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プロローグ2

誤り等がございましたらすみません。プロローグはまだ続きます。

 


 「アル!お前まで何言ってやがる!」



 バロードが驚きと僅かな怒りの表情でアルドを睨む。だが、アルドは表情を崩さないまま続ける。



 「バロードとリリエが言うように罠かも知れない。けど、どのみち話しを聞かない限りこの城には入れそうにない」

 「それはどういうわけだ?」



 バロードが首を傾げて城の門を見るとそこには、賢帝のユーガがこちらの出方を伺うように対峙していた。



 「つまりあれか?。話しを聞かない限りここは通さねーってやつか?。ちっ、胸くそ悪りぃー」

 「まあそれもあるけど、相手があの賢帝だ。ここで意味の無い事は言わないような気がする」

 「ああ………そうかも知れねぇな」



 何か思う事があったのか、バロードはそれ以上は何も言わなかった。

 アルドはバロードから目の前にいるユーガに顔を向けると「提案を聞こう」と口を開いた。

 それに答えてユーガも仮面の下からくぐもった声で応対する。



 「ありがとう。私の提案に答えてくれて感心する」



 ユーガがゆっくりと深く頭を下げた姿を見てバロード以外の一同は戸惑いの色を見せる。



 「いいからさっさと言えや。ぶっ飛ばすぞ」



 バロードが苛立ち気に怒鳴った。



 「これは失礼。では、簡潔に言おう」



 バロードの態度に臆する素振りは見せず淡々とした口調で言う。



 「魔王様がいる玉座の部屋のカギを渡す代わりに、そこにいる聖女様を置いて行ってはくれないだろうか?」

 「「!!!」」



 勇者と聖女を含め全員が驚愕をした。



 「何言ってやがる」



 始めに反応したのはバロード、次にリリエが「そうよ。訳分かんない」と唇を尖らせて叫ぶ。



 「はっ。やっぱり罠だぜ。こいつの言う事に耳をかすんじゃねーぞ」

 「そうよ。エリーを置いて先に行ける訳無いじゃない」

 「今“カギ”と言いました?」



 一歩前へ出ようとするエリーにバロードとリリエが止めようとするが、それを彼女は手で制する。



 「もう少し詳しく聞かせて貰えませんか?」



 ユーガはエリーを仮面の下から見つめるとゆっくりと頷く。



 「魔王様のいる玉座の部屋の扉には仕掛けがあってな。このカギを使って中に入らないと魔王様への道は繋がらないのだよ」

 「繋がらない?」

 「更に言えば全く違う場所に出る事になる。その扉は空間扉ゲートを少し改良したもので、本来の空間扉ゲートとは違って空間扉ゲートから空間扉ゲートへは行けない構造になっている。つまり、カギを使わないと絶対に魔王様の所へは行けないと言う事だ」



 ユーガは懐から白い蛇がうねったような形のした黒いカギを取りだす。

 エリーが神妙な面立ちで押し黙るとそのカギを睨むように見つめる。

 すると隣からバロードが出て来て叫ぶ。



 「そんな話しなんざ信じられるかよ。仮にその話しが本当だとしても、今ここで力づくで奪えば良い」


 腰を低く落として戦闘態勢に入るバロードにユーガは気にする事なく声を発する。



 「君達はここまで来る時に何かおかしいとは思わなかったのかね?」

 「ああ?」

 「確かにおかしかったですね」

 「ええ、そうね」



 エリーとリリエが頷く。



 「何かおかしかったか?」

 「あんたねぇ………」

 「一度も敵と遭遇していない事ですよ」

 「そういやぁ、そうだったな。だが、それがどうした?。別に気にする事じゃねぇだろ?」

 「あんたそれマジで言ってんの?」



 リリエが呆れた様に言うが、バロードは首を傾げるだけである。

 どうやら魔王軍だけではなく、勇者パーティーにも脳筋バカはいるようだ。










お読み頂きありがとうございます。


一応次回でプロローグは終わる予定です。また、プロローグが終わった第一話も丁度半分ぐらいまでは終えてあります。

近いうちに投稿する予定です。すみません。

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