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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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69話 サクサクと迷宮攻略2

 17層は、懐かしい砂漠ステージだった。

 別に、懐かしいと感じるくらい時間は経って無いけども、なんだか懐かしく感じる。


 薬が宝箱に入っているのは20層以降らしいので、ここも無視だな。

 ちなみに、フィールドダンジョンとは違って、ダンジョン内には、たまに宝箱がある。今までは完全に無視してきたけど。今回は薬が目的なんだ。


 さてさて、ボスだ。よく見るサンドワームって奴だろう。砂に潜り、足元から飛び出してくる面倒な奴。

 バックステップ射撃でクッソ余裕でした。



 18層。樹海ステージ。


「ここは迷いやすいのでお気をつけください。」とエドワードさん。

 そうだなぁ。確かにうちにはマイペース極めてる子がいるからなぁ。迷子に注意しないと。

 と言うことで、キリエを挟んで、エドワードさんが先頭で、私が最後尾という隊列で歩くことにした。キリエのレーザーと斬撃派を除けば、遠距離攻撃は私しか出来ないからね。バックアップ的にも私が最後尾安定だろう。


 ここのボスは大きな牙を持つ、馬鹿でかい猪。食べたいなぁ…

 そういえばこのダンジョンに入ってから、私が倒したモンスターは全くと言って良いほど素材を落とさない。鳥の群れは、肉や卵を結構落としたが、その数からすれば全然少ない。『屍砕き』の呪いが聞いてるんだろうか。そういう訳だし、キリエに倒して貰おう。


「キリエ、任せて良い?」

「……ん。…任された」

 そう言った瞬間、キリエが加速する。次に猪を見やると、既に肉塊へと変わっていた。


「……ツボミの真似」

 キリエさん…ああもう可愛いなチクショウ!でも、コレ傍から見ると結構ヤバいな。人の振り見て我が振り直せとはこのことだな。我が振り直そう。

 相変わらずエドワードさんはぽかんとしてる。



 19層。岩場ステージ。


 雷鳴が鳴り響き、黒い雲に包まれ、地面が少し帯電している感じがする。

 ここはいきなりボスステージのようだ。立ちはだかるのは、雷を纏ったワイバーン。

 とりあえずキリエと一緒に斬撃派を放つ。キリエの真っ白な斬撃波と、私の黒みがかった銀の斬撃波が交差して襲いかかる。


 が、ワイバーンはそれを避ける。体に纏う雷が急に激しくなり、速度が上昇する。

 こいつ、もしかしたらそこそこ強いのかもしれないな。


 キリエは次元斬に、私は爆炎弾幕とノーマルバレットの乱れ打ちに切り替える。だが、ワイバーンはその翼を大きくはばたかせると、更に帯電を強め、攻撃を避けられるほどの速度まで加速した。

 

 コイツ…出来る…だが、逃げてるだけじゃジリ貧だぜ?


 確かにワイバーンは攻撃を避けてはいるが、全てを避けきっている訳では無い。爆炎弾幕と、ノーマルバレットを避けたワイバーンの翼に、キリエの次元斬が擦る。

 バランスを崩したワイバーンは、ふらふらと飛び、爆炎弾幕の一発に当たる。

 激しい爆発が起こる。だが、その煙を切り裂いて、雷のブレスが吐き出された。

 このワイバーン、根性もあるな…そんなこと言ってる場合じゃ無いか。


 私とキリエを狙って吐き出されたブレスから私が飛び退こうとした瞬間、

「……『聖者の法衣』」

 私達を光のカーテンが包んだ。

 そのカーテンのように揺らめく光は、雷のブレスを散らせ、無力化した。


・聖者の法衣『エネルギー系の攻撃を散らす、範囲守護魔法。伝説の聖者が用いたとされる古の魔法』


 うわぁ、キリエさん凄い…

「…私は…元々…防御特化」

 自慢げな顔でそういうキリエ。


 ワイバーンは、捨て身の一撃だったのか、纏った雷ごと、消滅していった。自らを犠牲にしてでも、相手に切れ味を与える覚悟とは…武士の鑑みたいな奴だったな…武士じゃ無いけど。

 とりあえず、私は誇り高きワイバーンに敬礼しておいた。


【生物図鑑により、ライトニングワイバーンから『迅雷』、『電龍』を取得しました。スキル同士で複合が発生】


 確認してみたが、どうやら、キリエのスキルも複合の対象になるようだ。キリエ側に変化は無いけど。


・ライトニングアクセル『雷の如く加速する』

・雷電纏『雷を纏わせる。自分にも可能』

・爆雷刃『電龍によって強化された衝撃刃』

・召龍:参式『無意味。あと3龍』


 ライトアクセル、補強、衝撃刃、召龍:弐式、がそれぞれ変化したようだ。補強が雷電纏になる意味が全然分からないが。

 それにしても、使ったことの無いスキルが消えてしまうのは少しもったいない気がするな。ここを出たら特訓と称して、一回全部使ってみるか。



 20層。またもやいきなりボスステージ。


 現れたのは一つ目の巨人。右手には大きな棍棒を持っている。サイクロプスといった所だろうか。

 早速、ライトニングアクセルを発動する。私の体は、明るい黄緑色の電気を纏う。少し走って後ろに回ってみる。

 そんなに変わらないだろうと思っていたのだが、そんなことは無かった。雷の如くと言うだけあって、凄まじく速くなっている。この大部屋は一辺100メートル位ある大部屋だが、1秒もあれば一週出来る位速い。まぁ元々のスペックもあるが。そして、私の踏んだ地面は、若干の時間帯電し、私の後ろにも軽く残像が残る。

 凄まじく楽しいな。でも、敵を前にして羽虫のように飛び回っているんじゃ意味が無い。


 私は壁に向かって走る。そして三角飛び。圧倒的な加速力によって、弾丸の如く飛び出し、マンティコアにもどる。その勢いのまま獄炎突進だ。

 サイクロプスは、胸に大きな風穴を空け、そこから広がった獄炎に焼き尽くされた。

 再び魔人に変身して、華麗に着地。我ながら格好良く倒したな。いつもこんな風に臨機応変に戦うべきだな。


「お見事です。だいぶ回復したので、次の階からまた私も参加させていただきますね。」

 エドワードさんも復活したようだ。

 そういえばコイツはスキル無しか。ミノタウロスちゃんのこともあるし、脳筋系はスキル無しかな。


 さて、次辺りからは、しっかりと宝箱を探していきましょうか。

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