なろうでVRMMO作品を読んだ時に一番初めに思い浮かんだ作品の思い出
VRMMOと聞いてまず真っ先にSA○を思い浮かべる人は多いのではないかと思います。
が、自分の場合は.hackでした(おっさん)。
どっちが優れているとかそういう話ではなく、VRMMOものを初めて知り楽しんだ思い出としてこうして残そうと思いました。
ちなみにこの作品では初代ゲーム版を主な題材にしています。
G.UやLinkは初代とは色々と違う感じになっていたりしますがそちらは他の人にお任せします(丸投げ)。
なろうで人気のVRMMOもの。自分も割と好きなジャンルです。
ログイン不可やデスゲーム系、実はゲーム内世界が異世界と繋がっていた(異世界だった)といった展開の作品もありますが、異世界転生もののように現実から隔絶されて一から始めるのではなく、現実と確かな繋がりを持っている上で(現実と地続きにある環境下で)異世界転生のような体験が出来る。そんな所が魅力の一つじゃないかと思います。
このジャンルの作品を読んだ時に真っ先に思い出したのが.ha○kだったのですが、VRMMOの話題でSA○に触れる人はいても何故か.○ackに触れる人はあまり見かけないなあと。
似た作品だと思っていたので比較されがちなのかな、と思いきや実は今現在の知名度に雲泥の差があった事にカルチャーショックというかジェネレーションギャップ的な何かを感じまして。
なのでこの作品について少し思い出話をしようと思った次第で。
.h○ck(正式には.ha○k//)は、「The World」という架空のネットゲームを舞台にしたアニメ・ゲーム・漫画・小説等様々な媒体を使ったメディアミックスプロジェクトの総称で、大抵の作品には「.ha○k+○○」のような形でタイトルがついていました。
同じ一つの物語を複数の媒体でやるのではなく「The World」というゲームをテーマに、時系列も登場キャラも違う作品がそれぞれの媒体で展開されていたというのが特徴的でありました。
かといってそれぞれが無関係という訳ではなく、メインとなるゲーム版の前日譚や後日譚、はたまたゲーム版の裏で起きていた現実世界の出来事など各作品に色々と繋がりのある内容となっていました。
複数作品で同じ世界観・設定が共有されている点でガンパレ○ド・マーチやその関連作品を思い浮かべる人も多いかも知れません。
調べてみると、
.hac○のゲーム1作目は2002年6月発売。
SA○小説版の1作目発売は2009年ながらも、書き始めは2001年頃から行われておりネット版は2002年から公開されていた。
……との事で、実は両作とも世間に出たのはほぼ同時期だったんですね。
大手企業の作品と個人作品という違いはある訳ですが、最初に広まった.h○ckと遅咲き?のSA○の対比も面白いなーと思ったり。内容的に前者は当時の時代に合わせた作りで、後者は時代が追い付いてきたみたいな印象を受けます。
……いかん、脇道に逸れた。別に両者の比較をしたい訳ではなく.ha○kの思い出話をしたいだけでした。修正修正。
そもそもVRMMOを作品内の一要素ではなく作品のメインテーマに据えた作品が珍しかった当時。自分が初めて出会ったその手の作品が.h○ck(ゲーム版)でした。
最初に興味を引かれたのは題材の前にその特殊な販売形形式に興味が湧いたからでした。
Vol.1~Vol.4の全四巻構成でVol.1発売後約3カ月おきに1作ずつ定期的にソフトがリリースされるという形式。
ナンバリングタイトルは続編が出るまでに年単位で時間がかかるものですが、この作品の場合物語が完結するまで定期的に発売され続けるという事でやってみようという気になった覚えがあります。
分割商法?一本一本がそれなりに長いからまあ……。
今でこそ現実と比較しても遜色ないもう一つの現実がゲーム内に!的なVRMMO作品も多いですが、このゲーム内では、
・フルダイブ式でなくヘッドマウントディスプレイ&コントローラー操作。
・ゲームへ入るのにPCのデスクトップを経由する(これからゲームを始める感が雰囲気出てて良いのですよ)。
・ゲーム内で仲良くなったキャラから主人公PCのメーラーにメールがくる。その返信をして内容が展開していったりする。
・ゲーム内やメールなどで各キャラクターの近況など現実の話題が出る事はあるが、ログアウト後の主人公の行動などといった現実側の描写は一切無し。
等々、ゲーム画面的にフルダイブっぽい見た目になってはいますが、VRである事以外はF○11やPS○など当時実在したMMOをやっているような感覚に近いです。
今のVRMMO系の主流作品と比べてみると逆に新鮮なシステムかも知れません。
またゲームメーカーの作品なので当然と言えば当然かも知れませんが、ゲーム内の世界設定がしっかりしているのも良い所。
ゲーム自体の設定はもちろん、発売当時からすると未来の設定となっているゲーム内の現実世界での出来事なども設定されているため設定好きにはたまらないと思います。
メディアミックスされた他の媒体作品がそこに絡んできたりして……こりゃ大変だ(笑顔)。
それとこの作品のストーリーの特徴として、ゲーム世界に発生した事件やその真相を巡って各キャラクターが動いているため、「主人公の物語」というよりは「ゲーム世界の物語」という感覚が強い事が挙げられます。
主人公は序盤のとある事件からゲーム世界の謎を解き明かすべく行動していく事になるのですが、プレイヤーの分身という存在であるため、
・中身は中学2年生男子。
・RPGの主人公的な「はい・いいえ」キャラではなく、他のキャラクターと会話したりとイベントシーンなどでちゃんと喋る。
と、明確な個性がありながらもそれ以外の個人情報が本名含め全く明かされません。
しかし他プレイヤーとのメールのやり取り等で老若男女問わず相手の話題に合わせる事が出来るという中2という年齢に似合わぬスキルを持っていたりと、不思議な存在感や魅力を放っています(ゲーム的ともいう)。
ちなみに主人公は序盤の事件でとあるチート能力を手に入れていたりするんですが、謎究明のために重要な物ではあっても万能な物ではないというか、むしろ色んな意味でデメリットが大きい物というか。
ゲーム的にはそれでレアアイテムを手に入れたりといった重要な働きがあったりするのですが、使い過ぎるとゲームオーバー(!)になったりしますし。
個性を持ちながらもプレイヤーの分身として動く主人公。
初代のゲーム版が特に世界の謎という点を重視していた事もあり、ゲームという媒体で展開された世界の物語だからこそ成立した名主人公だったと思います。
あ、もちろんPTキャラとなる各キャラクターやサブキャラクターも魅力的でした。
個性的なキャラが多く、「ネトゲのプレイヤーキャラってこんな感じだろう」と想像したキャラは大抵このゲームに居ると思います(解説放棄)。
どのキャラも仲良くなった時にメールをくれて、その内容もそれぞれのキャラクターにマッチした内容なので、それでキャラクターの中身の事がわかったりわからなかったり。
ギャルゲー的な攻略ではないのでそこまで深く明かされる訳でもありませんが、それはそれでネット越しの相手に想いを馳せる良さがあるとも思います(妄想の余地ともいう)。
と、ストーリーやキャラクターについてはとても好きなこの作品なのですが、肝心のゲーム性については……正直なところ今やるのはちょっと厳しいかもしれません。
戦闘は割と力押しで見た目が地味。ダンジョン攻略も非常にシンプル。それでいて物語を進めるため(特定のエリアに入るため)に繰り返す必要がある事も。
良くも悪くも当時のMMOらしさを再現したシステムなのでそれがキツい人はいるかも。
四巻構成なので一作が短いかと言えばそういう事でもないのがまた。
でも当時は楽しめてたんだよなあ……(遠い目)。
とはいえそこはメディアミックス。ゲームが厳しいなら他の媒体を見ればいいじゃないという発想もあったり。
まあ結局ゲームのストーリーが気になって戻ってくる事になるんでしょうが(蟻地獄)。
しかしこうして振り返ってみると今はVRMMOをテーマにした作品が広まったものだなあと思います。
脳波がどうとか現実の自分をゲーム内に投影してゲーム的な動きが出来るかとか色々と指摘している人もいますが、そもそも現実にまだ無い物なのだからそこは素直に「やってみたい!」でいいんじゃないかとも思ったり。
そんな問題が現実でも取り沙汰されるくらいに開発が進むのはいつの日か。
いつかリアルでもフルダイブ式のゲームやりたいなあ。
まるでこの辺の作品がVRMMOの始祖のように書いていますが、実はクリスクロスやクラインの壺といったVRMMOをテーマにした作品がこれ以前にも存在した模様(振り返っていた時に知った)。
とはいえそれほど数があった訳ではなさそうな辺りニッチなジャンルではあったんだなあとも思ったり。
現実頑張れ。少なくとも生きている内にプレイできるように。マジ頑張れ。