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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
136/158

ポーカー




 ツボミの向かったポーカーのブースには、大きな人だかりが出来ていた。


 囲まれているのは1人でテーブルにつくツボミ。一体何があったのだろうか。


「あの人、何かあったのかい?」


 近くにいたおじさんに聞いてみることにした。


「俺が聞いた話だと、あの人が強すぎて、今からこの店で一番強い人が相手するらしいぜ」


 ええ、ツボミやり過ぎじゃ…。



 集団内にざわめきが起こる。どうやら最強のディーラーが到着したらしい。


 行われるゲームはクローズドのファイブカードドロー。最もメジャーかも知れない奴だ。


「お待たせして申し訳ありません、お客様。ここからは私がお相手をさせて頂きます」


「んー。よろしくー」


 ツボミが、早く始めようぜ、とアンティを払ったことによって素早く手札が配られる。


 ちらりと手札を見るツボミ。そして。


「そんじゃ私は1000枚ベット。そっちは?」


 んなっ!? ここではチップ1枚は金貨1枚。 あの馬鹿、なんて額を…。それほど手札が良いのだろうか。


「いいでしょう。お受けします。コール」


「へぇ、良い度胸。嫌いじゃないね」


 ツボミはニヤリと笑いながら手札を2枚捨て、その分だけ引いた。 相手のディーラーは3枚交換のようだ。


「このまんまコール」


「……なかなかの強者とお見受け致しました。しかし、逃げるわけには参りません。私もコールさせて頂きます」


 お互いの手札が公開される。



 ツボミの手札は6が3枚、7が2枚のフルハウス。相手は3が3枚、4が2枚のフルハウス。 同じ役だが、ツボミの方がカードの強さが上。 ツボミの勝ちである。


「おー。危なかった。ともかく4000ごちそうさま」


「お次はどうされますか?」


 ツボミは無言でアンティを払う。 続けるつもりだ。


 再び5枚のカードが配られる。そして。


「今の4000全部ベット」


 コイツやりやがった…。


「……今度は先程のようには参りません。コール」


 相手も引かない。


 しかし、一瞬だけ見えたツボミの表情から、僕は読み取ってしまった。


 ツボミは今、新しい玩具を見つけた子供のような表情を浮かべている。しかし、そこには純粋な子供が抱くはずもないような、邪悪な闘志が籠もっていた。


 ともかく、相手をカモとしか思っていないような、そんな表情だった。



 お互いに3枚のカードを引き直す。


「コール」


「……即断。かなり良い手札なのでしょう。運も貴方の味方と言う事でしょうか。しかし、幸運の女神は最後までどちらに微笑むかわからない物です。コール」


 ディーラーの手札には9が4枚。9のフォーオブアカインドだ。これは勝負あったか?


「うわぁ、良いの揃えるなぁ」


 悔しげな顔でツボミが出した手札は2-3-4-5-6のストレート。 そして全てのカードがスペードで揃っていた。


 ストレートフラッシュ。滅多に揃わない役だ。 またしてもツボミの勝ちである。


 ……こいつ、どこまで強いんだ…。





カジノ編は次回で終了です。

書いていて楽しいんですよね。以前から書きたいとは思っていました。


また、インフルエンザが流行りだしたようですね。

最近は冷え込んできていますし、皆様もお気をつけ下さい。



次回更新は1月27日(土)の20:00予定です。

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