武と合流
雫達に合流するため、元来た道を引き返す。
その途中で、運悪く武達にぶつかってしまった。
「ええい!次から次へと鬱陶しい!大人しく道を開けるのだ!」
両腕に槍を作り出し、襲いかかる警備員達を次から次へとなぎ倒す武。
……派手にやってんなぁ。これじゃ上層部に情報伝わりまくりじゃないか。これからの調査がやりにくくなるなぁ…。
武の横をささっと通りぬけ、雫達のいる右側へ進む。
雫達も戻ってきていたところで、すぐに合流することが出来た。
「蕾ちゃん、褒めてくれて良いよ?」
「2種類のゴーレムの元になったアーティファクト、発見しました。他の物はありませんでしたが…」
なるほど。デカブツはそっちにあったのか。
「大丈夫。他の武器は私が回収した。多分これで全部だと思うけど…」
「そうですか! では一度引き返しますか?」
「そうしたいところだけど…。あのバカどうする?」
別に私達があいつに加勢してやる義理は無いが、奴の探し求める物が少し気になるところだ。
それに、私達が既に回収しているんだとしたら、奴は何らかの手段で私達を追いかけてきそうな気がする。 それは…とても面倒くさい…。
「……加勢、する?」
しぶしぶと雫が提案する。
「……あんまりバレたくないから私がやるか…」
マンティコアで暴れればあまり弊害を残すこと無く辺りを沈黙させられるだろう。
「雫達は、私がヤバくなったら加勢してくれ」
「りょーかーい」
走りながらマンティコアの姿に戻り、ステルスを解除する。
そして、交戦している集団の背後から、武もろとも突撃した。
「オ゛ラァッ!!」
主に武に直撃した渾身の体当たりは、周りの警備兵を埃のように吹き飛ばし、武も反対側の壁までぶっ飛ばした。
「ぐはッ…この威力、一体何者だ…」
よろよろと動き出す武。
……マジかよ…。今の、割と本気で“あー、これで気絶してくれたら楽だな”って思って、結構全力で行ったんだぞ…。
「武が探してる奴、この中にある?」
「む?誰かと思えば、不死鳥殿ではないか!このような場所で合うとはな!ヌハハハハ!!」
ガン無視してトランクを全て取り出す。
いくつか開けていた武だが、四つめを開けたところで大声を上げた。
「おお!これだこれだ!!不死鳥殿、感謝致す!」
そう言って武が取り出したのは、ペンダントのような物だった。
……? こんなの、生産ラインには無かったぞ…?
やめて…雪さんまだ降らないで…あと一週間待って…。
まだ冬支度終わってないの…。もうちょっと待って…。
次回更新は11月20日(月)の20:00です。