ー3章ー 24話 「枝豆とメロンの衝撃 」
ホノエ村から帰還したナツキが持ち帰ったのは、見たこともない緑の豆と、甘い果物、そして──まさかの“肉”だった!?
新たな食材に驚くユイナと、久しぶりの贅沢にじいさんが見せた反応とは?
イモ生活に変化の兆しが訪れる、美味しさ満載の一話!
トリア村に戻ったナツキは、酒場のユイナと仕入れてきた食材を囲んで新たなメニューの話をしていた。
【ユイナ】「まさかこんなに色々な種類の作物があるなんて……」
トリア村から出たことのないユイナは、その種類の豊富さに驚いていた。
【ナツキ】「ホノエ村の食材と、トリア村で取れるイモや麦を使えば、もっと色々なメニューをつくれるわ!」
ナツキは嬉しそうに語ると、「まずは簡単にこれを茹でてみるね!」と緑色の豆を取り出した。そう、枝豆だ。
水洗いした枝豆を塩で揉み、沸騰した湯に投入。数分茹でれば完成という、実にシンプルな料理だが──
見た目にも鮮やかな緑色に仕上がった枝豆を皿に盛ると、
【ユイナ】「え!?これだけ?」
【ナツキ】「うん、食べてみて!」
恐る恐る一粒つまんだユイナは、口に運んだ。次の瞬間、目を見開く。
【ユイナ】「何これ……美味しい!塩気と枝豆の甘みが口いっぱいに広がって、シュワットとの相性も抜群じゃない!?」
初めて食べた枝豆に、驚きを隠せないユイナ。イモ以外のメニューの提案に興奮していた。
【ナツキ】「今は茹でたてだけど、冷めても美味しいんだよ?」
【ユイナ】「じゃぁ、ある程度作り置きも出来るってことね?こんなに美味しいのに、スゴく助かるメニューね!」
【ナツキ】「気に入ってもらえて良かったわ!」
その時──コンコンッとドアをノックする音。開けると、じいさんが立っていた。
【じいさん】「おお、やっておるようじゃのぅ?」
様子を見に来たじいさんは、何かに使えないかと食材を持ってきてくれた。
【じいさん】「実は隣りのウルフの森から、食材を貰ったんじゃ。すっかり豊かになった森に、動物も戻ってきたみたいでな。ウルフたちが狩りをして得た肉じゃそうじゃ!久しく肉なんぞ食べておらんからの。腕利きのおぬしらに是非とも使ってもらおうと思ってな」
ドカッとテーブルに置かれた包みを開けると、新鮮な肉が顔を出した。
【ナツキ】「わぁぁ!スゴく美味しそう!おじいさん、ありがとう!」
ナツキはじいさんを座らせ、さっそく肉をステーキの厚さに切り分けて焼き始める。ホノエ村から仕入れたメロンと、香草、調味料で甘じょっぱいソースを作り、焼き上がった肉にサッとかけて完成。
【ナツキ】「はい、どうぞ!」
【じいさん】「う…うぅ……。」
【ナツキ】「え!?だ、大丈夫ですか!?」
次の瞬間、じいさんはテーブルを叩いて叫んだ。
【じいさん】「上手いぞーー!!芳醇な香りととろける肉汁、メロンの甘みと香ばしい肉の相性が抜群じゃ!」
ナツキの心配をよそに、じいさんは涙を浮かべて叫ぶ。
【じいさん】「わしゃ……もう死んでもえぇ……こんな美味いもんが食えたんじゃ...思い残すことはあるまいて……」
【ユイナ】「ちょっと!縁起でもないこと言わないで!」
【ユイナ】「……でも、一口だけ……」
ユイナも試食して沈黙。そして──
【ユイナ】「イモばかり食べてきた私たちには、毒だわ………美味しすぎるのよ!!」
【ナツキ】「あははは………ダメだったかな?」
【じいさん】「バカを言うでない!わしはこの料理のために、毎晩飲みに来るわい!」
【ユイナ】「そうよ!もうこれ、看板メニューにするんだから!ダメって言ってももう遅いわ!!」
嬉しそうな二人に、ナツキもほっと笑みをこぼした。
【ユイナ】「そうね………なら、定期的に肉を確保しないといけないわね。」
【ナツキ】「……じゃぁ私がウルフさんに交渉してみるね!この前リュウジと挨拶に伺ってるから、面識はあるし」
【ユイナ】「うん!お願いするわ!」
こうしてユイナの酒場には、枝豆とメロンソースのステーキという、イモ以外の新メニューが誕生したのだった。
イモだけだった日々から、枝豆や肉といった贅沢な食材が加わり、トリア村の食卓に変化が訪れ始めました。
「美味しい」という感動が、心まで豊かにしてくれる──そんな一幕を、ユイナとじいさんのリアクションを通して描きました。
ナツキたちの挑戦は、単なる料理にとどまらず、“村の未来”そのものに繋がっていると感じています。
今後も、日常のささやかな進化を大切に描いていきますので、
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