第2章 〜欲望と未来のインターセクト〜 ➖探索編2➖ ①
―10日目―
ドーンッ
「え!?なに!?」
部屋で寝ているとものすごい振動が起きて目を覚ました。
キーンコーンッ
「みんなー♡おはようございます♡朝だよ♡起きて♡新しい惑星木星に着いたよ♡オリエンテーションも兼ねてミーティングルームに集まってください♡」
「うっ…うぅ…」
さらに、朝から耳障りな声で起きる。
毎朝毎朝よくあんな声で喋れるな…
とりあえず、行きたくないけどミーティングルームに行くしかないのかな。
私は着替えをしてミーティングルームに行くことにした。
でも、このクローゼットの中も同じような制服が何枚もあって気持ちが悪いな。
他の着替えはないのかな?
「よし、全員集まったみたいだね♡」
ミーティングルームに入ると、ほとんどの人が集まっていた。
「あんたが来てるなんて意外だな、橋田さん」
元山さんが橋田さんに言葉をかける。
たしかに、集団でいることを好まない橋田さんがいるのは意外だ。
「けっ!俺だってお前らみてえに好き好んで来てるわけねえだろ」
「こっちだってこんな女の顔なんて見たくないわ!ついでにおっさんの顔も!」
花ちゃんは橋田さんを煽り出した。
またこのパターンなの?
「どうだか。少なくとも、1人はいるんじゃねえのか。例えば、この中にいる裏切り者とかよお」
この人が口を開くときは余計なことしか言ってない。
そんなことを気にしてもどうしようもならないのに…
「橋田さん!!」
畑山さんの声には怒りが混じっていた。
いつもならここで、川山さんが止めていたけど、今はもういない。
どうすればいいの…
「静粛にーーーーー!!♡」
殺戮ちゃんが大きな声で叫んだ。
今ので一気に耳が痛んだ。
「あんたが一番うるさいわ!」
彩里ちゃんが文句を言う。
でも、これで橋田さんも黙り始めた。
とはいえ、今は殺戮ちゃんと顔を合わせたくない。
上村さんと川山さんを殺したのだから。
さっさと殺戮ちゃんに話をしてもらって、ここを出たいところだが…
「まず、先程も言ったように、今は2番目の惑星、木星のとある駐車場に停泊しています♡」
「駐車場?」
確か、前の惑星ではそんなものなかったと思うけど。
「2番目の惑星は最初の惑星とは雰囲気がだいぶ違うよ♡なんていうかー、町?♡」
町ってことは、家とかもあるのかな?
だとしたら、助けが――
って、ここは宇宙だった…
「おい」
橋田さんが殺戮ちゃんを呼ぶ。
なにを言い出すかは知らないけど…
「なぁ〜に〜?♡」
「まさか、こんなことを言うために呼んだんじゃねえだろうな。だったら俺もあの女みてえにいる意味はねえよな」
あの女?
私は部屋を見渡した。
人数は殺戮ちゃんを除いて8人。
あれ?
一人足らない?
そうだ!
ミソナさんがいない!
たしかに、デス会以降会ってないけど…
「あぁ、ミソナちゃんね♡ミソナちゃんは今、動けそうにないから♡」
「どういうことだ!!あいつは無事なんだろうな!?回答によってはあんたを殺すぞ!!」
また元山さんだ。
元山さんはミソナさんをすごい気にかけている。
同じ仲間として気にするのは当然だとは思うけど、何かおかしい。
「そんなキレないでよ〜♡ミソナちゃんは今のところ無事だから♡ただ、このままいくと死んじゃうかもね♡」
死ぬ?
今すぐ助けないと!
「てめえ!!」
元山さんはさらに興奮しだす。
もう誰かの死体なんて見たくない…
そう思うと、身体が震え出した。
「俺がそんなことさせねえ!ミソナさんは俺が助けるぞ!!」
「花も協力するよ!」
畑山さんと花ちゃんも立ち上がる。
仲間思いの畑山さんと、ミソナさんに懐いている花ちゃんだから、私よりも助けたいって思いは強いのだろう。
「これだから脳のないやつらは困るのよ♡あのね、ミソナちゃんは川山ちゃんと上村ちゃんが死んだショックで精神がかなり病んでるのよ♡それも、この状況のままだったら、あと5日で死ぬってほどにね♡」
嘘でしょ…
「…ッ!?」
元山さんの顔が青ざめる。
ミソナさんは川山さんを慕って、上村さんを仲間だと言っていた。
だけど、川山さんも死んしまい、上村さんが死んだのも、自分の責任だと強く感じてしまっていた。
優しいミソナさんだからこそ、思うところがあったのだろう。
「待ってろ…俺が今から救ってやる…」
元山さんは小さな声で何かを言った。
そして、元山さんは部屋の外へ走り出した。
やっぱり、元山さんは何かを隠している。
それが何かはわからないけど。
「システムエンジニアが帰ったなら俺も帰るぞ」
橋田さんが何事もなかったかのように話しだす。
この人はどうしていつも空気も読めないのだろうか。
「待って♡ここに呼んだのは第2の動機があるからよ♡」
「動機…」
前回の動機のせいで、上村さんは川山さんを殺した。
まさか、また何かするつもりなの?
私はなにがなんでも屈しない!




