月乃神社12
近頃では床に臥すことが増えた私はよく夢を見る。そのせいか最近不思議なことがよく起こる。まるで自分の体をぬけだして気になる者の行く末を見守るためこの世をさ迷っているようだ。私の気になる者はあの子だけ。「これもあなたの力なの?ツクヨミ...。」
「巫女様、お加減いかがでしょうか?」
寝床でまだ夢うつつにまどろんでいたわたしにツウトが声をかけた。私はようやく現実世界に戻った。ツウトの表情は晴れやかだ。一番ほしいものを手に入れたのだから。私は今まで夢で見たできごとが現実なのだと直感で感じた。「ちゃんと自分で選んだわね。」ゆっくりと体を起こし大人の男に近づいたツウトと顔を合わせる。
「そろそろ祭りの準備も本格化してきますね。剣舞の方はどう?」
「はい。まだ至らないところもありますがしっかりお役目を果たします。」
「妃奈里さんのことだけど...。」
ツウトが口をつぐんだ。私が妃奈里との結婚を勧めると思っているのだろうか。
「そろそろ村に帰ってもらおうと思うの。彼女はここの生活には合わないでしょう。あのような半裸でうろつかれては弟子たちや周りの人達にも示しが尽きませんからね。」
「問題ないのですか?」
「私は月乃巫女です。あなたはその後継者の第一候補。この件に決定権をもっているのは私です。」
「巫女様、感謝します。」
ツウトは礼儀正しく頭を下げた。
「しっかりと育みなさい。人生は短い。」
私の言ったことを汲み取ったのか、ツウトは頬を赤らめ再び頭を下げ部屋をあとにした。たくさん話し過ぎたかもしれない。少し疲れた私はまた眠りについた。
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