第2章 〜欲望と未来のインターセクト〜 ➖探索編2➖ ③
「あら♡橋田ちゃん、あなたの事務所のアイドルを全員殺したのになんなの、その反応は♡」
「そりゃ、俺だって金になる自分の所有物が100人以上も殺されてりゃ、悲しいぞ。だがそれ以上に、死んだやつら全員の家から謝礼金が貰えると思えば、それはそれで俺にとって利益が出たも同然だ」
この人の思考が理解できない。
きっと、何人もの人を育て上げてきたのだろう。
その人たちが死んでるのに、なんでそんなに冷静なの?
「ほんとあなたって性格ひねくれてるわね♡」
「そんなことはどうでもいい。お前の発言で誰が裏切り者かは候補は出た」
こんな時まで裏切り者と言い出す橋田さん。
普通の人なら死体を目にしてそれどころじゃないと思うけど。
「え!?♡わかっちゃった?♡だれだれ〜?♡」
殺戮ちゃんは手を口に当てて、橋田さんに聞き出そうとする。
たしかに、私もそれは少し気になる。
橋田さんの意見も少し聞いてみよう。
「裏切り者は、山本、システムエンジニア、主婦の中にいる。」
「え…?」
私が、裏切り者…?
違う…
私は裏切り者なんかじゃない…
だけど、その場の全員の視線が私に向いた。
「ほう♡理由を聞こうじゃないか♡」
「さっきお前は、この修学旅行の参加者11人の関係者の写真と言ったな?じゃあ、そこにある写真をどうしてこの女は取らない?」
この女というのは私のことだろう。
橋田さんの視線の先には、一枚の写真があった。
その写真には30代ぐらいの女性の死体が写っていたが、私のではなかった。
「いえ、私のではないので…」
「それともう一つ。この場にはシステムエンジニアと主婦がいねえが、そいつらの関係者の写真はここにあるのか?それとも、今いねえから後で渡すのか?」
机の上に置いてあるのは一枚の写真しかなかった。
「関係者の写真が誰のかは言えないけど、ここにある写真で全部だよ♡」
私の写真ではなかった。
それに、元山さん、ミソナさんの写真であるとも確信がない。
でも、それだけで疑われるなんて…
「だったらその3人が怪しいだろ。単純に考えて、裏切り者の知り合いを殺さないのは、お前とグルだから殺す必要がなかっただけだろ。だから写真はない。違うか?」
筋は通っている。
橋田さんの考えでいったら、あの1枚の写真が元山さんかミソナさんの写真だとしたら、疑われるのは私かその余った二人のどちらかだ。
「なるほどね♡私がただ写真を撮ってないって可能性もあるかもしれないけどね♡その写真は君たちにあげるよ♡これだけで殺戮は起きないと思うから、次の手も打たないとね…♡じゃあね♡」
言うだけ言って、殺戮ちゃんは消えていった。
だけど、みんなの視線は相変わらず、私に向いていた。
あの1枚の写真は私のではないと言ってしまった。
私のではないと言えば、疑われるのは当然だ。




