パートナー決定!?
大変お待たせしました。これからまたゆっくりと投稿していきます!
ニーナの店を出て城に向かう。
あんなに楽しかった気持ちも萎んでくる。
着いてほしくないという想いとは裏腹にあっという間に城門についてしまった。
馬車から降りると1人の騎士が近づいてきた。
「ライラ様、マーサ様がお伝えしたいことかあるそうですので至急お部屋まで戻られますように」
「ありがとう。すぐに戻るわ」
にっこりと微笑むと騎士や後ろにいた近衛兵たちが顔を赤らめる。
ヒロインフェイスは美しかろう?
お母様信者の集まりとはいえ媚を売ることは忘れません。
何かあったときに助けてもらわなきゃいけないしね!
惚けている信者たちをそのままにさっさと部屋に向かう。
取り巻きどもにあったら疲れるしね!
無事誰ともすれ違うことなくたどり着けた!
部屋の前に立っている騎士に扉を開けてもらう。
「マーサ?呼んでいると聞いたけどどうしたの?」
「あぁ、ライラ様!実は......」
辛そうな表情で何かを訴えようとしているがなかなか口を開かない。
余程言いにくい事なのか人に聞かれたくない事なのか。
とりあえず防音魔法を部屋にかける。
これ、実は上級魔法らしいけどチートの娘ゆえに無詠唱で簡単にできるのだ。チート万歳!!
・・・まぁ、マーサやニーナたち以外知らないんだけどね。
魔法成功させてもみんな見てるのはお母様。
昔は褒めてもらおうといろいろやったんだけどタイミングよくお母様が転んだり寝ちゃったり、拐われちゃったりするもんだからあたしの見せ場は奪われてしまった。
お父様だけ呼んでも結局結界からお母様が連れ出されたとかで中止。
その分マーサがたくさん褒めてくれた。
あの時はうれしくてつい年甲斐もなく泣いてしまったなぁ。
・・・はっ!!あたしはまだ花の10代!!
ピッチピチなのよ!
枯れてたまるもんですかっ!!!!
話が逸れちゃったわ。
いまはマーサの話を聞くことが先決だ。
「マーサ?どうしたの?周りには聞こえないわ。聞かせてちょうだい」
「・・・ライラ様、ライラ様のデビュタントのパートナーが決まったそうです」
辛そうな表情で答えた。
「・・・・・・え?」
マーサの言ったことがなかなか理解できず聞き返すことしかできなかった。
「先程旦那様の使いの者がそう伝えてきました。お相手の方については教えて頂けませんでしたが」
涙を浮かべるマーサ。
彼女は私がデビュタントのどれだけ楽しみにし、相手を探していたのか知っている。
ゆえに耐えられないのだろう。
「マーサ、気にしないで?きっとお父様が素敵な方を見つけてくださったのよっ」
お母様そっくりの笑顔で笑う。
マーサがこれ以上心配しないように。
明るく、楽しそうに......
「ライラさま......」
なぜかマーサは余計に辛そうな表情になってしまった。
どこか可笑しいのかしら?
お母様スマイルは人々を魅了し癒すはずなのに・・・
「ねぇマーサ、お相手の話を聞きにいきたいの。お父様とお会いできるか聞いてきてもらえないかしら?」
マーサの顔が見ていられなくなってお願いをする。
「かしこまりました」
辛そうな表情から真面目な顔になる。
こういう公私混同されないところが彼女の尊敬できるところだ。
すぐさま部屋を出ていく。
パタンッ
......ようやくだれもいなくなった。
心配してくれてるマーサには悪いけどいまは1人になりたかった。
別にパートナーを勝手に決められたショックからというわけではない。
最初こそ驚いたがやっぱりという気持ちの方が強かった。
きっとお母様が何か言ったのだろう。
昔からお母様中心の環境。あたしの意志が通った試しがない。
お母様が幸せであれるイイ子であれば良いのだ。
諦めることになんて慣れている。
ただ、またマーサに哀しませてまったことが悔しかった。
早く、早くマーサを安心させられるような人になりたい。
最後シリアスになってしまいました。
もちろんマーサはライラの作り笑顔に気が付いています。
昔から彼女の諦める姿を見てきています。
そして年々うまくなっていく笑顔がいっそうマーサを悲しませているのです。




