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冷徹なボーイッシュ王子様系女子「くれは」が溶けるまで  作者: ヒヤマタダ


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1/1

出会い

ボーイッシュな女の子が大好き。

王子様系女子が大好き。そんな人は読むべし。

彼と出会ったのは偶然だった。


これはボクが魔法学園に入学する前の事。叔父は強い魔法使いで、魔物をバッタバッタと薙ぎ払う姿を幼少の頃から見ていたボクは魔法使いになる事を目標としていた。しかし、危険だという理由から魔法学園に通うことは許されず親からの猛反対をされた。


理解してくれない両親に腹が立ったボクは無我夢中で家を飛び出していた。


そうして家を飛び出してから夕方になっても、ボクは何も食べず、家にも帰れずにいた。腹の虫は治まらず、プライドがあるから謝りにも行けない。


途方に暮れていたボクがトボトボと歩いていると、米の匂いを感じた。一目散に走って見つけたのは、屋台で売ってある「おにぎり」だった。


???:「(米に海苔を付けただけ!?なんて質素な…。だが、このボクが、こんな質素な食事に惹かれるなど……! しかし……胃袋が『非常食』を要求している……!)」


悩んでいたボクは熟考の末手を出そうとしたが、


???:「あ、あれ?財布…は、持ってきて、ない…」


葛藤しながらも屋台に近づくも、家を飛び出した時には、財布の事など考えていなかった。意地と空腹に挟まれ、ボクはただ屋台を見つめることしかできなかった。


その時、屋台の前に一人の少年が立っていた。ボクと同じくらいの背丈。いかにも貧相な格好をして小銭を数えている。


「あ、1個しか買えね…おじさん、これください」


そういっておにぎりを買い、その場を去りそうになる。我慢が出来なくなり、ボクはたまらず声をかけてしまった。


???:「お、おい貴様。その食事を、…ボクに分けろ。」


今思えば、空腹で限界だったとは言え、最悪な話し方だったと思う。それでも彼はボクの身なりを見て、何も問わず


「いいよ!あの辺にベンチあるからそこで食おうぜ!」


彼は1つしかおにぎりを買えない貧乏人の癖にボクに施しをくれたのだ。


???:「…!?な、しょ、しょっぱい…?なんだこれは?」


「?食べたことないの?おにぎり」


半分分けてもらって二人でおにぎりを食べた。普段ボクに接する人間は年上だろうがなんだろうがボクに頭を下げる。だが、見ず知らずの彼とは、ただ平等な人間として接していた。


施しを受け、優しさを受けたボクは…次第に、涙を流して事情を話していた。


???:「ボクは、…魔法使いになりたい。…うぐっ。でも、パパもママも、…ダメって。ひぐっ…」


「何でならないの?」


???:「な、なんでって…話を聞いてなかったのか…パパとママが」


「否定されても貫く方がかっこいいでしょ!

俺も色々言われたけど魔法学園に行くことにした!」


ギョッとなり彼を見つめた。聞けば彼は、ほとんどの魔術に適性がなく、仕方ないので体術だけで入学するつもりだと抜かしていた。


???:「…っぷ、あっはははは!それは、言われるだろ…!魔法学園に入って体術を使うとはどういう事だ!


「いや、だから魔法学園って言うのが綴りがかっこいいから…!」


変な言い訳をする彼だったが何故かボクの気は晴れた。こんな面白いバカが魔法学園に行って、ボクが両親の否定ごときでやらない理由にはならない、と。


???:「くくく…。っふう。じゃ、ボクは帰るとするかな。やる事が出来た。」


「うん、またな!」


???:「…まて。貴様、…名前は?」


「【レオ】!魔法学園であったらよろしく!…君は?」


くれは:「レオ、…覚えておこう。ボクの名は【くれは】だ。…魔法学園でまた会おう。」


家に帰ったボクは心配する従者たちを一切無視し、両親に鬼の形相で説得を開始した。否定を続ける両親の言葉がどもり始めた所でようやく入学を認められ、ボクはこの魔法学園に入ることが出来た。魔法学園に入った目的はもちろん、魔法使いとして名をあげる事、そして…背中を押してもらったレオに、従者になってもらう事…。


だが、正直彼がどう頑張っても…魔法学園で受かるビジョンはない。恐らく、もう二度と会うことは

「やったーーーーーーー!」


…うん。いかにも脳筋が出しそうな声が聞こえる。


くれは:「やあ、レオ君。久しぶりだな」


「あっ!確か…くれは!久しぶり!元気してた?」


くれは:「まあ、な。君も阿呆の声を出すという事は元気そうだな。…受かったのか?」


「うん!じょあーん!見てこれちょっとこれ!」


魔法学園には三つの教科がある。魔術、呪術、体術。


三教科はそれぞれ100点満点。合格ラインは合計150点以上のはずだが…彼のテスト結果を見ると…



魔術、5点


呪術、49点


体術、100点


恐ろしいほどのギリギリラインで合格していた。


「…で?くれはは何点?」


くれは:「300点満点に決まっているだろ!ボクは由緒ある家出身なんだから!」


「へぇー…凄い!…ま、とりあえずこれからよろしく!」


くれは:「ああ。貴様もボクの従者になれる様精々頑張りたまえよ」


「え?ジュウシャ?」


そんなこんなで二人は制服を受け取る事が出来た。せっかくなので一度着替えてお披露目会をする。


くれは:「…ふん。服の材質が悪い。後で特注の物を用意せねばな。」


「おいおい、文句言うなって~。着れる服が増えるだけありが…た……」


ぶつくさ文句を言うボクにレオが話しかけたその途端。





「…」





くれは:「おいどうした。レオ君、苦虫かじった様な顔をするな」






「あ、…よ、あ、これから、…よろしくお願いします。…くれはさん」


彼との距離感は少し、遠ざかった。

冷徹な王子様がどう溶かされていくかお楽しみに

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