交差する前
はじめましてさかまたと言います。
一日1話ペースで投稿できたらなぁ
と思ってます。
もし、気が向いたら読んでやってください。
序章
せかいのつくりかた
どこまでも続く闇、立つことも、触れることもできない暗闇。
なんの形もない。私の、体さえない。
あるのは、私の意識だけ。
[この中に入って、どのくらい時間がたったんだろう。なにもないから時間がわからないな]
ここは、とある箱の中。私たち創造神が作る世界に、意識だけを介入させ、世界を見守るための箱。
[変なところに来ちゃったなぁ…お兄様の世界が見たかったのに…]
見当違いな所に来てしまったのは間違いなく、どうやって他の場所を探そうかと、きょろきょろと当たりを見渡す。すると。
[ふぁあ…急に光が!誰かここに世界を作るのかしら?]
小さな光る球体が一つ、生まれた。
小さくて、闇全体を照らすことはできないが、しっかりと輝いている。
そこから世界が、ぶわっと広がった。
大小様々な球体、光るもの、光らないもの。確認できるだけで数百、数千万は軽く越えていた。
[世界の始まりに出会えるなんて、幸運だわ!…でも、誰の?まだ世界を作ってない、新しい創造神なんていたかしら?]
創造する世界は、一人につき一つと決まっていて、その世界が終わるとまた新しく始める事になっている。
そうしないと、世界の管理が疎かになってしまうのだ。
[お兄様のところは今が全盛期だし、お母様もお祖母様も、おまとめ様も、まだこの間作ったばかりのような…]
創造神はみんな、世界を体験するのが大好き。次への参考だったり、おまとめ様みたいになると、好きな世界を創造して楽しんでいたりもする。
[私はまだ世界を作ることを許されていないから、今生まれたばかりのこの世界、しばらく見ていこうかしら]
私はそうして、この世界を観察することにしたの。
この世界を、誰が作って誰が中にいるかなんて、知るわけなかったのよ。