表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不遇だったアラサーの俺が異世界転生させられたら  作者: 榊日 ミチル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

5/178

ー1章ー 4話「村の再興と、イモと、ぷるぷる会議」

村の畑を甦らせるため、ちょっと変わった作戦が始まりました。

鍵を握るのは、ぷるぷる震える“あの存在”。

最初は不安と混乱ばかりですが、少しずつ変化の兆しが……?

村が騒然とするドタバタぷるぷる劇のスタートです。



【リュウジ】「よし、ここにスライムの養分を撒くぞー!」


女王スライムがぷるんと跳ねる。


【女王スライム】「ちょっとだけ出すからね?」


【リュウジ】「うん、様子見で“ちょっと”だけな」


【女王スライム】「はい、ぷるぷる注入〜♪」


ドバッ…


……。


【リュウジ】「ちょっとじゃない! ちょっとって言ったよね!?」


ぬちゃぬちゃと地面を濡らす養分の量が、明らかに“ちょっと”の域を超えている。


【女王スライム】「だって、溜まってたから……」


【リュウジ】「スライムって、どこに貯蔵してんだよ!」


その様子を遠巻きに見ていた村人たちが、ざわざわとざわめく。


【村人A】「お、おい、これ大丈夫か……?」


【村人B】「何かぬちゃぬちゃしてるぞ……」


【村人C】「……あのピンクの、意外とでかい……」


【リュウジ】(なんか、違う意味で話題になってないか!?)


【村人D】「村長ぉ、これ本当に効くんですかぁ?」


【じいさん】「うむ。わしも見たのは初めてじゃが、信じようではないか……ぷるぷるを」


──ぷるぷるを信じる会、ここに爆誕である。


【リュウジ】「とはいえ、やせ細った土地を甦させるなんて、この案以外ないしな…。信じるしかないか。」


【じいさん】「そうじゃ。ちょっとぬちゃぬちゃしてはおるが、効きそうな感じがどことなくしておらんこともないわい。」


【リュウジ】「どっちだよっ!」


手探りでの共同作業と、養分と称する謎のぬちゃぬちゃが、この村を救うんだろう…

…多分。

 


しかし、数日後──


【村人A】「おい、芽が出てる!」

【村人B】「ここにも!」


【村人C】「すごい、緑が戻ってきた……!」


村の畑に、確かな変化が現れた。

荒れ果てた大地に、瑞々しい緑が芽吹き始めたのだ。


スライム養分、まさかの大勝利である。


【村人D】「まさか、本当に……こんなことが……」


村人たちの表情にも、少しずつ笑顔が戻っていく。


【じいさん】「これなら……イモ以外も育つかもしれんのう!」


【リュウジ】「おいおいおい!スライムさん!やるじゃねーか!これなら夢にまで見た葉物野菜も、そう遠くない所まで来たんじゃないの!?」


【女王スライム】「私たちの養分は色々混ざってるから、たくさん野菜が育つわよ~ぷるん♪」


【リュウジ】「…色々が気になるが、問題なし!畑の復活だーー!!」


村人の言葉に思わず歓喜してしまった。

だって……イモしか食べてないんですもの。


希望という言葉が、ようやくこの土地に根を張り始めた瞬間だった。


 


その一方で、スライムたちはと言えば──


【スライムA】「わたしは葉っぱ系がいい!」


【スライムB】「いや、虫だろ、虫が最高!」


【スライムC】「そっちは豆系でしょ!? 臭いのよ!」


【スライムD】「そっちだって、ぷにぷにしてるくせに!」


ぷるぷる震えながら口論を始めていた。


【リュウジ】「……ぷるぷるしながらケンカするな! かわいいけど!」


畑を見てみれば、さっそくスライムが雑草をモグモグと食べている。


【リュウジ】「んー。なんかカワイイ」


穏やかで、笑いが飛び交う村の光景。

転生したことに少しだけ幸せを感じていた。

村人も、スライムとの共存に戸惑いながらも、笑顔を見せている。


そして今日も俺は、イモをほお張る。


──たとえ、口の中の水分が全部なくなろうとも。


まさかのスライム養分、大勝利!

イモしかなかった村に、ようやく“緑”が戻ってきました。

そしてスライムたちは、今日も元気にぷるぷる議論中。

次回、また新たな展開が巻き起こる!?

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ