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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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戦場へ



 数日経ち、国民達にも緊張ムードが浸透してきた頃、ついに待ちに待った、最高に嬉しくない連絡が入った。


 リスティの国境付近に大量の兵器や兵隊が配備されたらしい。


 それに伴って、フリードからの援軍も駆けつけ、もうどこを歩いてもピリピリした戦争ムードとなってしまった。


 フリードからの援軍を率いてきたのは光の弓を担ぐ雫であった。 おそらくフリードの王様が私との連携でも考えて少しでも気心の知れる雫を送ってくれたに違いない。


 しかし、お姫様に忍者、そして雫までこちらにつけてしまってはラネシエル側に送る援軍はどうするのだろうか。 ……重要度を考えてこちらを取ったのだろうか。二国を経由するのと一国だけ経由するのでの安全度の差とかだろうか。


 まぁ気にしても仕方あるまい。温情に甘えるとしよう。


 そういえば雫さん、以前私にボコボコにされたのが悔しくて悔しくて仕方なかったらしく、バグったように強くなったらしい。心強くて良いね。



 ……こんな風にのんびりしているが、今から戦場に向かうゴリゴリの緊張ムード真っ只中である。


 先陣を切る事になったツバキと雫は緊張してカチカチだし、同じく先頭に立つキリエは私の膝の上に座ってのんびりしている。


 ちなみに、物資も多いので馬車での移動であるが、エドワードさんやフィリップさん、パチンカスのおっさんのギルマス3人衆は仲間達に話しかけて緊張をほぐしているようだ。 本人達も気が気でないのだろうが、これがギルドマスターたる所以なのだろう。



 しばらく進んだところで、私は自分の位置に移動するため、分かれることになる。


 意思疎通や通信に関しては、私と百鬼夜行達がテレパシー的ななにがしで繋がっているため、特に問題は無い。


 罠を大量に仕掛けた区域も教えておいたし、まぁなんとかなるだろう。


 と言う事で事前に調べておいた場所に到着。 いつ来てもここは素晴らしい。武器の配備を始めるとするか。




 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 




 僕が先陣を切るなんて、一体何年ぶりなんだ…。 あの大戦の終幕はアイリスが居たからこそヤケクソになれたが、今は違う。


 ツボミも急に頼りなくなるし、一体どうしたんだろうか。 アイリスも協力してくれたら良いのに、「私の役目はもう終わったのさ」とかなんとか言って行方をくらますし…。


 チラッと横を見ると、そこにはガチガチに固まった雫が。


「雫も緊張してるのかい?」


「そりゃそうさ。でもちょっと違ってね…。怖いんだよ…。なんて言ったって初めての対人戦だからね…。モンスターや模擬戦とは訳が違うよ。スパイとかとも違って、全力で殺しに行くわけだしね」


 ふっ…。まるで最初の頃の僕を眺めているようじゃないか。


 こんな少女を見て、まだ青いなと思う感情が1ミリでも出てくる辺り、僕も相当スレてしまったのだろう。



 ……そして。


 僕達は戦場となる平原にやってきた。


 進みすぎるのは危険だ。うちの発狂担当が有り得ない量の罠を張っているらしいから、誤爆で死ぬのなんてまっぴらゴメンさ。


 この辺りに陣を置いて、その前方で戦うとしよう。


「ねぇツバキ、ちょっと様子見てこようよ。死神さんも連れて行けば罠は大丈夫でしょ?」


「……そうだねぇ。どちらかというと僕は罠の位置を把握したいしねぇ。」


 そんな会話を横で聞いていた死神はツボミと何らかの連絡を取って、僕たちを案内してくれた。


 連中を視界に納めるための道中だけでも数十回注意されるほどの罠の量。どうやら空中にもあるようだ。


 ツボミはこういう事に関してはプロよりプロと言える。凝り性なのか心配性なのか、それとも全力で殺しにかかってるのか、避けた相手がかかる罠なんて発展的な物まで用意するのだからタチが悪い。


 そんなフラストレーションを湧かせながら歩いていると、急に雫が立ち止まる。


「ツ、ツバキ…。あれ……」


 雫が震えながら指さした方向に並び立つのは目視で数万を超える鋼の巨体。


 その周囲には小型の個体や武装した兵士が進軍してくるのが見えた。


 ……マズい。先手を取られたか…!


 早急に戻って迎え撃たなくては……!



今更になって気がつきましたが、雫の、双剣を使う弓兵って設定、赤いマントの格好いいアイツとドン被りじゃん!

きっと雫も極めたら剣を無限射出するようになるんだろうなぁ(適当)


次回更新は2月18日(日)の20:00以降です。


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