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僕は見てしまった

2020年11月より、この作品をベースに、大幅に推敲し直した作品の投稿を始めました。

貴女を守りたい!【少年探偵団の事件簿】


こちらも合わせて、宜しくお願いいたします。

 僕は二階の窓から外を見ていた。僕の子供部屋からは表の通りが見える。向かいの家には六年生の孝一お兄ちゃんが住んでいる。近所でサッカーボールを蹴って遊ぶときは、いつもお兄ちゃんが中心になる。孝一お兄ちゃんの妹は理香ちゃん。僕より一つ下の四年生。この間、家で飼っている猫のアケミを見せてくれた。僕の家でも、猫を飼ってくれないかなと思う。ずいぶん前に、僕は猫が飼いたいと言ってみたけれど、お父さんは「動物は死んでしまうから駄目だ」と言った。目の前の道路でラケットを振っているのは左隣に住む西村お姉さん。中学校二年生でクラブはテニス部に入っているそうだ。


「何を見てるの、ヒロ君」


 僕は話しかけられてびっくりした。思わず隠れようかと思ったけれど、目が合ってしまい。動けなくなってしまった。


「別に」


 西村お姉さんとは一緒に遊んだことはない。近寄りがたいというか、僕は真っすぐにお姉さんを見ることが出来ない。同じ女でも理香ちゃんなら何でも話せるけど、西村のお姉さんは何だか話しにくいのだ。


「いいえ、ジロジロと見ていたわよ」


 お姉さんは僕を見上げると両手を腰にあててワザとらしく怖い顔で、そう言った。僕は問い詰められているようで、逃げ出したくなる。その時、西村お姉さんの横をサイクリング自転車に乗った男が通り過ぎた。通り過ぎるときにその男は手を伸ばして西村お姉さんの胸に触っていった。お姉さんは、「キャッ」と言って胸を押さえると、その場にしゃがみ込んでしまう。僕は目を丸くして、その現場を見てしまった。お姉さんはしばらくの間そのまま蹲っていたけれど、立ち上がって僕を睨みつけた。


「ヒロ君、ちょっと下りてきて」


 僕は断ることが出来ない。階段を下りて玄関を出ると、そこにお姉さんが立っていた。僕は顔を下に向けたまま、お姉さんに近づく。するとお姉さんが近づいてきて、僕の耳元に囁いた。


「ヒロ君、今見たことは誰にも話しては駄目よ。分かった」


 僕は頷きながら、お姉さんがとても良い匂いがすることが気になった。

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