ー3章ー 18話 「鍛冶場とおつまみ革命」
街の男たちと共に、リュウジたちは新たな発展の準備を進めていきます。
今回は「塩」と「鍋」、そして「炉」――まさかの鍛冶スタート!
一方、トリア村ではナツキとユイナが“イモだけ”おつまみに挑戦!?
静かに進む、復興と創意の18話です。
ホノエ村の広場の一角では、リュウジの作戦計画のため、バルドンを中心に街の男たちが黙々と作業を続けていた。
【リュウジ】「なぁバルドンさん。この辺りに海があったんだけどさ。……塩を作れないかなと思ってるんだ」
板を作る手を止めて、バルドンが眉をひそめた。
【バルドン】「塩ってのはだなぁ……高価なもんだぞ?それを作ろうってのか、お前さん」
【リュウジ】「ああ。でさ、バルドンさん鍛冶師だろ?なら、鍋を作れないかなぁと思って」
【バルドン】「ふん、鍋くらい朝飯前よ。材料と道具もあるにはある。……だがな、肝心の“炉”がねぇ。残念だが、ここじゃ作れねぇよ」
ちょうどその時だった。 ウルフの鳴き声と共に、荷車が一台帰ってきた。
【リュウジ】「お、グッドタイミング!」
【タケト】「ん?何の話だ?」
【リュウジ】「塩を作るために鍋を作って欲しいと思ってるんだけど、バルドンさんに頼んだら、炉が必要だって言うんだよ。で、タケト、お前なら作れないかなって思って」
【タケト】「……いや、流石に炉は未経験だぞ」
【バルドン】「……お前さん、器用そうだし、やる気があるならワシが教えてやるよ。言われた通りに作ってみな」
【タケト】「ふむ……面白そうだな。やってみるか!」
そのやり取りを、作業を手伝っていた村人の一人が耳にしていた。
【村人】「あのぉ……うちの古い小屋、ずっと使ってなかったんですが、良ければ鍛冶場代わりに使いませんか?もったいないと思ってたんですよ」
【バルドン】「それはありがてぇ!鍛冶場ができりゃ、仕事もはかどるってもんだ」
こうして、ホノエ村に初の鍛冶場が誕生することになった。
その頃、トリア村の酒場では――。
【ユイナ】「ねぇナツキさん。料理、できる?」
【ナツキ】「ナツキでいいよ。できるけど、どうしたの?」
【ユイナ】「うちの酒場、最近“シュワット”ができたんだけどね、おつまみが……全部イモなのよね」
【ナツキ】「イモって言っても色々種類があると思うんだけど……。どんなのを出してるの?」
【ユイナ】「イモの素揚げ、炒めイモ、蒸かしイモ……」
ナツキは苦笑した。
【ナツキ】「……悪くはないかもだけど...。口の中の水分がなくなるから、シュワットも進むよね……あはは……」
【ユイナ】「素材は活かしてるでしょ?」
【ナツキ】「そうね。素材を活かすのは良いと思うよ。」
【ユイナ】「つまり、もっとこう……ちゃんとしたおつまみを作りたいの!イモでも喜んでもらえるような?」
【ナツキ】「わかった。イモだけでも工夫すれば、まだまだバリエーション増えるはず!」
料理魂に火がついたナツキは、その日の夜から新メニューを考え始めるのだった。
村では炉作りが、トリア村では“おつまみ革命”が、静かに始まっていた。
鍛冶場を作るためにタケトが初めて挑む“炉作り”、そしてトリア村ではナツキによる“イモだけで革命を起こす”挑戦が始まりました。
少しずつ少しずつ、それでも確実に進化していく世界。今回も静かな熱気があった回だったと思います。
果たしてタケトの炉は無事完成するのか?
ナツキが導く、おつまみ改革の行方は!?
次回以降の展開にぜひご期待ください!
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