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ドレス工房

長らくお待たせしました!皆様読んでくださりありがとうございます!

神官様と別れた後、同様のやり取りを双子とやり軽くキレかけるというやりとりがありましたがなんとか工房までやって来ました。


扉の前で深呼吸。

ニーナたちにこのイライラした顔を見せるわけにはいけません。

きっと優しい彼らは心配するでしょう。

手鏡をみて笑顔を作るとお母様そっくりの美少女が微笑んでいる。




......よしっ大丈夫だ!

思い切って扉を開ける。




カランカランッ

「ごめんください」


「ごめんなさぁい今日は定休日なのよ~」


安定のヨーダの野太い声がした。

バタバタと慌ただしい足音がこちらに向かってくる。


「あらん、ライラ様じゃなぁいどうかなさったの?」


「ごきげんようヨーダ。ドレスの様子を見にきたのだけど大丈夫かしら?」


「もちろんよぉ♪ライラ様なら大歓迎よぉ」


「ふふっそう言ってくれると嬉しいわ」



ヨーダは嬉しそうにくるりと回ると奥へとあたしの手を引いていく。



「ニーナ!ライラ様よぉ!!」



弾んだ声で部屋に入っていく。

どうやら作業場のようでたくさんのフリルやリボン、そしてドレスが置いてある。

中央の開いたところにトルソーを見つめながらブツブツとつぶやいているニーナの姿があった。

ヨーダの声が聞こえていないのかこちらを見る様子がない。



「んもぅニーナったら集中するとこれなんだから!!」

ぷくっと頬を膨らませる様子はなんだが可愛い気がする。



「ニーナったら!ライラ様がいらっしゃったわ!!」

身体を揺すられてようやくニーナはこちらに気がついたようだ。



「まぁ!ライラ様!!お会いしたかったわ!!」

そういうやいなや私に抱きついてきた。


「うふふ、また胸が大きくなられたのね!!」


胸に顔を埋めたまま嬉しそうにそう言うとさらに感触を楽しむように顔を擦り付けてきた。

流石プロと言うべきか変態と言うべきか抱きついただけでサイズの違いがわかるのはすごいがやめてほしい。



「ちょっと、ニーナ!!やめてちょうだい!!」


顔を離そうとするがまったく動かない。

しかもハァハァなんて息が荒くなっている。

自分の胸元に鼻息の荒い人がいるとか怖い。

ヨーダに助けを求めるよう見つめるが微笑ましそうにしている。助ける気はなさそうだ。




この終わりのないやりとりに絶望していたそのとき



「2人とも落ち着いてください。ライラちゃんが困ってますよ」


少し困ったようにアルトが部屋に入ってきた。

まさに鶴の一声、ニーナがしぶしぶではあるが離れてくれた。

名残惜しそうに動く手は勿論見なかったことにした。


「ありがとうアルト」


「ライラちゃんがそろそろ限界かなーって思ってね。この服も着て欲しかったし」


いい笑顔でアンティークドール風のドレスを持ち上げている。





・・・ブルータス!お前もか!!



「あらん、まずはドレスからよぉ」


「勿論その後でですよ」


「採寸もやらない?」ハァハァ


「ん~サイズ変わったみたいだしやる?」


「いえ!大丈夫よ!!」


アルトに尋ねられ直ぐに答える。

ニーナはあたしの答えに不満そうにメジャーを下ろした。



ニーナが大人しくしているうちにさっさと試着室へとドレスを持って逃げ込み袖を通す。

あたしはお嬢様ではあるが1人でドレスは着れる。

大抵のメイドはお母様信者であるのでなにかあればお母様を優先してしまう。

マーサがいないときは自分で着れるよう練習したのがこんなとこで役に立つとは・・・。



「できたかしら?」

ニーナの問いかけに答えるように部屋から出る。


「どうかしら?」

流石人気なだけあって仮縫いの状態ではあるが着心地もよくシルエットも美しい。

これなら完成品も期待できるに違いない。


彼らの前でゆっくりと回って見せた。

ダンスをするので動きやすさ、見栄えはとても重要だ。

3人は先程のふざけた様子が嘘のように真剣にドレスを見つめ、そして満足そうに頷いた。


「大丈夫そうだね」


「苦しかったりしないかしらん?」


「うふふっ流石私たちね!!」


こちらに近づき次々に話しかけてくる。

その際、妖しい動きの手をそっと弾いておくことも忘れない。


「とても良いわ。軽くて動きやすいの。完成が待ち遠しいわ」


「よかった。じゃあ今度はこれ着ようか」

素敵な笑顔であのドレスを手渡してきた。

・・・忘れてなかったかっ!


嫌がれば嫌がる程彼らを喜ばせるのがわかりきっているので諦めて着替える。

ふんだんに使われたレースやフリルにうんざりつつ鏡を見つめる。

まるで西洋人形のように愛らしいが自分だと複雑である。


てでいけばテンション高く誉められる。

やはりこれだけ誉められるのはまだ馴れないが嫌ではない。

あたし自身を見てくれているとわかるので彼らの誉め言葉は心に届く。


その後も何度も着替えさせられ騒がしくも楽しい一時を過ごした。

次に会うときには完成しているであろうドレスを思い浮かべて店を後にした。



そしてあたしはこの後起こることも知らずだれをパートナーにするか呑気に考えていたのだった。

束の間の主人公の幸せタイムでした。

主人公はニーナたちの前では言葉遣いが少しだけ素に近くなります。

次はまた可哀想なことになるやもです(笑)

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