第2章 〜欲望と未来のインターセクト〜 ➖探索編2➖ ⑪
「……え!?」
「だ、誰……!?」
その場にいた全員がその女性を見て驚く。スレンダーな身体に、傷ひとつない肌。顔立ちは整っており、まさに美女。
というか、あの人……誰……?
「ひょっとして……ミソナ……なのか……?」
顔を上げ、涙を止めた元山さんが発した言葉。
ミソナさん?そんなわけがない。だってミソナさんはあんなに元気じゃなかったし、失礼な考えかもしれないけど、なにより……
「ああ、その人ミソナちゃんだよ♡」
「イエス!ミソナデース!」
「えええええぇぇぇぇぇぇ!?」
その女性はミソナと名乗った。声のトーンはそのまま。だけど、喋り方はまんま彼女そのものだった。
というか、なにがあったし……
「いやあ、まさかあんなことでスリムになるなんてね〜♡」
殺戮ちゃんは腕を組み、うんうんと頷く。たしかに、それは少し気になるかも……だけど、さすがにプライバシーのことがある。私からは聞かないでおこう。
「あんなこと?」
って、早速花ちゃん聴いてるし……
「マ、マア、ナンデモイイジャナイデスカ……アハハハハ……」
ミソナさんは笑って受け流した。でも、ミソナさんの今の言い方からして何か隠してる?
そんな、隠すようなやましいことでもないと思うんだけど……
「それで?」
橋田さんは頭を掻きながら殺戮ちゃんの方を向いた。
「主婦のダイエットなんて俺にとってはどうでもいい。てめえはなんで俺たちを集めた?」
そうだった。すっかり、ミソナさんに気を取られていた。ここに来て、しかも全員水着。殺戮ちゃんはなにかを企んでいる。だからこそ、私たちを呼んだに違いない。
「水着でビーチといったら1つしかないじゃない♡」
まさか……まさかとは思うけど……海水浴とか言わないよね?
「海水浴をしましょ♡」
本当に言ったし……
「はあ!?ふざけんじゃねえよ!?こいつらと仲良しごっこはごめんだ!!」
「そう。私もそんな気分じゃない」
案の定、反論をする橋田さん。それに、海ちゃんもみんなと関わるのは今はあまり好まないみたいだし。で、その意見に対になる人もいるわけで……
「花は賛成だよ!」
「彩里もー!」
賛成、反対とそれぞれの意見は別れる。ちなみに私は、橋田さんと殺戮ちゃん以外とならアリ……かな……
「海水浴をするのはいいが、あんたの目的はなんだ?」
畑山さんも不思議そうにしていた。たしかに、ただの海水浴ならいいけど、絶対に何か裏がある。
そんな状況で海水浴をしろと言われても、身体が固まって海水浴なんてとてもできない。
「やだなあ〜♡ただの交流関係を深めたいだけだよ♡私がいいよって言うまで遊んじゃって♡」
「ふざけやがって……!」
橋田さんは拳を握り締めてすごい顔をしていた。そんなに海水浴が嫌なのか、私らと遊ぶのが嫌なのかわからないけど、素直に落ち着いてほしい。
「あと、ここに置いてあるやつも自由に使っていいからね♡」
すると、殺戮ちゃんの足元にはいつのまにか海水浴グッズがたくさん並んでいた。ビーチバールにサンオイルなどなど、特に怪しいものはなく、一般的な海水浴グッズのようだ。
「それと、私も海水浴するからよろしく〜♡」
「またですね〜」
前回のパーティの時も、殺戮ちゃんは私たちと一緒にいた。本当は寂しがり屋なのか?いや、ただ私たちを錯乱させようとしているだけ。
こうして、私たちは海水浴をすることになった。まあでも、身体も張りっぱなしだったし、息抜きにいいのかもしれない。その点、賛成してくれた花ちゃんたちにも感謝をしないとな。




