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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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63話 エドワードさんからの依頼

今回は気持ち短めです。

 うーむ。なかなか良い依頼が無いなぁ…出来るだけ難易度が高い依頼を受けたいんだが…ここは立地的にあまり強いモンスターが出ないらしい。


 じゃあ先にお二人に挨拶するか。

 解体所へ向かおう。ついでに前に狩ったプチボアも肉にして貰うことにする。料理できるわけだし、素材の確保はしておきたいね。


 解体所が…休業中だと…?

 解体所の前に来た私の視界に入ったのは「休業中。ご用の方は受付まで。」と書かれた看板だった。仕方ない。受付で軽い依頼でも受けてくるか。戻ってくれば開いてるかな?


 受付に再び戻る。すると受付の子が、前に私を担当してくれた子になっていた。交代制なんだろう。

 その受付ちゃんは、私を見ると、急にこそこそし出して、私にちょいちょいと、手招きをする。ちなみにキリエは人混みが得意では無いのか、私の袖を軽く握っている。可愛い。


「ツボミ様?聞きましたよ。未開の砂漠を踏破したとか。凄いですね。」と、受付ちゃんはこそっと私に言った。どうやら公では無いが、ギルドの中では私が踏破したことが伝わっているらしい。

「それでですね、実はツボミ様が来られたら、ギルドマスター室にお通しするように言われてるんですが、お時間大丈夫ですか?」

 どうやら次はモーラウッドに向かうと言ったことまで伝わっているようだ。

 私が「大丈夫ですよ。」と言うと、受付ちゃんは奥へと案内してくれた。なんとなく職員が慌ただしく働いている気配が伝わってくる。


 マスター室に入ると、エドワードさんとリカルドさんが、神妙な面持ちで迎えてくれた。エドワードさんはどこかやつれたような。リカルドさんはエドワードさんを心配しているかのような感じだった。ちなみに、リカルドさんは副ギルドマスターだったりする。


 私が、どうかしたのかと聞くと、エドワードさんが覚悟を決めたように口を開く。


「ツボミ様。実は折り入ってお願いがあります。私と一緒に、カルグルの町にあるダンジョンに潜っていただけませんかな。と言うのも、そこの深層部には万病に効くとされる薬が眠っているのですが。どうしてもそれが必要になってしまったのです。私事を持ち出すなんてギルドマスター失格ですが、どうかお願いできませんか。」

 私が急な話に困惑していると、

「姉ちゃん、どうか引き受けてやってくれねぇか。うちのマスターがこんな我が儘を言うのなんて何十年ぶりかなんだ。俺からも頼む。」

 と、リカルドさんも頭を下げる。


 そんな薬が必要で、尚且つマスター自身が出向くなんて何があったんだろうか。

「良いですよ。引き受けます。でも何があったんですか?」

「そうでしたな。私としたことが説明を忘れるとは。本当に個人的な話になるのですが、実は私の娘が難病にかかってしまいましてな。治癒術士も、カルグルダンジョンの薬が無いと治せないと言っておりまして。いても立ってもいられないわけです。ただし、私一人では深層までいけても、最深部までいけるかが不安なのです。そこで、あの未開の砂漠を踏破したツボミ様に協力をしていただきたいのです。」

 本来ならば、身内のためにマスターともある人が、その町を開けるのは良くないんだろう。


 ただし、私は身内が死んでしまう恐怖を知っている。ならば未然に防がねば。

 とりあえずエドワードさんがどれだけ強いのか知りたいな…

「エドワードさんのステータスが知りたいんですが、大丈夫ですか?」

 と聞いてみる。で、聞いた後に気づいたんだが、ステータスって普通の人でも見れるんだろうか。聞いてはいけないことだったか?


 だが、帰ってきたのは意外な答えだった。

「そういえば最近更新していませんでしたね。少々お待ちください。」

 ん?なんだろうか。エドワードさんは奥から箱のような機械を持って来た。

「姉ちゃんが不思議な顔してるから教えるけどよ、これはステータスボックス。受付に言えばAランク以上の冒険者なら金貨1枚で使えるんだが、コイツは自分のステータスを紙に移してくれるんだ。スゲぇだろ?」

 と、リカルドさんが説明してくれる。


 エドワードさんがその箱の上に手をかざすと、箱がぴかぴか光り始める。しばらくすると、一枚の紙が、箱から出てきた。

「ふむ。こんな感じになっております。」

 そう言って見せてくれた紙には簡素ながらもステータスが書かれていた。


〔レベル〕      98

〔 体力 〕   3420

〔 攻撃力 〕  9278

〔 耐久力 〕  2867

〔 素早さ 〕  9870

〔 魔力 〕   3432


 

「私はスピードアタッカーでして、体力と耐久は低いですが、攻撃と素早さには自身がありますぞ」

 とドヤ顔をするエドワードさん。

「いやぁ、旦那のステータスはいつ見てもスゲぇな」

 と、リカルドさん。


 あれ?思ってたよりも低いな…なんかセリアさんが「骸剣のエドワード」とか二つ名を言ってたから私よりも強いかも、とか思ってたけどそんなこと無かった…私たちがぶっ壊れなのか…


「ツボミ様達もどうぞ。お金は要りませんよ」

 あっこれは不味いかもしれない。ダンジョンに潜る前からエドワードさんのモチベを下げてしまうかも…ただでさえ娘がヤバイって言ってるのに…

 

 私がそんなことを考えていると、箱が再び光を放つ。箱の前には興味津々のキリエが。多分日頃から自分の強さが気になっていたのだろう。少し鼻息が荒い。


〔レベル〕     208

〔 体力 〕  29200

〔 攻撃力 〕  9023

〔 耐久力 〕 27795

〔 素早さ 〕  8879

〔 魔力 〕  21984


 うーん。やってしまったか…リカルドさんが大口を開けたまま固まってしまっている。エドワードさんも尋常じゃ無いくらい驚いている。

 キリエが「…ツボミも」と言っている。ええい!なるようになれ!


〔レベル〕     128

〔 体力 〕   6290

〔 攻撃力 〕 26000

〔 耐久力 〕  6980

〔 素早さ 〕 17060

〔 魔力 〕  18790


 うむ。装備の分も反映されてるね。

 お二人は諦めた顔をしているが、エドワードさんは真面目な顔に戻って口を開く。

「ご協力感謝いたします。お二人が心強過ぎるのですが、私も頑張りますぞ。では集合は明日の朝に町の正門前に致しましょう」

「了解です」と答えて部屋を出る私。キリエは「……ツボミの火力がおかしい…」とかぶつぶつ言ってる。


 さて。明日の朝までは何をしていようか。

 ガリスさんの所にでも行ってみようかな。

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