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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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64話 買い出しとご飯

 ガリスさんの店は、相変わらず無防備だ。品物が並んでいるにも関わらず、店には誰もいない。やはり奥の工房からは何かを作っている音が聞こえる。

 キリエは武器なんかに興味津々である。この子の好きな物がよく分からん…

 

 ふむ。大剣というのも脳筋臭があって良いな…重い物は扱えないから、今後使う機会は無いだろうけど。それにしてもガリスさんの作った物は皆素晴らしいな。趣向が凝らされていたり、実用性重視だったり、様々ではあるが、全て、ただならぬ風格を持っている。

 ちなみに、武器が大半を占めているが、それ以外も少しはある。流石はモンスター加工の職人と言ったところか。


 そんなことを思っていると奥からガリスさんが出てきた。

「おう、嬢ちゃん、聞いたぜ。エドワードと一緒にカルグル地下迷宮に行くらしいじゃねえか。さっき準備に来たエドワードから聞いたぜ?頑張って来いよ?」

 そういえばこの人エドワードさんと仲良いんだったな。

「それは別としてよ、嬢ちゃん未開の砂漠を踏破したらしいじゃねぇか。モンスターの素材とか、あるんだろ?ちょいと見せてくれよ」

 今度は、新しいおもちゃを前にした子供みたいな顔になったガリスさん。


 とりあえず素材を奥の倉庫を借りて広げる。かなりてんこ盛りになった素材の山がそこに出来上がった。我ながら大量だぜ…


 ガリスさんは興奮した様子で素材を見ていたが、ある物を見た瞬間にその動きを止めた。

 それは邪悪なオーラを纏っているかのような、触ったら呪われそうな、バフォメットの巻き角だった。そして、近場にあった、巨大な鉈を見ると、更にはしゃぎ出す。

「嬢ちゃん、スゲぇなコレ!長いこと職人やってるが、コイツを見るのは二回目だぜ…」


 妙にキラキラした目でバフォメットの素材を見るガリスさん。そうだ。加工して貰おうかな。私が持ってても仕方ないし。予備の剣があっても良いだろう。グレイスオブクイーンに『不壊属性』がついていない以上、いつかは壊れるわけだしね。

「コレで以前作って貰った剣と同じ感じの物を作って貰う事って出来ますか?」

 と、訪ねると、意外な答えが返ってきた。

「そりゃ願っても見ねぇ事だが、一つ注意がある。コイツで出来た武器は使用者に登録された者を呪う事があるんだ。確か、敵からの魔法ダメージが増加する代わりに攻撃力が上がる的な奴だったと思うんだが。あ、勿論装備時だけだぜ?それでも大丈夫か?」

 また脳筋の呪いか。素晴らしいじゃないか。


「是非お願いします。」と私が言うと、ガリスさんは職人魂に火がついたのか、鉈と巻き角を持ち上げる。良くあんな鉈を持てる物だと感心していると、

「明日の朝までには作っといてやるぜ。金は金貨1枚で良い。」と言って、私から髪の毛を1本受け取ると、工房へ入っていった。


 ちなみにキリエはマイペースに素材を眺めている。「しまうぞー」と言うと、少し残念そうに手を放して私のそばに来る。可愛い。


 ふむ。まだ時間はあるな。お昼は過ぎているようだし、少し遅めのご飯にするか。


 ちなみに、魔物というのは、便利な体で、あまり食事や栄養を必要としないようだ。だが、体のつくりが人間に近ければ近いほど、お腹は空く。つまり魔人の私や亜人さんなんかはお腹が普通に減ると言うわけだ。マンティコアの姿でお腹が減らないのは、人間からかけ離れているからだと思う。


 とりあえずお昼も屋台で買い食いをしよう。キリエに何が食べたいのか聞いてみる。すると、しばらく見渡した後に、ケバブのような屋台に目をつけて「……あれ」と言う。可愛い。

 どうやらプチボアの肉をケバブ風に焼いたようだ。味はタレがしみていて大変美味しゅうございました。お値段は二人で銀貨一枚。


 この後は買い出しに出る。食材を中心に買おう。ダンジョン内でも料理出来るならしたい。今夜はなんにしようかなぁ…肉続きだけど…でもさっぱりしてれば良いか。


 その後は夕方まで買い物をして過ごしました。金貨5枚でかなりの量が買えて良かった。これならばダンジョン内でも困らないだろう。


 さてと。家に帰って来たところで料理開始だ。キリエは「…疲れたぁ」とか言って、先にお風呂に入ってます。


 本日の献立は冷しゃぶにしよう。食材は買ってきたフォレストボアの肉(しゃぶしゃぶ用)400g。前食べたときは癖が無くて美味しかった。

 先にキャベツを茹でておきましょう。これは柔らかくなるまで適当な感じで。

 そしたら冷しゃぶに取りかかる。

 まずは水を1リットル半と、砂糖大さじ1~2、お好みで料理酒を鍋に入れようね。

 そしたら沸騰させる。沸騰してきたら、30秒くらい様子を見ながら冷ました後で、お肉を入れよう。一枚ずつ。かき混ぜながら入れるのがポイント。

 色が変わったら、引き上げて水に入れよう。固めが好みならば氷水。柔らかめが良いなら普通の水が良いかな。今回は普通の水で。

 そしたら、茹でておいたキャベツの上に盛って完成。キャベツに軽く鰹節を振っても良いかもしれない。あと、下の野菜はお好みで変更しても良いかもね。

 私はポン酢やめんつゆで食べるのが好きだからキャベツにした。ドレッシングで食べたいなら、紫タマネギなんかも良いかもしれない。


 さて、副菜と行こうか。黄色が欲しいから、きんぴらにしようかな。材料はジャガイモと人参で。王道だね。

 じゃがを2個に対して、人参3/1位が良いバランスだと思う。二つとも、薄切りにしてから千切りに。

 切ったら、フライパンか、小さい鍋にごま油を軽く引く。そしたらさっき切った二つをぶち込む。

 なんとなくジャガイモが透き通ってきたら、大さじ1くらいの砂糖を適当にぶち込む。私はここで鰹だしを入れるのも好きだけど、まぁお好みで。

 さらにしなっとしたら、醤油をぶち込む。大さじ1が適量らしいが、濃い味信教の私は、結構適当に入れます。

 全体に回るように炒めたら、味見をして、薄かったら塩を入れる。良い感じになったら完成だ。


 ご飯も無いわけだし、少し足りなそうなので、大根の味噌汁を作りましょう。この世界に味噌があって良かったぜ…

 凄い簡単だよ?水を沸騰させる。大根入れる。透明になったら昆布だしと味噌入れる。ハイ終わり。



 よし。これで結構手抜きだけど夕食完成だね。

 キリエがあがってきたので、ご飯にしようか。


 キリエはご飯を見ると、「…おお…ツボミ…凄い」って言ってる。フハハ。そうだろう。手抜きだけどもっと褒めるが良いぞ。

 それではいただきまーす。


 冷しゃぶは今回は昆布つゆで頂こうか。まずは一口。

 うむ。さっぱりしてる。ふつうに美味しいね。

 きんぴらとおつゆも素朴な感じで美味しかった。

 キリエも笑顔で食べてくれて良かったぜ。


 さて、明日から頑張りますかね。

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