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魔物で始まる異世界ライフ  作者: 鳥野 肉巻
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リスティごはん(仮)



 考えてみれば当然のことだ。


 人が立ち入らない手つかずの森。そこに野生動物が沢山いるのは至極当然のこと。


 つまり、この世界において野生動物のように暮らしているモンスター達もいるわけだ。


「これ、囲まれた?」


「……多分」


 恐らく数十体はいるだろう。姿はまだ見えていないが、大型の動物型である事は分かる。



 まぁ、この程度の奴らに、遠距離ガン詰みのメンバーが後れを取るわけは無いが、いちおう油断大敵である。


「初撃は忍者にあげる」


 カースオブキングを取り出しながら三人で背中合わせになり、互いの後ろをカバーし合う陣形だ。


 忍者はどこからか苦無を取り出し、茂みに向かって投擲する。


 すると、その茂みの中から牛のような断末魔が生まれ、ズシン、と地面が震動する。



 それがきっかけになったのか、茂みの中から大きな牙を持った牛が集団で突進してきた。


 私に突進する牛は例外なく脳天を打ち抜かれ、雫を狙う牛は天から落ちてく矢に貫かれる。忍者は苦無や手裏剣を連続で投擲し、確実に一体ずつ仕留めていった。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



「おお壮観だねぇ」


 積み上がった肉の塊は数えると16程度。そして私が打ち抜いた数が7。ほぼ半分を私がやったな。


 ちなみに、この肉の山は忍者が手裏剣類を回収している間に私が積んでおいた。 まぁなんとなくだ。



 私が撃った奴は、屍砕きのせいで色々と弾け飛んでおり、ほとんどが使用不可能だ。使えても端っこを切り落としだろう。


 まぁ肉の解体は出来る人にやって貰おうと言うことで忍者の出番だ。


「本当に万能過ぎない?」


「いえ、まぁ訓練の一環で身につけた付け焼き刃ですから。本職の方のようには行きませんよ」



 お肉を解体して貰うのには理由があって、まぁご飯でも食べようかな、と。


 私は食べなくても大丈夫だけど、二人はそうも行かないからね。



 今回は自然の中と言うことで、それを最大限生かして美味しそうに仕上げたいと思う。


 まぁ今までに無いくらいガチで手抜きするだけだが。



 することは何か?石焼きステーキでもやってみようじゃ無いか。


 どうやるかって?任せてくれ。超簡単なんだ。



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 本日の材料はこちら。


・肉:適量

・塩胡椒


 以上。


 おお、なんとハードボイルド。 いや、マジでコレはほとんどバーベキューパーティーとかする時とかについででやるくらいだからこんなもんで良いよ。



 そしてやり方も凄く簡単。


 良い感じのサイズの石を全力で炙ってその上で肉を焼くだけ。


 お肉より大きめの石で、なるべく平らな物を選ぶとグッド。


 あ、今更だけど火傷に気をつけてね。



 BBQ時とかはそこに着火に使ったバーナーがあるじゃろ? でもな?そこに鉄板があるじゃろ? そっちで焼いた方が楽だぞ…!


 あと、石は1回しっかりと洗ってね。色々危ないから。


 それと、生焼けにも注意だ。なるべく牛肉でやって欲しいが、それでも注意だ。



 まぁこんな風に百害あるお料理だが、一利も無い訳では無いんだ。


 何が利点かって?


 ハイになったヤベーテンションを鎮めて冷静になれるんだよ…。


 ……とまぁ冗談は置いておいて、なんか気分的に美味しそうじゃ無い?



 人間の感じる味ってのは、ただの味だけじゃ無くて、匂いや見た目、その時の気分も影響してくるんだ。


 だから、まぁ少しでも要因がプラスに働いたなら美味しく感じてしまうんだよ。


 自然の中で良い匂いの漂わせながら、いい音で石の上で焼けてるお肉……。美味そうじゃ無い?



 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 



 てな訳で手抜きも甚だしいが、忍者が解体してくれたお肉を更に適正サイズに切り分け、さっきの岩壁から石を切り出してくる。


 雫の魔法で洗浄し、弱めのドラゴフレアで熱してガンガンに熱くなった石の完成だ。



 ジュー、といい音を立てて肉が焼き上がり、辺りに良い匂いを漂わせていく。


 まぁ付け合わせ的にもやしでも焼いとけばそれっぽく見えるかな、と言う超理論で付け足し、木の上に石ごとのっけて完成だ。


 塩胡椒で味を調え、いざ食卓へ。



「ほれ、雑でワイルドなステーキが出来たぞー」


「「わーい」」


 手元に置いて見てみると、コレはコレは見事に美味しそうなステーキだ。 まるで高級店で出てきそうなくらいのお肉だ。



「「「頂きまーす」」」



 ナイフをスパッとくわえ込む柔らかいお肉は、口に運ぶと驚異的な肉汁を吐き出し、あっという間に消えていった。


 みずみずしいお肉とは…新食感…。


 歯ごたえアリアリも良いけど、これもまた…イイ!!



「ツボミ様はお料理が得意なのですね。手つきも手慣れていましたし、何より肉の味を引き立てるこの絶妙な味付け。感服致しました」


 ……なんか滅茶苦茶褒めてくれるな。きっとお腹空いていたんだろうな。


 雫なんてもう半分も食べてるぞ。



 もやしって、美味しいよね。安いし、工夫次第でいくらでも変化する、可能性の獣だ。


 今回のようにただ塩胡椒で焼くだけでも美味しいのです。



 まぁ、そんなわけで、


「「「ごちそうさまでしたー!」」」



 お腹もふくれて、モチベも回復した所で、ここから再び探索に移ろうか。


 そういえばこんな風に匂いを漂わせるのも、よく考えたらバレる危険ありだったな。


 慎重に行こうね。



超手抜きごはん!コストは超重いよ!

うっわ全く実用性がねぇ…。

今回参考にしたご飯、今までと違って夏の記憶を頼りにしております。

そのため解説が雑に…。

いや、まぁ直後でも解説すること無いけどね!!


次回更新は11月9日(木)20:00です。

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