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不遇だったアラサーの俺が異世界転生させられたら  作者: 榊日 ミチル


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ー3章ー 10話 「未来へつなぐ“ぬちゃぬちゃ”プロジェクト」

ウルフ車三台にスライム300匹を乗せて、リュウジたちはホノエ村へ戻ってきます。

村ではタケトが待ち構え、新たな仲間ミリューとガルーガの登場に驚きの声も。

“ぬちゃぬちゃプロジェクト”はここからが本番。

かつての草原を取り戻す未来へ向けて、リュウジたちの挑戦が始まります。


舗装された道の上を、3台のウルフ車が土煙を上げて進んでいた。

ホノエ村に戻るリュウジとナツキ、そして大量のスライムたち。

荷台のスライムたちは、まるで遠足を楽しむ子どものように、揺れに合わせてぷるぷると跳ねている。


【リュウジ】「魔物と人間って、昔は共存してたらしいんだよな」


ふと思い出して、リュウジが口にした。


【ナツキ】「え!? そうなの?」


【リュウジ】「ああ。山へ行った時に会ったモグラがそう言ってた。……けど、なんで今はこんなふうに距離を取るようになったのかは、よくわからないんだよな…」


ナツキはしばらく考え込むように視線を落とし、ぽつりとつぶやいた。


【ナツキ】「共存できてたなら、どうして壊れちゃったんだろうね」


言葉は少なかったが、その問いに込められた想いは重い。

俺自身も、ずっと引っかかっていた。

人と魔物が手を取り合って暮らしていたなら、なぜ今は互いに恐れ、いがみ合う関係になってしまったのか――

それは、いずれ突き止めるべき“答え”のひとつだった。


そうこうしているうちに、ホノエ村が見えてきた。

舗装された道の先に広がる、見慣れた村の風景。

だが今日は、その景色に新たな風が吹こうとしていた。


【タケト】「おおお!? おいリュウジ、なんだこのウルフ車の数とスライムの量は……!」


広場に出迎えに来ていたタケトが、目をまん丸にして叫んだ。

荷台にぎっしり詰まったスライムたちと、それぞれに荷車を引かせた屈強なウルフたち。

そのうちの一頭は、凛とした雰囲気をまとった美しいメスウルフ、ミリューだ。


【リュウジ】「ふふん、驚いたか? これは“ウルフ部隊”だ。タケト、ナツキ、俺。それぞれに専用のウルフ車を作ってみた!」


【ナツキ】「ミリューちゃんっていうの。綺麗な子でしょ!?」


ミリューは小さく挨拶して、ナツキの隣に寄り添った。

その様子に、タケトは驚きながらも目を見張る。


【タケト】「……すげぇな。リュウジ、またひとつとんでもないもん持って帰ってきたな」


俺はウルフ車を増やした経緯やスライムでトリア村が大変な事態になっていた事、そしてクラウガとリュナの協力について簡単に説明した。


と、そのとき。空から影が舞い降りる。


【ハーピー偵察兵】「リュウジ様!報告に参りました!」


ハーピーが領主周辺の偵察結果を伝えにきた。

城の周囲は緑がほとんどなく、荒れ果てた土地だったという。

さらに北に進むと、延々と壁が続く場所があり、城からそこへ向かう道も存在していたらしい。


【リュウジ】「……それって、草原だったはずの場所じゃないか?」


モグラが話していた昔住んでいた草原。

リュウジはそれを思い出して聞いてみた。

すると、ハーピーは記憶をたどるように頷いた。


【ハーピー偵察兵】「確かに、今は荒野ですが、かつては緑の豊かな草原だった場所です。ご存知だったのですか?」


【リュウジ】「いや、最近出会ったモグラから聞いたんだ。そこに住んでたってさ」


【ハーピー偵察兵】「そうでしたか……。彼らも住処を追われたんですね」


その一言に、やり場のない怒りを覚えるリュウジ。魔物たちの話を総合してみると、恐らくは人為的な何かではないか?と確信はないが、そんな予感がしていた。


【リュウジ】(……よし!その場所をいつか草原に戻してやろう)


心の中でそっと誓いを立てる。


そんな中、リュウジは改めてみんなに話しかけた。


【リュウジ】「街の人たちが来るまで、あと2日。まずはスライムたちを配置して、土地を整えようと思うんだ」


【タケト】「任せろ。一大プロジェクトってヤツ、成功させようぜ!」


【ナツキ】「うん!豊かな土壌ができれば、どこでだって作物が育てられるしね!」


頼もしい仲間たちの言葉に、自然と笑みがこぼれる。


スライムたちの“ぬちゃぬちゃ”は、土地を潤し、作物を育て、命をつなぐ。

それを、必要な場所に必要な分だけ。

無理なく、ゆっくり、けれど確実に。


──そうして、俺たちの新たな挑戦が本格的に幕を開けた。


これはただの土壌改良でも、復興でもない。

この世界に、かつてあった“共存”を取り戻すための、未来へつなぐ一歩。


【リュウジ】「よし、行くぞ。“ぬちゃぬちゃプロジェクト”、本格始動だ!」


ぴょん、と元気よく跳ねたスライムの体が、朝日にきらりと輝いて見えた。



今回はホノエ村にスライムが一気に集結!

これまでの準備がひとつにつながり、いよいよプロジェクトが動き出しました。


そして物語の裏では、過去の“共存”というキーワードが浮かび上がりつつあります。

ただの復興では終わらない、新しい可能性が芽吹く予感……。


次回もよろしくお願いします!


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