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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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侵入



 一夜を明かし、翌日になった。


 ただいま、最北端を西から東へ移動し、これから南下するところだ。


 幸い、野宿中に何かに襲われたりはしなかったが、その代わりに、朝起きてからの全身の痛みに襲われた。 固い地面で眠るとこうなるのは万国万人共通だろう。



 ただ歩くだけと言うのも、なかなか退屈なので、すぐにくだらない雑談が始まり、そしてすぐに終わる。


 そんなことを何十回か繰り返した頃だった。



「蕾ちゃん、あっちの方、なんか変じゃない?」


 雫が指さした方向は、確かに草木が撤去され、道のようになっていた。


 しかし、一般の道かもしれないし、喜ぶのはまだまだ先だ。


「とりあえず、辿ってみるか」



 その道は地面に車輪のような跡が残っており、車なんて無いこの世界においては、台車か何かで物を運んだという事を現わしていた。


 しばらく辿っても民家などは見当たらない。それどころか、どんどん森の奥深くへ入っていくようだった。


 そして行き止まりが現れる。


 そこはただの岩壁だった。


「……これだけ、でしょうか」


「いや、どうやら違うみたいだぞ?」



 よく見ると、その岩壁には明らかに人工的に出来た切れ込みが多数見当たる。


 まるで綺麗に切り出した岩を並べているようだった。


 すると、岩壁に触れた雫が声を上げる。



「……この壁、魔法の気配がする」


 なんかよく分からないこと言い出したぞ…。


「そんなの分かるの?」


「まぁ、私これでも転生勇者だし」


 無茶苦茶な理論だ。


 しかし、壁から魔法の気配…。隠し扉か?



「もしこれが隠し扉だとしたらどうすれば開くの?」


「正規の手順を踏む以外ですと、術式を破壊するか、術式の刻まれている物を破壊すれば良いかと」


 でもそんなことしたらバレるよね。


 やはりここはバレるの覚悟で強行突破か…?



 いや、待てよ。


「岩壁の中だとしても、どこかに排気口か何かがあるんじゃないか?」


「そう…かもしれません…。探してみますか」



 岩壁沿いに歩いて行くと、妙に岩壁と隣接して生えている木が等間隔程度に並んでいることに気がついた。


 これ、なんだか様子がおかしいな…。


「……? これ、作り物か?」


 その木の手触りは巧妙に似せてあるが、周囲の木とは少々異なっている。


「……! これを見て下さい!」


 忍者が指さしたのは木の後ろ側。


 壁との狭い隙間で隠されるように、木の幹がくり抜かれており、その空洞の中には鉄の蓋が。



「ビンゴか。でもこれ、いけるかなぁ…」


 鉄の蓋を取り外すと、そこには地中に繋がる筒があったが、ちょうど小柄な人間1人が通れそうなサイズだ。


 雫はいけるだろう。忍者もだ。 だが私はいけるか…?


 ……詰まったら壊しながらいこう…。



「……誰から行きますか?」


「雫で良いんじゃ無い?雫なら罠とかあっても余裕でしょ?」


「ええ…暴論過ぎるぅ…」


 しかし、私も忍者も耐久力が無いことには自信があるのを理解している雫は、素直に先陣を切って筒に入っていく。


 しばらくして中から「大丈夫だよー」と聞こえてきて、忍者が入り、それに続いて私も向かって行く。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 ちょっと考えたら分かるけど、私は詰まるわけ無いよね。


 いくら2人に比べて体が大きくても、胸が無いもん。胸が、ね?



 どうやら筒はマジで排気口だったらしく、そこを抜けた先は研究者の自室のような場所だった。


 都合良く誰もいなかったので、排気口の枠を取り外し、そこから侵入。



 とりあえず、物色から始めるか。


 もし全く別の施設だったときのダメージがデカすぎるからな。



 そんな感じで、まずは机の上の資料から。


 ……どうやら管理はしっかりされているようでめぼしい物は見つからない。 あるのは数本のペンと紙、そして飲みかけのコーヒーのみだ。


 棚を漁っていた2人も、どうやら芳しくないらしい。


 まだまだ長期戦になりそうな予感がするな。



今更ロックマンエグゼを最初から始めました。

個人的には流星よりも好きです。

3と6が面白いなぁ、と思うんですが、5も人気あるみたいですね。


次回更新は11月11日(土)の20:00です。

ポッキーの日ですね。

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