ。俺の片割れが後を継いで、俺が死ねば、片割れが俺になる。つまり、一時期俺が二人いることになるな。」


 気持ち悪!


「大変、気持ち悪いことですね。」


「丁寧に喋れば何言っても良いって訳じゃないぞ?」

「失礼しました。」


 これでもオブラートに包んだのに。


「まぁ俺の話はここら辺にしておこう。お前…ミズホのこれからの話に移りたいんだが。」


 願ってもないことだ。指針を出してくれるなら右往左往したくて済む。


「はい。お願いします。」


「まずミズホにはパック隊長の下で魔法兵見習いとして、この国に遣えてもらう。」


「魔法兵見習いですか?」


「おう。うちのエリート部隊だ。」


 魔法兵?魔法が使える兵士かな?

 魔法!?


「魔法あるの!?!俺に魔法を使えと!?」


「魔法はこの世界にいる人間なら全員使えるぞ?例外はなし。ミズホもこっちに引っ越して来たときから使えるようになってるぞ。」


 ファンタジーだ。


「それなら、魔法兵がエリートである意義が無いと思うのですが。魔法が特別でないなら、何も魔法に特化しなくても。」


「戦いに使える魔法のエリート。と言えばいいか。魔法と言ってもな、全部が全部戦いに使える訳じゃない。ほとんどの人が魔法を生活を豊かにするために使っている。ミズホの世界の電化製品?のようなものだ。」


 もしや俺は特別な魔法が使えるのか?神に選ばれた位だ。派手な魔法が使えるに違いない。


「詳しい魔法の話はパック隊長に聞け。あいつは魔法に関しては、作り出した俺には劣るが、超の付くほどの実力者だ。」


 オッサンすごいな。神に認められてるよ。


「パック隊長!入れ。居るのだろう?」


「失礼します。」


 オッサンが呼ばれ、部屋に入って来た。多少照れているように見受けられる。盗み聞きしてたな。いいのか、神?


「オッサン、どこから聞いてた?」


「な、なにも聞いてないよ?」


「パック隊長はさっき着いたばっかりだ。せいぜい『超の付く実力者』あたりではないか?」


「恥ずかしながら。このような形で、王からお褒めの言葉を頂くとは思いもよりませんでした。」


「まぁ盗み聞きくらい別にいい。あらかた察しているとは思うが、ミズホを魔法兵見習いとしてパック隊長自ら鍛え上げて欲しい。」


「はい。神が遣わせた者です。素晴らしい素質を持っていることでしょう。全身全霊を懸けて、素晴らしい魔法兵にして見せましょう。」


 やっぱり俺には魔法の才能あるのか?


「あ、あぁ、ま、いっか。」


 なんだよ元マフィア神。はっきり喋れ。


「ミズホも疲れているだろう。訓練は明日から始めるとして、今日のところは休ませてやれ。」


「はっ。失礼しました。」

 着いてこいと言わんばかりに俺へ視線を向ける。


「失礼しました。」


「おう。また呼ぶからな。」




━━━━━━━━━━━━



「ミズホが部下か。苦労しそうだ。」


 宿舎のオッサンの部屋に戻り、オッサンが話始めた。


「本格的な訓練は明日からと言われているしな、どうする?」


 どうする?と言われても、魔法なんて知らないからな。こっちがどうする?って聞きたいくらいだ。


 そうだ、聞けば良いんだ。


「なぁ、魔法って一体なんなんだ?人間は全員が使えるって、か…王が言ってたが。」


「その通りだ。人間は必ず何らかの魔法的な素質を持っている。その素質によって、魔法兵になれるかが決まる。」


「素質が開花しない事は無いのか?」


「無い。大昔はあったようだがな、今は生活のすべてに魔法が使われていると言って良いほど魔法が溢れている。素質は魔法的な物に触れる時間が多いほど開花し易くなる。それに素質を引き出す魔法もあるからな。適性があるけど、開花してない魔法兵候補は、その魔法で開花させる。」



「もしかして、俺にもかけるのか?その魔法。」


「明日かけるぞ。」


 やっぱり


「痛くない?」


「ちょっと圧迫感がある位だ。痛くは無いぞ。」


 なら安心だ。無理矢理こじ開けるって感じのニュアンスだったからな。よかったよかった。


「あと、魔法兵の適性ってなんだ?」


「ああ、簡単に言うと、どの魔法と相性が良いか。だな。」


 分からん。


「詳しく。」


「ああ。魔法兵は戦闘用の魔法の達人だ。」


「それは王から聞いた。」

「そうか。それで、戦闘に使える魔法は限られていてな、火に属する魔法と風に属する魔法の適性がある者だけが魔法兵になれる。」


 やっぱり属性があるんだな。


「他の、火と風以外の属性は何があるんだ?」


「地と水だな。2つとも戦闘にはあまり向いてない。だが、生活には欠かせない魔法だ。」


「光とか闇とかは無いのか?」


「光と闇は、両方とも火の派生だ。光は光源が無いと存在しない。火を光源として存在させる。同じように闇は、光があるから闇という概念が生まれる。」


 火、カッコいい。良いね火。是非とも使いたい。


「オッサン詳しいな。見直したぞ。」


「隊長だぞ、俺は。」


 さすが、神が誉める実力者。




とにもかくにも、火の魔法。使ってみたいもんだ。

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