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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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81話 スキル強化

また短いです。お盆は忙しいですね…

「スキルの派生について、まずは解説しておこうと思うんだ。」


 ツバキがそう言って解説を始める。


「まず派生をさせる方法なんだけど、これはもの凄く簡単なんだ。むしろ基本なんだけど、君たちは知らないみたいだね。まぁそれは良いとして、スキルは単純に沢山使う事で派生したり、強化されたりするんだよ。」


 なん…だと…?使うだけで良いのか?ほんとにもの凄く簡単だな。


「ただし、例外はあって、派生も強化もされないスキルもあるね。そして、君はもう一つ、特別な方法があるよね?」

「生物図鑑のこと?」

「そうそう、それそれ。それによって新しいスキルを手に入れて、派生や複合で強化する方法も、君には出来るね。まぁ一般的には使いまくれば良いんだよ。」

「へぇ?何でも良いの?」

「それがね?君のスキルはどうにも特殊なのばっかりでね?今のところ変化しそうなのは少ししか無いんだよ。」


 ええ…そうなのか…まぁその変化する奴使いまくろうか。


「まずは何から始めたら良い?」

「そうだねぇ…君がいっつも使ってるダブル強化とか良いんじゃ無いかな?」


 おお、ダブル強化も変わるのか。使い勝手良くて良いんだよなぁ。もっと良くなるなら万々歳だ。



 そんなこんなで1時間くらいかけて2000回くらい使った。すると、急に発動できなくなったので、確認してみると、新しいスキルがそこにあった。


・疑似神装『エンチャント系最上位スキル。ワルキューレが扱う神装に等しい力を宿す、攻防一体の技。』


 どうやら強化された2つのスキルが複合されたらしい。神装って、そういえば見たこと無いなぁ。近くにワルキューレ居るのにね。


 早速自分の拳に使ってみると、拳が銀のオーラに包まれた。これがそうなのか。使い勝手良いな。



「他には?流石に2つだけじゃ無いでしょ?」

「うん。後は『隠密』と『ライトニングアクセル』と『聖斬』、『炎風』&『メテオレイン』のコンビと、少々キツいけど『鬼撃』かな。」

「へぇ、結構あるね」


 とりあえず最初からやっていこう。ちなみにキリエは「……良い天気」とか言って、お昼寝を始めました。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 意識が朦朧としてきた…。激しい嘔吐感。咳き込み。吐血。体中の痛覚神経は、繰り返される激痛によって既に感覚を失っている。


 何があったかと言えば、自滅である。そりゃ1秒間に3回も『鬼撃』で自傷するのを数十分繰り返せばこうなるわ。『鬼撃』は発同時、相当な激痛が全身を襲う。詳しく言えば内臓まで含めた全身の全部位に大きなダメージが入る。そう。『発同時』なのだ。

 

 繰り返し発動しなければいけないこの状況、まさに地獄である。別に一定時間内に使わなければいけない訳では無いのだが、やるなら一個ずつやりたいという精神が自らの首を絞めているのである。


 途中で吐血に驚いて飛び起きたキリエが、回復魔法とかで治療してくれたが、圧倒的な速度で減っていく体力の前に、顔を青ざめさせていた。ツバキも「その辺にしこうよ!死んじゃうよ!」と、焦って止めにかかっていた。



 流石に休憩を挟んだ。この世界に来て初めて死にかけた。と言う事で、今までのスキル変化を確認しておこう。



・インビジブル『姿すら透過し、完全に気配や音を遮断する。』

・ケイオスアクセル『加速度の調整幅が増え、上限も大幅に増えた。』

・聖刻斬『聖なる力の込められた一撃。』

・メテオストーム『本物の隕石では無く、火属性の巨大魔法弾を一定の範囲内に雨のように降らせる。』



 なかなか良いスキルが手に入ったね。派生はしなかったけど。特にインビジブルなんか有能すぎて狂いそう。メテオストームは危ない。


 さて、『マンティコアの加護』のおかげでだいぶ回復したし、再会するとしようか。なんとなく痛みには慣れてきたからね。




 やっとだ…。やっと変化した…。もうマヂ無理…。


・鬼殺『発動中は常時ダメージを受け続けるが、凄まじいほどの能力強化を行う。』


 これは派生だった。『鬼奥義+』になって、鬼撃と纏まってたよ。


 ちなみにどのくらい強化されるか、だけど、これから試してみようと思う。


「ねぇ、ちょっと今のスキル試してみたいんだけど、だれか拳一発だけ受けてくれない?龍のツバキとか、神装のキリエとか」

「いいよ。言い出しっぺだし、僕がやろう。龍の姿で、『帝龍覚醒』使えば多分なんとかなるし。」

「……ツバキ…頑張れ」


 そう言って龍になるツバキ。体を持ち上げ、何処でもどうぞ、と言う。


『あ、ちょっとタンマ。覚醒だけさせて。』


 切実に頼んでくるツバキ。一体何だ覚醒って。

 そう思っているとツバキから、圧倒的な魔力が放たれた。まるで金色のオーラを纏った雫のような気迫。ほんの少し、この私がビビってしまうくらいの激しい力だった。


『さあ、どうぞ?』


 なんか煽り気味のツバキ。ちょっとイラッと来たからお仕置きもかねて全力の拳で行こう。

 まずは疑似神装を拳に。次に鬼撃。追加で鬼殺。更にはケイオスアクセルで加速度を乗せる。なんかヤバいぞ。自傷のダメージもそうだが、なんか自分のステータスがこの世の物じゃ無くなってる気がする。

 気にせず最後に闘気覚醒。その辺りでツバキが『え、ちょっ、まっt』とか言っていたが気にせず発動。


 さぁて、行くぞ。全力を乗せて!!右ストレートォォ!!


ズガァァァァァァン!!!


 明らかに殴った音じゃない音が響き、ツバキのお腹が殴られた。スルスルと人の姿になり、お腹を押さえてうずくまるツバキ。何かを吐きそうになっている。


「だ、大丈夫?」

「……ゲッホ…ガッハ…。大丈夫じゃ…無いよ…。これ、死ぬ。間違いなく死ぬ。」

「そんなに?殴っただけだよ?」

「一言で言えばおかしい。帝龍覚醒は、全てのステータスを約10倍するんだ。そして僕の龍状態の耐久力はキリエ並み。それをただの拳一撃でここまで持っていくって…やっぱりおかしい。」


 そうなのか…。正直“帝龍覚醒”の性能がおかしいのはよく分った。


「キリエも受ける?」

「……かえろ?」

「そうだね!僕も帰りたい!!」


 そういう事なので帰ります。帰り道にツバキに訪ねてみた。


「前さ、私とツバキが同格みたいな話ししてたじゃん?でもさ、龍の状態にあの覚醒合わせて、実践なら防御スキルも使えると考えたら、私に勝ち目無くない?」

「君にはさ…無いんだよ。一定以上の力を持つ者は皆持ってる、真の力を解放するスキルが。」

「闘気覚醒じゃないの?」

「違うね。僕は“帝龍覚醒”で、キリエは“神装”と“魔装”。あの勇者なら、金色の奴だ。でも、君にはそれが無い。きっと、隠れてるんだ。だから、その隠れてる力を含めれば僕に勝ち目は無い。って言うか、今でも戦略性とか含めれば五分五分だと思うよ?」

「ふーん?よく分んないや」


 そんな会話をしながら町へと帰って行く。まだ時間あるし、マァラさんの所でも行ってみようかな。

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