休日
キリエやツバキと分かれたのは現実では昨日だが、私としてはかなり長い時間であった。
久しぶりにキリエ成分を補充したいし、ツバキとはアイリスについていくらか話をするべきであろう。
つまりは疲れたから休みたいと、まぁそう言う事である。
だって考えてもみて欲しいんだ。 晩年だけとはいえ自分の人生を振り返るように体験した訳だし、その体験期間だって移動とかそんなの合せて軽く半年くらいだよ? そんで色々やって、結局自決したんだよ? そりゃあ疲れるって。
まぁそんなわけで心の保養もかねて、今日は1日を謳歌しようと決めたのです。 昨日は1日スキル制作だけで終わってしまったからね。
と言う訳で朝っぱらからキリエちゃんのオフトゥンに潜り込んでおります。 添い寝、と言う奴でしょうか。バレたら通報されかねないですね。
しっかし、すぅすぅと寝息を立てるキリエさんは見ていて飽きません。このあどけない表情はまさに天使の賜物です。
「ツボミ、君はそろそろヤバいよ…。絶対にどうかしてるって…。」
「あぁ、おはよう、ツバキ」
ゴミを見るような目で見られてしまい、仕方なくもぞもぞと布団から抜け出す。
ばさりとカーテンを開くと、心地よい朝の日差しが差し込んできた。
「………んん…むぅ……」
どうやらキリエさんもお目覚めの模様。
雲1つ無い快晴である。
「今日はどっか出かけない?驚異的に休日が欲しい」
「はぁ、暢気なもんだねぇ。まぁ僕は良いよ。」
「……ついてく…」
よし。決まりだ。
「どこ行こうか。私、名所とか知らないんだよね」
「とは言っても人間領なんてまわり尽くしたしねぇ。どこか行きたい所って言われてもなぁ…。キリエ、どこかあるかい?」
「……崖の町……見てない……」
崖の町…。カルグルか。
そういえばあそこは早急にダンジョンに潜って、観光もせずに帰って来たっけか。
「ツバキの死地か…。行く?」
「それなら僕が案内してあげるよ。けっこう何も無いところだけどね。」
「……ん…」
そんな訳でカルグルデートが決まったのだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
見てしまった……。 赤髪赤目の巨乳女…。
うっそマジか…。早くない? 私は私の道を行くから君は君で頑張ってくれたまえ、みたいなことを言って分かれたはずなのに、もう此処で会う?
生憎ツバキは気がついていなかったようだ。 ここは見てみなかったふりをするしかないな…。
「おや。こんなにすぐに再会するとはね。私が恋しくなったかい?」
うっわ向こうから来た……。
「……え?……アイ…リス……?」
ほらこっちも困惑してる…。黙っていようと思ったのに…。
め、面倒くさくなりそうだ…。 私の休日が…。
唐突ですが、近く海外に行くことになりました。次回更新はしますが、そこから一週間近く更新が停止しそうですので、今のうちに告知しておきます。
次回更新は1月17日(水)の20:00予定です。