過去編:真実(前編)
会談は、大会後に再び開かれた。
「今回の同名の話、受けさせて貰おう」
第一声は砂漠の長のその言葉だった。
「武勇を証明してくれと言ったのは俺だし、2人はそれに見合うだけのものを見せてくれた。断る理由は無い」
……食料とか、何も解決していない気がする。 でも、これだから熱い奴らは嫌いになれないのだ。
交渉は成立。これで、同盟はかなりの規模になっただろう。
一度、同盟に参加している全代表を集めるべきだ。 そうツバキに言うと、ツバキも快く同意し、森方面に呼びかけに向かってくれた。
私も例の3人と砂漠の長を連れて、待ち合わせ場所の獣人の領域へ。
しばらくして、ツバキと、その背に乗ったエルフ連合の代表者達が現れる。 これで全員集合だ。
集結したメンバーの中には見知らぬ顔もあり、あれから様々な種族が加盟したと言う事を意味している。
こんな数日でこのような大規模なことをやり遂げるとは思ってもいなかった。ツバキのおかげだろうか。それとも、魔物達は皆、こうなることを望んでいたのだろうか。
兎にも角にも、獣人族はほぼ全ての種族が加盟し、更にはワービーストまで加盟している次第。 獣人達は人口が多いこともあって、彼らだけでもかなりの規模となっている。
私がここに代表者達を集めた理由。 それは真実を打ち明けるためだ。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ツバキ、私は君に謝っておかないといけない」
「ん?どういうこと?」
「今まで私は、ツバキを騙していた事になるのかも知れない。 これから皆に話す前に、一度謝っておきたかったんだ」
ツバキに謝罪を述べた後、群衆の前に向かって足を進める。
「諸君。良く集まってくれた。 これから、今この世界に起こっていることを話そう」
そう言って私は真上を指さした。
「まずはこの雲に覆われた空だ。これが広がってから大戦が始まった。 そして、次に人間だ。侵攻はいつも奴らから。そして初めての侵攻はこの雲が広がった日からだ。 都合が良すぎるとは思わないか?」
それを聞いて、エルフのリーダーが歩み出た。
「つまり、黒幕は人間だと、そう言う事か?」
「いいや、違う。 人間にこれほど大規模なことは出来ない。しかし、神かそれに等しい者が人間の裏で糸を引いていると考えてみるとどうだ?」
「……確かに不自然じゃ無いが、現実味に欠けるな」
砂漠の長が苦言を飛ばす。仕方の無いことだろう。
「証拠はあるのですか?」
鳥人族の長が、沈黙を破って口を開く。
証拠…。明確な物は無い。しかし、私が監視者である事を信用させれば私の発言力はかなりの物となるはずだ。
「率直に聞くが、私が監視者だと言って信じる者は居るか?」
自分で手を上げ、挙手を募るが、上がった腕は4本だけ。 やはり無理か。
「ここからは信用しても、しなくても良い。 もうしばらくすると、奴は地上を滅ぼすために大量のモンスターを解き放つだろう。 各々でそれに備えろ。私はその間に奴を叩きに行く。 しかし、龍族は信用するな。ツバキ以外の龍族は既に奴の操りの糸に絡め取られている。 ……私からは以上だ」
私は早々にその場を立ち去ることにした。 ツバキが追いかけてきてくれるのではないか、という期待を抱きながら。
各地でスキー場が開き始めましたね。
今年、個人的に気になっているのは、新潟県の新井リゾートという所ですね。
何でも、昔あった場所を某大手企業のロッ○が買い取ってリニューアルしたんだとか。
2歳の頃からスキーやってますし、今年中に1回は行ってみたいです。どんなところなんでしょうか。
次回更新は12月21日(木)の20:00予定です。