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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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砂漠の町


 アシトラの町の中心には巨大なオアシスがあり、その周囲を取り囲むように建物が立ち並んでいる。

どこもかしこも人通りが多く、かなり賑わっているようだ。


 オアシスと言っても石畳の通路に囲まれて整備されており、ただの湖のようだ。 と言ってもオアシス自体、湖みたいな物か。


 しかし、定住には向かないのか、旅の宿が何軒もある割には民家があまり見当たらない。



 しばらくオアシス沿いの街道を進んだ場所に『アシトラギルド』と書かれた看板を見つけた。


 白い壁でそこそこ目立つようになっており、モーラの時のように冒険者でいっぱいだ。

と言うか、この町はダンジョンの側だけあって町中でも冒険者比率が高いのだ。


 

 ギルド内に入っていくと、ひときわ目立つ、長蛇の列があった。「15分待ち」と書かれた看板の先には『未開の砂漠 入場受付』の文字が。 私も並ぶか…と思い、最後尾についた。



 15分も経たない頃に私の番は回ってきた。「初めてですか?」と聞かれたので頷いておく。


 すると、簡単な説明をしてくれた。 纏めると、一定距離分奥に進むとボスバトルと言う物が始まり、周りを障壁で囲まれてしまうので、出現するボスを倒さないとそこから出られないらしい。


 あと、ボスを倒すと宝箱が現れて、なんか色々入ってるらしい。 でも、ボスが現れる兆しは分からないから奥へ入るときは万全の準備を整えると良いと言われた。


 そして私は出された紙にサインする。更に銀貨1枚を払う。コレで未開の砂漠に入って良いみたい。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 お腹空いたなぁ。朝食べてないしどこか適当に入って食べよう。 とりあえずギルドから徒歩3分くらいの距離にあった店に入ってみる。


 おや?嗅いだことのある匂いだ。このスパイシーな匂い…カレーだな…


 コレは食べるしか無い。メニューを見てみると特製カレーって言うのがあった。説明によると、スパイスにもこだわってあるらしい。 他にも定食とかあるけど、カレーにしよう。それが良い。



 頼んでから数分後、お皿に半分盛られたご飯と、銀のランプみたいな容器に入ったカレーが運ばれてきた。 まず、ルーをご飯にかけた瞬間、良い匂いが漂ってくる。


 具材はぱっと見る限り人参とジャガイモ、あとは豚肉、かな? かなりシンプルなポークカレーだね。



 早速食べてみる。 中辛程度のほどよい辛さとほんのりとした優しい甘みが、具材の美味しさを引き立てつつ、ご飯ともマッチさせている。


 さらに決め手はこのスパイスだ。こだわっていると言うだけあってそれぞれの味が絡み合い、雑妙なバランスを生み出している。


 美味しい…。心の底から素直にそう思った。



 完食。 お代は銅貨8枚。この美味しさでこれは安いかもしれない。


 さて、美味しい物も食べたところで、早速だが未開の砂漠へと向かうとしよう。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 




 未開の砂漠の空には禍々しい暗雲が立ちこめており、いかにも難関といった感じが漂っている。 今回の目的はレベル上げ。とりあえず行けるところまで行って、難しくなったら引き返そう。 攻略が目的じゃないし、わざわざ無理する必要は無いね。 しかもまだ踏破されてない難易度らしいし、多分そんなにいけないだろう。


 それにしても人多いな…。こんなに人目があると迂闊にマンティコアにもなれない…。 この機会に人間の姿での戦闘もやってみようかな。


 周りにはパーティー組んでる人たちが多い。 私みたいなぼっちは全く見えないね。



 さて、早速行こうか。ここから見るとちょうど東の方に、人のいない絶好の狩り場がある。


 見える限りのモンスターを魔眼で確認してみる。詳細な説明は省いても良いだろう。


・プチボア Fランク

・サンドボア Fランク

・サンドバード Fランク

・ビッグアント Eランク


 うむ。本当に初心者向けだな。言い練習になりそうだ。


 私は近場にいた茶色い鳥に向かって走る。全力でジャンプすれば届きそうだ。 そして勢いをつけて両足で跳躍。 以外と人の姿も馬鹿にならない身体能力だな。 


 斬りつけられ、豆腐を切るようにスパッと真っ二つになった鳥は光となって消えてゆき、後には羽が残った。


【サンドバードの羽】

 加工しやすい。


 魔眼先輩、とても分かりやすい説明をありがとう。


 それよりも、問題にすべきなのは切れ味の方だ。 “強いぞ”みたいなこと書いてあったけど、ここまで凄いとは思わなかった。



 この辺りの敵もこの調子で倒していきますか。


 すぐ近くに見えた大きなアリに一撃を浴びせ、そのままの勢いで近くにいたプチボアよりも一回り大きな猪を斬りつける。


 もれなく全てワンパンだったが、ドロップ品は【ビッグアントの顎】しか無かった。


 全てのモンスターが落とす訳ではないようだな。 確率だろうか。


 そういえば、剣術スキルのおかげなのか、剣の扱いの感覚がつかめている気がする。



 

 しばらく敵を倒しながら進んでいると、突然、私の周りに薄紫色の光の壁が現れた。広さはそれなりだろうか。走り回るには狭いけど1対1の戦いには支障ない感じ。


 話に聞くボス部屋って奴だろう。どんな奴が来るんだろうか。


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