ドレス 2
コンコンッ
「お入りになって」
「失礼いたします。ライラ様職人たちがいらっしゃいました。」
「そう、こちらにお通ししてください」
「かしこまりました」
「ではどう「「「ライラさまー(ちゃーん)!!!!」」」ぞ」
職人たちがメイドの声に被せて突入してきた。
相変わらずな様子に苦笑をもらすがとりあえず困っているメイドを帰すことにした。
「ありがとうございます。ルカはもう下がってください」
扉が閉まったことを確認してから
「・・・皆様おひさしぶりです。相変わらずのようで安心いたしました。」
「あぁライラ様更にお美しくなられて!!さぁ採寸しましょう!すべてを私にお見せください!!」ハァハァ
こちらの興奮している女性がニーナ・ダントラーグ。美少女好きの変態です。美しい少女を自分の手で更に美しくするのが良いそうだ。また、採寸なら触れ合いも合法よね!がモットーである。
彼女自身もかなり美人なのだが性癖で半減である。
「あ~んライラ様ったらもっと可愛い服にしなきゃだめじゃない!!今日はドレスだけじゃなくて普段着もデザインしちゃうわ!!」クネクネ
こちらのクネクネと気持ち悪い動きをしているのがヨザック・ダントラーグ。通称ヨーダ。逞しい上腕二頭筋と胸筋を華やかなドレスで包んでいる。名前と筋肉の説明で分かったと思うが男性だ。可愛い物好きな心は女の子☆っていうタイプの方だ。綺麗な顔をしているが男らしい美しさのためドレスがちょっとキツい。
彼...彼女はこの大胆な見た目に反して繊細なデザインを描くのだ。
そしてこの2人は夫婦なのである。どうしてそうなったのかは知らないがなかなかお似合いだと思う。
・・・本当に変わってない。
2人の暴走を無視してもう1人を探す。
「ライラちゃんまだこのぬいぐるみ持ってたんだ」
椅子に置いてあったベアールのぬいぐるみを抱えていた。
「ふふっ勿論です。これは皆様との思い出の物ですもの」
うれしそうに微笑む彼はアルト・ランクロー。この夫婦の弟子であり、小物作りが専門だ。穏やかな彼は若干天然が入っており、分厚いフィルターにより暴走夫婦もただの明るい夫婦になってしまう。
こんな非常に濃い3人だが腕は確かだ。
ただ、濃い故にいろいろあったらしく今は気に入った人にしか服を作らないため女性たちの憧れのブランドでもある。
あの皆から愛されるお母様にも気に入らないの一言で断ったのだ!!取り巻きどもが断られたと非常にうるさかった。
あたしはとあることがきっかけで気に入られ服を作ってもらっている。
変わってはいるが彼らはあたし自身を見てくれる数少ない友人でもあるのだ。
「・・・さて、ライラ様採寸しましょ?」
手をワキワキと動かしながらニーナがこちらに向かってくる。どうやら暴走は終わったようだがその手つきはやめてほしい。
「さっ遠慮しないでちょーだい!」
「っきゃーーーーー!!!」
・・・いろいろ触られた!グスンッ
素早くあたしを掴んだかと思うと採寸部屋に連れ込まれ、手際よく脱がし採寸という名のセクハラが行われた。
「うふふ♪ライラ様はもっと肉付きを良くしないとだめよ?胸はいい感じに育ってきたけどまだまだ気を抜いちゃダメよ!」
もうやめて・・・あたしのHPはゼロです。シクシク
「さっヨーダ!アルト!デザインするわよ♪」
マーサに慰められているあたしを余所に実に楽しそうにしている奴等が憎い(泣)
「ライラ様はどんなドレスになさりたいの?」
「あたしは踊りやすければいいかな」
「ライラ様は可愛らしく見られがちですからせっかくのデビュタントは大人っぽくしてもいいのては?」
「そうねぇんじゃあ・・・淡い緑なんてどうかしら?あぁでも深い緑色のベロアの生地でアンティークドールみたいなのもいいわねぇ」
「ダンスのためのドレスだし淡い緑ので軽い感じでいいんじゃないですか?ベロアのは個人的に作ってライラちゃんに着てもらえばいいですよ」
・・・いい笑顔でなんてことを!!
ベロアのドール服着ていいのはローゼ●メイデ●だけなんだぞ!?
「そっちはまた今度にして今回は淡い緑にしちゃいましょう!」
「じゃあ飾りはパール中心でどうですか?」
「あらっ素敵じゃなぁい?模様もあっさりとしたのがいいわねぇ」
「ライラ様はバストがあるのでアピールしましょう!!」
・・・マーサ!?
敵は味方にいた!!
あきらめて離れたところから紅茶を飲みながら眺める。
いつもと違った騒がしさだけど安心する。
「ライラ様決まりました!!」
デザイン画を見てみるとシンプルだけど工夫が凝らされているのがわかる。
・・・ちゃっかりボディラインが強調されてるけど
「とても素敵ね。楽しみだわ」
「出来たらまたお持ちしますわ」
「早速取り掛かりましょう!!」
「普段着も楽しみにしててねぇん」
嵐が去った...
来たとき同様騒がしい
「ライラ様楽しみですね」
「そうね。たまに様子見にでもいきましょうか」
はりきる彼らを思い出し自然と笑顔になった。
はっちゃけました☆
いかがでしたでしょうか?
ベアールはこちらでいうくまです。
ドレス考えるの楽しかったです。
絵がうまければ描くのに・・・
お気に入りにしてださる方が増えてうれしいです。
アクセス数も怖くなるほど!
これからもがんばります!!