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ー1章ー 21話 「赤く燃えるぷるぷる、誕生!? 焚き火で進化するスライムの謎」

川の整備が進む中、ちょっとした奇跡が――。

炭を食べたスライムが火属性へ進化!?

ミズハ村の復興を加速させる“赤スライム”爆誕です!


川の整備が本格的に始まって、三日が経った。

地形を調べた結果、ミズハ村からトリア村へ向かって緩やかな傾斜がついていることが分かり、その自然の流れを活かして川のルートを掘り直す作業が始まったのだ。


午前中はひたすら掘って、昼には女王スライムの差し入れ。

午後もひたすら掘って、夕方には薪を集めて──お楽しみの焼き芋タイム。


【村人A】「リュウジさん! 今日のイモ、よく焼けてますよ!」


【リュウジ】「おおっ、ありがと! 今日は塩ふってみるか!」


そんなある日の夕暮れ。

焚き火を囲んで焼き芋をしていると、ふらふらと一匹のスライムが現れた。

色は青。

トリア村にいる普通のスライムだ。


【リュウジ】「あれ、お前もイモ食べに来たのか? いや、その前にスライムってイモ食べるのか? ……って、じっと火を見つめてるな」


焼き芋タイムもひと段落し、焚き火の火が消えるころ。

燃えた薪がわずかに燻って、ほんのりとした明かりを灯していた。


【リュウジ】「なんだ。結局スライム、イモ食わなかったな。寒くて暖まりに来ただけか?」


【村人A】「そうみたいだな。夜は少し冷えるから、スライムもきっと寒いんだろう」


スライムが寒がって焚き火に集まる──

なんとも癒される光景だ。

そんな談笑をしていたそのとき、スライムがぴょんと焚き火に近づき、炭の前で止まった。


そして──


【村人B】「お、おい! そっちはまだ熱いぞ!」


言う間もなく、スライムは赤く光る炭を──ぱくりと飲み込んだ。


【リュウジ】「うおっ!? 燃えるぞ!? いや溶けるのか!? ってか大丈夫かそれ!! おい!? 今ならまだ間に合う! 吐き出しなさい!!」


だがスライムは、ぷるん……とその場で震えたあと、何事もなかったかのようにぴょんぴょんと跳ねている。痛がる様子もない。


火のついた炭を食べたことで、スライムの体内にあった水分が蒸発して、モクモクと湯気が立つ。


【リュウジ】「ぷるん♪じゃねぇよ! 湯気出てますけど!?」


……そして、その身体がみるみる赤く、ほんのりと熱を帯びたように変化していくではないか。


【村人A】「お、おいリュウジ! 見ろ、このスライム……赤くなってる!」


【リュウジ】「まさか……炭を取り込んで、熱を……? え!? 火属性のスライム!?」


その瞬間、俺の中で何かが弾けた。


(何もしていない状態で熱を帯びてるってことは、水分も蒸発するよな……)


【リュウジ】「これ……ミズハ村で使えるぞ!!」


ミズハ村は、地面がまだ乾いていない。

水をかき出しても、太陽だけでは間に合わない。

だが、もしこの“赤スライム”を送って地面を温めれば、地面が乾き、復興作業が一気に進むはずだ!


【リュウジ】「よし! この赤いスライム、ミズハ村に派遣だ!」


それを遠くで見守っていた女王スライムが、どこか嬉しそうに呟く。


【女王スライム】「うふふ……また新しい子が生まれたわねぇ〜ぷるるん♪」


その日のうちに、俺はじいさんに薪とイモの提供をお願いした。


【リュウジ】「ミズハ村の復興を早めるスゴいスライムが生まれたんだ! そのスライムに焚き火の炭を食べさせたい。焼きイモをすればミズハ村の人も助かるし、一石二鳥だろ?」


【じいさん】「おぉ! ……そのスライムをどうするのかは知らんが、よしっ! 分かった。薪とイモ、持って行くとよい」


異世界に来て、焼きイモで村を救う……!?

そんなことになるとは思わなかったが……

この世界のスライムというのは──


実に、謎である。


読んでいただきありがとうございます!

まさかの赤スライム誕生の回でした。

村の復興、そして今後の展開に向けて、ぷるぷると前進中です。

次回もお楽しみに!


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