100話 会談
私の前に降りてきたのは数百人。親衛隊の野郎も半分くらい居る。
雫め……。全く面倒なことをしやがる…。って雫も降りてきてるし…。
もう諦めた。
「誰からでもかかってこい!」
私がそう叫ぶと、集団が一斉に突進してくる。流石に武器使うか。
カースオブキングを引き抜き、シャドウバレットを装填。6発で6人をしっかり仕留め、リロード。集団がこちらに到達する頃には既に18人を仕留めきっていた。
このまま人の波に取り込まれるのはマズいな。いや、良いか。むしろ近づいてくれるなら纏めて焼き尽くせば良い。
「狐火」
デジャブを感じさせる死刑宣告。
大地をも焼き焦がす炎の海が消えた頃、地面に立っているのは数人しか居なかった。
「姉御!流石です!!」
あぁ、エドガーも居るわ。
「こんな至近距離でお姉様の炎をお目にかかれるなんて光栄ですわ!」
「久しぶりに踏んで下さい!!」
あぁ、こいつらも久しぶりだな…。ん?
「オイ待てゴラァ!!それじゃ以前私が踏んだみたいじゃねぇか!!」
「つぼ…クロユリちゃん落ち着いて…」
4対1か。このお姫様と変態が未知数だな…。まずは雫から始末しよう。
白夜を引き抜き、刃を赤く輝かせ、ケイオスアクセルを纏う。
私がそのままの勢いで雫に向かって走り出そうとした瞬間だった。
背後に気配。同時に首筋に冷たい刃の感覚。マズい。そう思った瞬間、冷や汗が噴き出すような濃密な殺気と共に刃が振り下ろされるような感覚。
そこにタイミング良く雫の意識操作が飛んでくる。
今からカウンターは間に合わない。ならば。
「闘気覚醒!!」
背後に居たのは変態女。コイツ、私に気づかれずに背後を取るとか、何者だよ…。
とにかく距離を取ろう。壁を背にして戦うんだ。
壁まで走り、残りの時間でノーマルバレットをばらまいておく。
ハァ、間一髪だったな。
元の速度に戻ると同時に放たれた無数の弾丸はそれぞれに別々の躱し方をされ、一発も当たらない。
「クロユリ様。お覚悟を。」
何だあの変態。滅茶苦茶格好いいじゃ無いか。法被着てなければ。
「お姉様!ワタクシの愛、受け取って下さいませ!!」
お姫様が放ったのは無数のガラスのような物。杖を持ってたし、魔法だろう。 放たれた鋭利なガラス片のような物は私の周りの地面に散らばる。
なんだ?これだけか?
いや、未知数の能力には注意だ。ここは壁際で後ろの心配は要らない。様子見だ。
1分程度見たが何も起こらない。何だ?
「私の新技、喰らえ!!」
突如雫が金のオーラを纏い、光の矢を放つ。 その矢が放たれたのは真上。
少し間をおいて、その矢は私の頭上から落ちてくる。それも一発では無い。私を追尾するように、真上から一定のリズムで矢が落ちてくる。
なるほど。一点に固まる敵をあぶり出すには有効なスキルだ。
私が避けようと、その場を動く。だが、私の体は予想外の攻撃によって傷つけられ、血を撒き散らした。
足や腕に突き刺さっているのはガラス片。それをよく見ると、魔力の糸のようなものでお姫様の指に繋がっているのが見えた。
トラップだったのか。いや、今は矢を避けるんだ。
ケイオスアクセルの加速度でその場を飛び退き、壁に沿って走ることで矢を躱す。
「ここだ!!」
不意に横から飛び出してきたエドガー。そのシールドバッシュによって私は大きくはじき飛ばされてしまう。
完全に甘く見ていたな…。
体制を立て直しながら私は思う。慢心は死を招くというのは鉄則だ。今回の劣勢は私に落ち度がある。
犯した失敗は自分で取り返すしか無い。アイリスの奥義の1つを使うとしよう。
白夜をその場で振り上げる。私の体からは濃密な赤い魔力が噴き出し、全身と剣を包み込む。
「大切断」
両手で構えた白夜に魔力が集まりきると同時に、剣を斜めに振り下ろす。 前方を不可視の刃が薙ぐかのように、地面の土が舞い散る。
そして、雫とエドガーの体が半分に両断され、光となって消えていった。
大切断。アイリスが会得した『断界奥義』の1つだ。
崩壊を司る赤い魔力を刃のように形成し、魔力によって物体を断ち切るという技で、わかりやすく言えばチート技だ。断ち切れる範囲は縦に長く、お姫様と変態にまでは届かなかったが、当たったエドガーと雫を見れば、その威力がはっきり分かるだろう。
「さぁ。残りは2人か」
この2人、なかなか強い。片方は気配操作がヤバいし、もう片方はガラス片のアレがヤバイ。
だが、1人づつ相手していけばそう苦戦するわけでも無いだろう。まずは厄介なお姫様からだ。
「お姉様!ワタクシはまだ諦めませんわ!!」
再びガラス片が飛ばされる。今度は先程とは違って、ガラス片は空中に漂った。
だが二度も同じ轍は踏まない。
「妖炎」
私の体をほんのりとオレンジ色の炎が包み込む。
これはキュウビの奴とは違って10秒くらいしか出していられないが、ガラス片を突破するには十分だ。
真っ直ぐ走り出した私の体に触れたガラス片が次々と溶けていく。
「黒龍拳亜流!『崩牙衝』!!」
お姫様に向かって容赦なく放たれた拳は、腹部にクリーンヒットし、そのままお姫様は消えていった。
残りは変態。
「クロユリ様。流石です。貴方のような方と対面できるとは思ってもみませんでした」
「超格好いいな…。畜生!変態のくせに!」
変態は少々私の言葉で顔を赤らめる。ヤバイ子なんだな。
「次は仕留めて見せます」
再び変態の姿が消える。この動き、間違いなく“絶影”だ。
ならば出現位置は私の周囲。さっきは後ろで避けられたことを学んでいるなら、次は正面。
「ここだ!!」
前方に向かってハイキックを繰り出す。
すると私の読み通り、前方に出現した変態にヒットし、そのまま変態を地面に叩き付けた。
間髪入れずに白夜を振り下ろす。手応えアリ。終了だ。
その直後、私の脇腹に鋭い痛みが走った。
剣の先には丸太が突き刺さっている。
そして脇腹には手裏剣が。
コイツ…。忍者だったのか。って事は今のは変わり身の術…か。
手裏剣をちらりと確認すると湿っているのが分かった。この場合ならきっと神経毒なのだろうが、生憎私に毒などの状態異常はほぼ効かない。
「そんなに踏んで欲しけりゃ踏んでやる!」
お返しとばかりに絶影を発動し、後ろに回り込む。 そこから体勢を落とし、足払いを繰り出した。
「なっ!?」
前方につんのめる変態。 その隙を見逃さず、ばねの要領で跳ね上がる。
「黒龍拳亜流!『紅蓮流星』!!」
足に赤い魔力を集中させ、渾身の踵落としを頭部めがけて繰り出す。
今度こそ命中。変わり身も発動せず、悲鳴を上げるよりも早く頭部を砕いた。
だが着地の瞬間だった。
頭部の砕ける音に混ざって「カラン」と言う軽い音が響く。
「「キャー!!キャー!!」」
観客席から上がる歓声。一体何だろうか。
変態が消えた足元に目をやると、狐をかたどった仮面が落ちている。
顔に手をやって確認する。
「……無い」
ヤバイ。公衆の面前で仮面が取れた。
気づいた頃には私は既に顔を手で覆い隠して走り出していた。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「顔バレしたんだけど」
再び王城に戻ってきた私達。ここまで来るまでに大量の人に囲まれて大変だった…。ゴスロリに着替えてきたのももしかすると逆効果だったかもしれない。
「なんと言いますか…災難でしたな」
全くもってその通りだ。「雫が延長戦なんか始めたせいだぞ」という眼差しを真横の雫に向けると、我関せずと言った風に顔を背ける。後でお説教だな。
「話は変わりますが、どうしても私の妻と娘がクロユリ様にお会いしたいと申しているのですが、よろしいですか?」
「もう何でも良いよ…」
王が大臣に目線で合図を送ると、奥の扉が開き、二人の女性が現れた。
その内一人はどうも見覚えがある気がする。いや、絶対見た。さっきまで見ていた。
「お姉様!驚異的に美しいですわ!ワタクシ、眼福の極みですわ!!」
うっわこの子マジでお姫様だったのかよ…。
「クロユリ様、お初にお目にかかります。このたびは息子と娘がご迷惑をおかけしました」
王女様は超美人で、立ち振る舞いや仕草の一つ一つから優雅さが漂ってくるようだった。
ちなみに王子はと言うとトラウマになったのか寝込んでしまったらしい。少し悪いことをしたな。
「そういえば何処まで話していましたかな?」
王が話を戻す。私も何の話だったか思い出せないので雫に目線をやった。
「会議に同伴するかどうか、と言う話だった気がします」
畏まって話す雫。似合わねぇ…。
そういえば反射的に断っちゃったけど、実際参加しても良いんだよね。方針を知れるのはプラスだし。
「そうでしたな。今一度お聞きしますが、同伴していただけないでしょうか」
「うーむ。帝国の使者って誰が来るの?」
「それが、今回は皇帝殿が直々においでになるようなのです。そして勇者殿も共においでになると」
マジか!ラッキー。 ここで皇帝や帝国の勇者と面識を持てるのは良い機会だ。
「参加する。私1人で良いの?」
「即決ですな…。こちらは私と雫殿が参加し、クロユリ殿には魔物代表として参加して欲しいと思っています」
魔物代表?
「……何処で私が魔物だと思ったの?」
「…本当に魔物なのですか?」
あぁヤベ…。引っかけられた。
コイツ、私相手にブラフか。見抜けなかった私も私だな。仕方ない。
「……分かった。それでいい。いつ王城に来れば良い?」
「準備もあるので、朝から来ていただけますか?」
「了解。あと、王様への認識を改める。アンタは敵に回したくない相手だ」
「嬉しいお言葉ですな。では明日。宜しくお願い致します」
そんなこんなで王城を後にする。姫に絡まれそうになったのでダッシュで逃げてきた。
あ、ここからもヤバかったんだったわ。
王城前にはもの凄い人だかりが出来ており、所々に『クロユリ様親衛隊』の旗があがっている。
「クロユリ様が出てきたぞ!!」
「相変わらずお美しい!!」
「可愛い!」
「クロユリ様万歳!!」
「踏んで下さい!!」
等々様々な声が飛び交うのを騎士さんが必死に食い止めている所だった。ご迷惑おかけします。
「雫、どうにかしてよ」
「ゴメン絶対無理。いやほんとゴメン」
仕方ない。王城に泊めて貰えないか頼もう。キリエ達には悪いけど今日は帰れなさそうだ。
そんな時に王城方面から声が。
「お姉様、お父様が『今日は泊まって下さい』と言っております。どうぞこちらへ」
おお、流石王様だぜ。今回はお言葉に甘えるとしよう。
「お姉様と一つ屋根の下…ぐへへ…」
「雫、この子ヤバいんじゃなかろうか」
「普段は民思いの良いお姫様なんだけどね…どうして蕾ちゃんが関わるとこうなるんだろう…」
「うぉい、私がヤバイ奴の総大将みたいに言われてるのは気のせいか?」
そんなこんなで一室へと案内された。
「この部屋をご自由にお使い下さいませ」
「悪いねぇ、ありがとね?」
「おおお、お姉様!そんなお言葉もったいないですわ!」
ハァハァし出したぞ。姫様と変態、どっちがヤバいかなぁ…。
「コホン、食事はメイドが持って参りますので、おくつろぎ下さいね」
「あ、私ご飯要らないよ。食べなくても死なないから資源の無駄でしょ?」
「ですがお姉様…」
「良いの。私分の食料は他に回せるでしょ?」
考え込んだ末に頷くお姫様。
「分かりましたわ。伝えておきますわね」
それにしてもこうお姉様お姉様呼ばれてると、妹が出来たみたいで何か良いな。
しかもこのお姫様、落ち着いてよく見ると、王女様のような優雅さやあどけない可愛さが見え隠れして、こう…言葉では言い表せない感じのアレがあるな…。
「お姉様…?どうされましたか?」
ヤバいな、私の中の何かが騒ぎ出している。アイリス的な何かではなく、おまわりさんに捕まりそうな何かが。
「何でも無い。明日に備えておくとするよ」
「そうですか、ではワタクシはこれで」
うむ。可愛かったな。ヤバイ子ではあるが可愛いから良いのだ。
そんなこんなで少し休んだ後、お風呂に入ったが広かったとだけ言っておく。バッサリ割愛だ。
いいかい?私にとってキリエと一緒じゃないお風呂なんかに価値はないんだ。
キリエとお風呂入りたいよぉ…。洗いっことかしたい…。
……おまわりさん私です。
もう寝るよ。こんなデカいベッドなんて味わえる機会はそう無いだろうし、ゆっくり寝ておくことにする。
明日の会議はどうなるだろうか。私は出来るだけ口を挟まず傍観に徹しよう。出来るだけね。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
状況確認をせずに居られるだろうか。いや、無い!!
私は今2人のメイドさんとお姫様にとっかえひっかえ着せ替え人形のようにされているのであった。
ゴスロリで参加するつもりだったのだが、お姫様達にどうせだから着飾りましょう、とか言われて押し切られてしまった結果である。
しかも着替える度に3人がキャーキャー騒ぐ物だから恥ずかしくて仕方が無い。
「もう何でも良いよ…。早く決めてくれ…」
「そう…ですわね。この後に髪を結ったりお化粧したりしないといけませんものね…」
嘘だろマジかオイ…。地獄は始まったばかり…ってか…。
結果的に言えば私は、ぱっと見で誰だこの美少女は…、となるような改造を受けた。
結局ドレスは肩の出る黒のものになった。まな板でも似合うような奴を選んでくれたようだ。
化粧に関しては「元が良いから」と嬉しいことを言われ、口紅をうっすらと引いただけになっている。
髪は後ろに束ねられて、いかにも良いところのお嬢様だ。
柔らかく微笑んでみれば男共が卒倒、みたいな改造を受けた私だったが、どうにも動きづらくて嫌だなぁ…と感じてしまうあたり、戦闘狂を自覚せざるを得ないらしい。
終わったら王の間へ来てくれ、と言われているので向かう事にした。
途中で使用人さんとかが私を見て固まっていたが、こんな私は私じゃない!
それにしてもこんな格好する機会があるなんてなぁ…。夢にも思わなかったよ。
今から予行演習のつもりで王の間の扉をコンコン、とノックする。
「お入り下さい」
出来るだけおしとやかに扉を開けて入室。王の前まで歩いて進み、ドレスの裾をつまんで一礼。
「やぁ王様、調子はどう?」
一瞬私を誰だこの令嬢は、みたいな目で見ていた王様だったが、私が口を開くとハァ、とため息をついた。
「話さなければかつて無いほどに完璧なのですが…」
「ア゛ァ? …まぁ本番はお姫様のまねして喋るから大丈夫」
「そうですか。もうすぐ到着するらしいので、早速応接室へ向かいましょう」
ドレスで歩くのはあまり慣れないなぁ。
それにしても早いな。もしかして結構ギリギリだったんじゃないだろうか。
応接室に入ると、円卓のような物があって、3ヶ所に席があった。
二つの席が2ヶ所。一つが1ヶ所。 名前を見ると私が一つの所か。
「しばし待つとしましょう」
「あ、今回私は出来るだけ傍観に努めるから、頑張って進めてね。勿論話振られたら答えるけど」
「分かりました。ですが、問題点があればどんどん出して下さいね」
「ん~」
そんな感じで私達は席に着いた。
雫は勇者の格好をしている。ぱっと見で私が誰か分からなかったらしく、勇者スマイルで挨拶されたときは噴き出してしまった。
しばらくして、使用人さんが帝王が到着した旨を伝えに来た。
なんだかちょっと緊張してきたな。営業スマイル営業スマイル…。
お姫様喋りをして声が裏返らないように気をつけよう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
ドアが開く。
入ってきたのは皇帝と勇者。
ん!?皇帝って女の人だったのか!勇者は男だね。
よく見ると皇帝と勇者はどことなく似てるな。姉弟だろうか。
「皇帝、シルヴィア・グラスティウスだ。こちらは我が国の勇者にして弟のルザリオ・グラスティウス。今回の会談、宜しく頼む」
はきはきと喋る人だ。言葉が力強い。流石皇帝、と言ったところか。
「国王、オズウェル・フリードです。こちらは勇者のシズク・コハルカワ。こちらこそ宜しくお願い致します」
雫もルザリオに習ってぺこりと一礼。
次は私の番か。
「今回の会談、魔物代表として参加させて頂く事になりました、ツボミ・キノシタと申します。どうぞ宜しくお願い致しますわ」
スカートの裾をつまんで一礼。
ちょっと緊張して本名名乗っちゃったけど別に良いか。
着席する一同。
「では早速始めよう。私はこういうタチなんで、あんまり敬語とか得意じゃない。公の場だが無礼講で頼む」
「了解致しました」
私も頷く。
「今回、ラネシエルの体制や対魔教が崩壊し、暗躍者の活躍によって内戦が起こりそうだ、と言う話は信頼に足る情報か?」
「ええ勿論。我らが勇者のシズク殿とその仲間の信頼できる者が持ち帰った情報です。事実、教皇が暗殺されたようですしね」
「ふむ。ではフリード王国はこの機会にラネシエルにて魔物と人間の同調を計るつもりか?」
「その通りです。洗脳によって魔物を嫌わされていた民衆がそれに不信感や嫌悪感を抱いた今こそチャンスだと考えております」
「ツボミ殿はどう思われるのだ?」
おお、いきなり私に来たな。どうって言われてもなぁ。
「ワタクシは今回の件を機会が上手くいけば五大国の全ての国が魔物と暮らせる国になると考えていますわ。ラネシエルのがいきなり魔物達と暮らし始めれば、連動してリスティの勢力も落ちるでしょう。さらにリスティが落ちればソレイジも。そのためにはまずラネシエルの件からしっかりとこなしていくべきだと思いますわ」
秘技、しっかり答えるように見えて具合的な話をしないの術!
だが皇帝は「なるほど」と頷いた。
「我々としても対魔教やリスティと言った危険因子が消えるのはプラスだ。共に具合的な案を考えるとしよう」
よし、これでこの二国が協力関係を結ぶのはほぼ確定だ。
この調子で具体策が決まれば良い。
会議は順調な軌道に乗ったと思われたその時だった。
激しい音を立てて窓ガラスが割れる。
周囲に響き渡る爆音。
直後、扉と割れた大窓から無数の人間が侵入してきた。
王が声を上げるよりも早く、二人の勇者が武器を構える。
やっぱりこんな大事な会談、順調に進まないだろうとは思っていたが…。やはり来たか。
ついに本編百話目です!
次回更新は次の金曜日の20:00です。